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■ 会社の概要2004/04/17 (Sat)

 中東のイラク戦争が始まって1年。
 ますます混乱の度合いが深まり、深刻な事態を迎えている。
 開戦の1カ月ほど前、ある外国の商社から「海水や淡水から飲料水をつくる浄水器を1,000台注文したい」との電話があった。
 私の会社は小規模のため、1,000台の注文をすぐに生産できる体制がなく、「少し時間をもらえば試作品を作るので、それをコピーしてはどうか」と逆に提案してみたが、先方は急ぐとのことなので、ヨーロッパの会社を紹介した。
 その後、どうなったかは聞いていない。
 事態が予想以上に深刻なために、アメリカ政府もついに表向きだけではあるが、国連を表に出してイラクの復興を考えるまでにいたっている。
 いたずらに軍隊を派遣するより、1,000台程の簡易的な浄水器を作ってイラク国民に寄付する方が効果的だと思い、私は自動洗浄再生式の中空糸膜を使った浄水器を開発している。

 私の会社は小規模と言ったが、その割りには先に述べた例のように世界中から色々なコンタクトがあり、知り合いも多いのでグローバルな活動ができる。
 最近は、韓国・中国・バングラディッシュやその他の国から、情報交換の依頼や提携の話がよくくる。
 ではなぜ小さな大学の研究所並みの小規模の会社なのに、国際的な関係を持てるのか。
 ここでその理由を当社の成り立ちを通して説明したい。
 
 私は新日本製鉄の研究所で研究開発の立案業務と開発技術の映像分析の仕事を長く担当していた。
 そこで研究開発の記録とその予算と経費の効率的な関係を点検する部署で貴重な経験を積んだ。
 その後日新製鋼に移り、新規事業の開発に携わる。
 モトローラーと組んで半導体の素材の開発やドイツのズンドビック社と提携して極薄の圧延機の開発を行い、市川地区に箔の生産工場を完成させた。 
 そして独立後、日本鋼管や味の素、富士レビオ等と事業開発のコンサルタント契約を結び、赤坂に「川手企画」というコンサルタントの会社を設立したのが当社の発足の経緯である。

 退職する前から日新製鋼の新規事業の種を探すため、日商岩井や三菱商事と組んでヨーロッパやアメリカの先端技術の数多く企業を訪れた。
それで世界中に情報のネットワークが身に付き、幅広いコンサルタントの仕事に従事することができた。
 アメリカで半導体の仕事を手掛けるためにガリ砒素の単結晶の工場を建てる際に、超純水の必要性に遭遇して純水を含んだ水の浄化技術に興味を持った。

 その後、水の浄化技術を習得するためにTDK関係の会社や日産自動車系列の会社、大手ゼネコンの会社の幹部が私に出資して『フレッシュ・ウォーター友の会』をつくり、水の自動販売機の開発と普及活動を1990年ごろから5年間ほど東京地区を中心に製造技術の開発とマーケットの開拓に尽力を尽くした。

 今では日本中に水の自動販売機がスーパー等に設置されて普及しているが、私が始めた1990年〜91年頃は保健所や厚生省が猛反対し、今では考えられない規制の枠の中で苦戦を強いられた。
 官僚と大戦争を繰り広げて、ついに折衷案として出てきたのが、料理水(クッキング・ウォーター)としての使用を内々で認めるというものであった。
 今日では日本中に水の自動販売機が設置されている。

 私は仕事で世界各地を訪れたので、「水」への関心は日本の比ではないことを知っている。
 つまり、将来水をめぐる紛争が起こることは必至といえる。
 それほど重要な産業になると思い、自動販売機の開発以外に純水装置の開発や超純水装置の製造開発まで全財産を投入し、実用にまでたどり着いた。

 東京に拠点をおく分社経営の高名な酒井氏が率いる太陽グループと提携した時、太陽グループの専務から「グループのメッキ会社から、EDI方式の超純水製造装置を作れるかという打診がきている」と相談を受けた。
 それは初めて聞いたプロセスであった。
 そこで、当時ロサンゼルスにいた現当社社長の水野君に連絡をとり、調査するよう依頼した。
 この一件が実は超純水装置の分野に入る第一歩となり、さらにそれが縁となりアメリカのプリンスビラUSAとしてEDIのアッセンブルライセンスの収得につながった。
 日本ではある会社がEDIのセルの販売権を独占しているが、当社はその会社以前にそのセルの会社とコンタクトをとっていたので、製造ライセンスもダイレクトに得た。
 それ以来、超純水製造装置の開発に数年を要したが、今日では大手企業にも数多く納入し、実績が少しずつ積みあがったのである。


