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◆ NPO法人の充実2004/09/03 (Fri)

 9月末の展示会に中国や韓国からの要望に応える装置、つまり、大型中空糸(UF)膜フィルターを搭載し毎時15トンクラスの大容量の純水製造装置を展示する。コンパクトでユニット型EDI方式の純水製造装置で、ユニットを連結すると時間あたり最大100トンを越す増設型の純水装置を公表する。技術的にはさほど難しい問題ではないが、もし注文を受けた場合、保守体制の充実が必要になる。純水の製造は、プラント技術なので簡単ではない。原水の分析から始まり、炭酸ガス、pH調整、温度等の制御、各種樹脂の選定、多くの要素を完全に制御する必要がある。何に一つ欠けても純水はできない。

 数年前に韓国の若者と代理店契約を行った。彼らは日本の大手企業の水処理の経験があって非常に優秀な人材である。彼らと仕事の関係を増やすために、体調を見て数ヶ月単位で訪問している。昔、香港で仕事をした時に現地の方から外国で仕事をしたければ回数を重ねて訪問することだと教えられた教訓がある。過去に、サムソン、大宇、現代、今回の訪問は代理店が時間5トンクラスの超純水製造装置をインク会社に納入したので参考までに見学した。日本の大手水処理技術を身に付けただけあって技術水準は高い。日本の保守作業を担当させられる。小集団だが薬品の専門家、保守、機械設計ができる。又、韓国でEDIの調整、洗浄作業もできる。日本で水の人材を育てるには長期の時間がかかるが、彼らと組めば時間がかからない。中途半端な規模の会社は今後ますます苦しい。私は慌てずにNPO法人を大きくして国際的な法人経営に力を注ぎたい。今回の韓国訪問はこの計画に一歩前進した。

 韓国の経済は日本以上に厳しい。中国関係のビジネス以外は停滞している。私は打開策として日韓で協調して手を結ぶべきだと提唱している。しかし、韓国の製造コストは日本と同等だ。これは致命傷だ。国際競争力は生まれない。製品が世界中を飛びかっている時代。人材の交流も国際的に配置してコストを下げるべきだと思う。双方にメリットが出る案を考えたい。小規模な会社が生き残る為には能力の高い人材が統合して大企業に負けない『分社型』で機動性に満ちた組織に変貌させる必要がある。小回りがきいて国際的な仕事をする為にはNPO法人がふさわしいので当社を拡充するよりNPO法人に人材を集めさせる運営をする。

 水の業界はここ10年ほとんど進歩していない。外国では再編の繰り返しで巨大産業化しているが仕事のパイは確実に減少している。当社は小規模の会社のため信用が薄いので大型装置の分野は極力避けてきたが日本では想像も付かない大型の純水製造装置の要望がアジアにある。

 原油が投機の対象になった今、経済はより複雑になる。小さな会社が大きな会社を超える時代がきた。最近、韓国の大企業と合弁の話がきたが要望は安価な大型設備だった。私達はこの計画を機に確実に前進したいと思っている。