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■ 一年の終わり2014/12/31 (Wed)

 今回の総選挙で、マスコミは競って与党が圧勝と報道したが、実は自民は議席を減らし、公明党と共産党が勝利した。投票率が低いと嘆く人もいるが、私はもっと低いと見ていた。「違憲状態」にある選挙で、“52%”は逆に凄い数字だと思っている。日本国民の生真面目さの表れか、安倍さんの妄想力にコントロールされたのか、法律は軽んじられ、違憲状態なのに何故選挙に行くのか、安倍さんに好き放題されても、丸投げしている現状が怖い。全てに“時すでに遅し”という雰囲気があって、気づかないふりをしているが、他に手段がないので、藁をも掴む思いで、アベノミクスに頼っていると思う。
 確かに、アベノミクスは、“金持ち”には恩恵がある。比べて、60%を占める普通の国民は、全くこの恩恵には預からないのに、未だに自身が“中流”にあると錯覚して、いつかはこの恩恵に浴すると思っている節がある。益々、格差が拡がる社会が迫る中、依頼心を捨てて、自立の道を探さないと、70歳を超える老後の生活は地獄の生活が待っている。

 46歳でサラリーマン生活から自立し、客から相談が来て、会話から仕事になり、今でいうコンサルタントの仕事につながった。もともと研究開発の畑にいて、趣味の如く新しいビジネスが生まれ、仕事が切れることなく続いて来た。

 今回、単管パイプを使ってソーラーパネル用の架台をつくった。その少し前に、中国からソーラーパネル用の架台部品を紹介するメールが届いた。これを使えば、簡単にソーラーパネルの架台が出来るが、中国の部品をそのまま使うのは危険なので、日本製のパイプを使って製作し、大型車やトラックが収まるガレージを完成させた。屋根にソーラーパネルを設置する仕事があっても、社員を登らせることや、屋根が損傷したと保証を求められるのも嫌なので、避けて来たが、単管パイプでソーラーガレージが製作出来るようになると、需要が拡がると思った。
 円安が進んで輸入品も高騰し、国内の材料を使った新しい仕事を考えていた矢先だったので、進んだ。
製作作業中、お隣さんから声がかかって、キャンピングカーを保護するカーポートを製作して欲しいと言われた。キャンピングカーは災害時に役立つ車で、当社の技術と組み合わせると、防災用に役立つと思って引き受けた。
 
 新日鉄時代の友人や、商工会議所の役員の方が、揃って当社の製品を、なぜ営業に力をいれないのか残念だと嘆くが、営業活動よりも、受注生産を狙って来た。つまり、大量生産は終わり、客の好みに合った製品開発しないと、物に溢れた社会での物づくりは、とても難しい仕事になる。
 
 お隣さんは産総研に勤務する方で、話が塗料に拡がり、また、会話からアイディアが生まれた。キャンングカーに断熱塗料を塗って、成果を挙げている人がいると聞き、早速調べて見ると、チタンを含有した断熱塗料が見つかった。
 
 福岡の百道にある私が所有するマンションの室内に、遠赤塗料とチタンを含浸させた塗料を塗って比較してみたが、使えるとの意見だった。1人18000円程出すと、飛行機代を含めて福岡一の豪華ホテルに宿泊出来るプランもあって、業者に塗って貰うより、自分たちで塗りに行く方が楽しいし、得る物もあるので、麻紀と麻衣子に塗って貰った。この二人は、中国の大学に1ヶ月、バリ島に1ヶ月、ベトナム、インドに10日間、韓国の経済地区の視察と経験を積ませ、教育して来た。今回の福岡で塗料を塗る仕事も無事こなし、準備の段階から任せていた。

 企業は、まず人材育成があって成り立つと考えている。今後は、人工知能の時代に突入するが、人の職場、役割が奪われる技術でもある。人材を育てるには、莫大な経費がかかるが、一人前の社会人になるまでに育て上げられてきた宝石を、人工知能に置き換えると、更に図り知れない資金がいる。私自身も、企業に育てられた人間で、大した営業をしなくても、創造性が豊かであれば生きていける。人工知能を開発することより、心配り、自身の将来を拓く力をつけないと先は暗くなる。

 輻射パネルも、主に彼女達が担当する。新たに50cm×100cmサイズを20枚購入し、パネルに遠赤塗料を塗って遠赤ヒーターに仕上げる。水の顧客や、知り合いに5万円程度で紹介し、反応があれば、本格的に暖房業界に参入する。

 私事だが、腹膜に癌がみつかり、医師から抗癌剤の服用を勧められた。癌の手術を経験し、更に抗癌剤を服用すると体力が奪われて仕事が出来なくなる。仕事を優先したい旨を医師に伝え、漢方治療を選択した。私の水の客に、つくば大出身の漢方の名医がいる。漢方歴30年のキャリアがあって、当社の装置を買って貰った縁で知り合った。私の心臓は30%しか動いていないとメディカルの医師も言う中、腎不全、胃の2/3は摘出し、その影響か身体中が痛い。

 “病気上手の死に下手”の人間で3歳の時に被爆し、常に死を意識して体当たりで働いてきた。抗がん剤でボロボロになるより、漢方がどこまで通用するのか試してみたいと思った。癌の手術後、心臓と肺に水が溜まって10日間で10kgの水を抜く治療を受けた。数日前に、再び心臓に水が増えていると告げられて、再度水を抜こうとしたが、体力が持たなかった。漢方の医師に相談すると、体力の回復と水抜きの漢方を処方してくれ飲み始めて数週間経ち、透析の医師から予想もしなかった言葉が出た。53%あった心胸比が、46%に下がったと言う。正常の数値になったので、少し体重を上げようと言われた。

 心臓の手術も、4時間を越す大手術だった。1mmも体を動かさないように固定され、痩せ細った身体の骨に金属が当たり、痛みで気を失うほどだった。この痛みがその後も続いて、痛み止めを服用しないと歩けなかったし、薬が切れると寝る事すら難しい日々だった。漢方を飲んで腰の痛みは80%消えた。痛みが消える時期だったかも知れないが、服用してみた実感は、漢方は強烈な薬だと再認識した。

 癌の術後、何も食べられなかった時、韻松亭の湯葉が頭に浮かび、注文した。一流の味らしく、その時の味は今も覚えている。再度電話で注文したが、請求書が届かなかったので、年末の挨拶を兼ねて請求書を送るようにと電話すると、「請求書を送る時間がない」と粋な返事が返って来た。長野からはリンゴが送られて来た。当社が販売するプラントパワーを液肥として、年々量が増えている。私はプラントパワーを使った果実を直接食べた経験がなかったので、一箱買って食べてみると甘さが口中に拡がって、糖度も16から18あって上品な後味だった。

 お礼に電話をすると、後味の良さがプラントパワーの特徴とのことで、美味しさは一級品だ。取引先に、カミヤタマゴという卵を生産する会社があるが、東京のデパートに進出し、品切れ状態だ。しずお農場のトマトも羊の肉も一級品だ。これらの食材が“コラボレーション”すれば、何か化学反応が起きて、ビジネスの種が生まれる予感がする。

 水のつながりで名医に出会い、食の世界でも小さいながら、水を通じて貢献出来て、守って頂いている。何年生きられるか不明だが、常に挑戦し、富よりも、若手が生き残れるテーマを見つける自分でありたいと思う。今年は難題、難問の年だった。来年はもっと厳しいと思う。今年、最後の営業日誌になる。感謝、感謝の日々を送っていて本当に嬉しく思う。良い年を願って今年の営業日誌は終わる。

筆:川手恒義