 主な納入実績としては、九州の透析病院に超純水の前処理装置を納入。
 フィルターの製造メーカーに純水装置を納入、山口県の半導体の工場、自動車のヘッドライト工場へ2基、自動車会社に2基、横浜のシリコンウエハーの研磨会社に日産約240トンを超える大型装置、秋田の液晶関係の製作所、群馬の製薬会社、埼玉半導体の会社に1基納入、追加でもう1基。
 また、大型テレビの電子銃製作の会社、電子顕微鏡製作会社、秋田のへライトの会社および関連会社、国立大学、政府の研究所、食品関係では仙台の酒造業、愛知の養鶏所、浄水設備ではつくば市内の養護老人ホームや幼稚園、有名レストランやホテルなど約50箇所に納入している。
 海外では韓国の半導体メーカー等に3台、当社の韓国の代理店を経由して納入している。

 また現在、中国から中国全土に販売する交渉も水面下で進んでいる。


 当社の特性は、時間約1トンのEDI装置の本体価を500〜600万円の間で販売できることである。
 同じ装置で、大手では平均して1,000万〜1,500万円で販売されているので、30〜40%のコスト減ができるということである。

 それはなぜか?
 宣伝費をほとんどかけない。
 通常、インターネットのホームページ以外の資料はださない。
 単なる資料集めのための営業活動を行わない。
 50%の前金を支払えない会社と取引しない。
 仕入れ・流通は国内海外を問わずメーカーと直接取引する。
 …といったコストアップの要因を取り払ったシンプルな営業方針をとっている。
 売上重視の企業が多い中、当社は3,000万円以内の売上に限定し、借り入れ金で運転資金を回す借金漬けの体質を避けて、今日まで無借金経営を続け、計開発第一主義の地道な経営を続けている。
 従って、運転資金と宣伝費等をかけて本気で販売に打ってでれば、売上増は簡単に達成できると確信している。
 超純水装置の設備を自前で販売できる会社は、日本でも5、6社である。
 当社のモットーとしてはクォリティの高い製品開発を中心に経営を続けている。
 私の持論だが、これからの世界はアメリカ、日本、中国。この3か国の争いになると見ている。
 とはいえ、隣の韓国の技術力を見過ごすわけにはいかない。
 これからは韓国の技術と日米の技術等を組み合わせた応用技術の確立が必要で、日韓の技術協力の元に新時代を作り上げたいと思っている。
 日本の技術は優れているが、コスト面で世界に通用しにくくなってきている。
 中国の技術は伸びてきているがまだまだ不安定で、テストで使ってみると小さな問題がたくさんある。
 その点、韓国の技術は高水準で、うまくアドバイスすれば世界的な技術値立国になる可能性が高い。

 私は今回、つくば市で約800坪の広さを持つユニークな形のレストランを購入した。
 内部を改造して国際的な水のリサーチセンターを作ろうと思っている。
 運営はNPO法人で『水屋 安全な水を考える会』の名称で、現在申請中であるが、法人設立の内諾を県から既に得ている。
 ここに私たちが開発している純水装置を実際に展示して韓国や中国の技術指向会社と共に、新しいリサーチセンターを創設したい希望を持っている。
 将来つくば市に点在する政府機関の研究所や民間の研究所と交流を深めていきたいと思っている。
 インベスターの第1号として、韓国からこの計画への参加希望の打診もあるので、現在接触中の中国の会社にも呼びかけて、日本・韓国・中国・アメリカと前向きな企業の総合協力のもとで新たな活動ができる場として運営したい。
 超純水製造装置の量産体制についても準備が整っている。
 後は資金さえあれば、高品位の純水装置を世界に投入することは即座に実施可能な状態である。
 つくば市周辺には研究機関も多いので、優れた加工技術を擁する零細企業も多くあって、たくさんの会社から全面協力してもらっているし、電機製品にしても一流会社からのご支援もいただいている。
 鉄鋼素材の価格が急騰しているが、小さな会社では素材が入りにくいのもまた現実である。浦安の東京地区最大の鉄鋼問屋地域で私たちの装置の基本的なプレートを問屋が全面的に製作支援を申し出てきてくれているので、素材から一貫製作できる体制もできている。
 今後の計画としては、小型のプロトタイプはつくばで作り、大型は浦安の鉄鋼団地で製作。
 韓国でそれを量産化して日本、中国、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界中に月産20台から50台を量産できる体制を今年の10月までに完成する。

 11月のアメリカ選挙等が終わり、アメリカ経済も少しダウンすると思うが、日本も少しずつ自力がついてきているので、経済が生産設備の高度化を要求し、超純水製造装置の要求も各分野でマーケットが開けてくる。
 つまり、高付加価値の生産に欠かせないのは純水である。

 大手企業の50%の販売価格を目標に世界中のマーケットに最高水準の装置を投入する体制を作り上げたいと思っている。