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◆ 少し多忙に2004/12/04 (Sat)

 先月と今月は、韓国や中国を訪問しかなり多忙である。日本の景気は、表向きは好調だが急速に悪化している。景気が悪くなると当社のような零細企業の方が大企業よりも安いので問い合わせが増える。不況も予想して対応すれば変化の機会になる。

 中国、韓国を訪問したのは大型中空糸膜の専門会社として基盤をつくるために世界規模での、製造と販売の準備を進めるための調査だ。韓国の若い経営者と同行して興味深い旅行になった。中国訪問中、日本経済新聞で当社の記事が掲載された。客先から大型の井戸水浄化の商談がきて、訪問すると10年前を思いだした。当時常務をされていた方と小額の取引があった。担当者に確認すると『現在は、社長になっておられます。川手さんを知っているからたぶん安くしてくれるので電話をした』と言う。先方の予算は3500万円とのこと。1日約400トンから500トンの井戸水を浄化したいと言う。年内中に、1本で時間5トンの井戸水を浄化できる膜処理浄水機のテストを始める。

 12月3日大手量販店から水の自販機の相談を受け、客先を訪問した。さすが業界一番の会社の本社らしく豪勢なつくりの本社ビルだ。今後展開する店舗に置きたいらしい。自販機は日本で最初に私がビジネスを展開したので興味がある仕事である。1990年のころは自販機の水の販売は厳しく規制され法律の壁が厳しく都庁の役人や保険所等が猛反対し、連日、大論議を繰り返していた。交渉の中で飲料水を販売するには色々複雑な制約があるから料理水として販売することを示唆された。市場開発のために市光工業の子会社やその他の会社が数億の資金を投入した。やがて中堅の厨房機器の会社や秤の老舗の会社が参入し今では全国の量販店に置かれている。200万円から800万円ほどで販売されているが実はあまり儲かる仕事ではない。飲料水として使うために事故が起きると大変なために保守メンテに時間と費用がかかる。購入した方は宣伝のため無料で販売するために少しでも安くしたい。この葛藤の中での仕事はつらい。私は純水殺菌水をつくる装置も開発している。新日鉄や三洋さんも販売しているがレベルは当社の方が勝っている。値段も格段と違うし考え方も違う。医療用で認定されている酸化還元水よりレベルが上である。この水と高性能精密膜を使った安価な自販機をつくりたいと思っている。

 商談を終えて浄水器を取り付け中に、大型病院から透析用の純水装置に関して相談の電話を受けた。大病院の院長直々の電話である。私もこの病院で透析を受けているので先方も驚いていた。世の中狭いものである。治療中病院の若手から水の相談も受けているので内容は理解しているから仕事はしないが相談に乗る積もりでいる。

 12月6日韓国で製作中のコンテナハウスが出荷される。小規模ビジネス向けの店舗向けに販売を考えている。当社の洗車場の事務所に展示をかねてに使う予定だ。オリジナルのデザインの手作りで製作すると日本の製造コストが高いので韓国で製造した。同時に中国から業務用の部品が届く。評価して品質が良ければ新しいビジネスの展開が期待できる。今回、韓国の若手経営者の紹介で中国を訪問したがかなりの成果があった。同行した韓国の経営者は中々の行動力のある人材で世界中を飛びまわっている。近々北朝鮮に自社工場を建てる計画と特殊な塗料を開発していて元気だ。我々も来年早々に中国に事務所を開設する。事務所ができれば彼と共同で市場調査の拠点をつくる。

 日本と中国の関係も雲行きが怪しい。表向きは靖国神社の参拝だが小泉さんの交渉は下手だ。中国から脅されると尻込みしている。ODAを打ち切る交渉も下手だ。国内では小泉語録で煙に巻いているが、外交では彼の能力では通じない。彼のレベルではアメリカと同じように日本も中国の植民地化にされるだろう。たぶんアメリカから、このままでは中国が脅威になるので少し揺さぶるよう指示されたのだろう。中国は小泉さんの度胸の無さを完全に見抜いている。お金がないからODAができないと素直に交渉すべきだ。突然打ち卒業論の切りを打ち出す前に中国が聞かないまでも金利を上げる交渉をするとか策があるはずだ。中国からすれば日本の経済の回復は中国にあると思っている。私の感想では日本は背伸びをせずに国際的な立場を確立すべきだと思う。国連の分担金も世界で2番目の分担金を辞退すべきである。小泉さんが動けば動く程混乱が深まる。ここまできたら少し距離を置くべきだ。日本が勇気と度胸を持てば新しい関係が見えるかもしれない。日本も中国も依存体質を捨てて関係を見直すべきだ。又、人件費が安いから中国に出かける政策は改めるべきだ。

 零細企業としては乱世を生き抜く方が得意だし、動向を注視し行動したいと思っている。