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■ 断熱塗料を使ってのリフォーム2014/12/06 (Sat)

 担当医が、輻射パネルに興味があると言う。つくばで新築住宅を建てたが、空調が気になりだしたらしい。子供さんが喘息で、埃が気になるので、輻射パネルが欲しいが、オイルヒーターと同様で電気代が気になるという。私が開発した輻射パネルは、パネルの表面積が市販のオイルヒーターとは比較にならない程大きいし、遠赤暖房なので効率は高いと説明した。
 また、京都にこの医師の叔母がいて、築100年を越す長屋に住んでいるが、とても寒いと言う。京都の夏は暑く、冬は寒い。年齢を重ねると寒さが身体に堪えて辛い。70歳を越えての一人暮らしで、リフォームには大金をかけたくないので、何か安く仕上げる方法はないかと相談されたので、断熱塗料を使った方法をすすめた。

 私は、断熱塗料と輻射パネルを使った新しい省エネ方式を考えて来たが、その効果が実証されてきたので、この方式を勧めた。日々、優れた塗料を集めてブレンドし、それぞれの塗料の持つ良さを最大限に活かした、より性能の高い塗料の開発を進めている。開発した新しい断熱塗料を使って改装できれば、大金をかけたリフォーム工事をしなくてもいいので、“節約ビジネス”に育つと思っている。塗るとコンクリート並の強度を出す塗料もあるし、遠赤を出して室内の空気質を改善する塗料もある。これらを組み合わせれば、省エネと、補強が同時に完成する。

 工夫次第では、塗装だけでも十分修復出来る。輻射パネルと併用すると、寒さ対策に効果がある。20年近く使ってボロボロの朽ち果てたトラックの車体の修復に使ったが、見事に再生出来た。

 社員に、築100年の家屋を塗装で修復する考えを話した。古い日本の家屋の保存の道にもつながる企画だし、年末年始は時間的に余裕がある。返事を聞くまでもなく、相手が望めば請ける方向で考えている。私は鉄の業界で育って、錆を防ぐ表面処理の世界で20年間生きて来た。今の塗料は昔と違って高性能だし、種類も多いので、配合次第では素晴らしい素材に生まれ変わる。

 7年前から、防水塗料をプールに塗って調べて来たが、強度と柔軟性、酸にも塩素にも強く、水は通さないが空気は通すこの塗料が、優れた素材だと確信できた。障子、襖、畳の裏にも塗れる膜厚の薄い断熱塗料も取り扱うようになった。

 地元で、省エネとエコ技術を取り入れた住宅メーカーがあって、先方は当社の輻射パネルを購入して新築住宅に採用した。評判を確かめたが、予想以上の好感を得た。そこで、当社の塗料と輻射パネルを提供し、先方は改装工事と住宅の建築を請け負うという形で提携の話があった。当社の太陽光の技術、地下水の濾過の技術、輻射パネル等の技術を提供できるので、エコ住宅の設計施工の分野で協力して行くことにした。

 27日、青く澄み渡った快晴の日、美浦村にある国立公園に出かけた。ここに、美浦村役場からの要請で、特別仕様の浄水装置を設置した。霞ケ浦湖水の濾過は、私のターゲットの一つで、夢のプロジェクトだった。市民のみずがめを浄化する仕事は意味がある。今回の仕事は、小さな一歩だが少し目標へ進んだ予感がする。水に関心のない人には理解しがたいが、湖水は重要な生活水で、農業用水、工業用水と、幅広く利用されていて、汚染も進んでいる。国が管理しているので、浄化装置も許可がないと設置することも出来ない。
 
 装置は地元の自治体から要請されて完成したが、国の許可待ちで時間がかかり、やっと許可が下りて、湖畔を見渡す地に据え付けた。霞が浦の水が汚染され、養殖の鯉が死滅、真珠の養殖も廃れ一時は大問題になった。しかし、今はアベノミクスで、関心は株に集まって環境問題は忘れ去られている。湖水の濾過は株高より重要だが、ほとんど声さえ聞かない。意識も低いので、長い戦いに備えて浄水機は風雪に耐えられるようにオールステンレスで、その上に断熱塗料を塗って仕上げた。

 もし、湖水の汚染が進んで、再度環境問題に関心が集まった時に、飲料水になる浄水器が既に湖畔にあると気が付けば、浄水に対して関心が沸くと思う。大プロジェクトは長期戦だし、訪れる人々に目立つ場所に設置が出来て、嬉しかった。

 年末にあたって、竜ケ崎の老人ホームに加湿器用の純水装置を低価格で提供することを決めた。台東区の神社からの話もあって、見積もりも提出している。九州の湯布院にある野菜工場の暖房の打ち合わせも決まり、九州大学の純水装置のアップグレードの話も、年末には方向性が決まる形で進んでいる。

筆:川手恒義