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■ 我々の生きてきた証2014/11/23 (Sun)

 風のない冷暖房に夢を託して来たが、今回、野菜工場の暖房施設に使う油代を節約したいという話があって、ハウス工場向け暖房パネルの開発を進めている。既にパネルの生産は終えているので、入金が終わったら友人が経営する湯布院の野菜工場に使って効果を試してみる。この友人は、インドネシアの鉱山を持つ友人と共に来て、地熱を使ったトマトの野菜工場を計画し、70℃の温泉水を輻射パネルに流して使う計画を、協同で進める方向で進み出した。

 振り返れば、50年間働き続けて来た。その間、夏季休暇や連休などとは縁の無い生活だったが、脱サラからスタートして商社の仕事を学び、貿易で何とか生計をたてて来た。水の自販機の普及や、最先端の超純水装置開発と、成果が上がって、楽しい日々だった。

 2年前頃から、社会が急速に変わりだし、順調だった当社の売り上げも、やがて壁にぶつかると思ったので、仕事を見直しだした。水の仕事は廃れないし、本命だと思うが、円安が進めば、価格を下げないと誰も何も買えない時代が来ると感じた。当社の浄水器は高性能で長く使えて多分、安い部類に入るが、大型の浄水器に特化したかった。要望もあって、災害時用の大型装置を望まれて10台ほど台東区に納入、食品分野から声がかかって、鶏舎、豚舎、宅配弁当屋さん、コンビニに2台、吉野家に1台、コーヒーチェーン店に1台と、納入実績が拡がった。

 私の頭には、斬新で、生活に近い仕事を新たに育てたい願望があって、新日鉄と組み、大学向けの自動証明書発行機筐体製作の仕事も、全国の大学に100台ほど売れ、異例の成果となった。しかし、これからは日本全体に不況が拡がり、少子化が急速に拡がると大学の仕事も減る。政治にも頼れない時代で、全てに脆弱性が表面化する。

 “生老病死”と、人間の生涯を言い表しているが、生が減少し、死が医学の発達で寿命が延び、老の生活が長くなって苦痛を生みだしている。私が輻射パネル冷暖房を開発したのも、老の苦痛から生まれた成果と思う。
近頃、住友不動産や大成建設、大和ハウスから話が来たり、住宅関連の会社と付き合うようになって、冷暖房輻射パネルの仕事も増えると思う。開発の目処が経ち今年の冬で2年目の実用テストになるが、すこぶる順調で、この輻射パネルの暖房が無かったら苦痛でのたうち廻っていたと思う。私の体は癌で冒され、心臓も30%の能力しかなく、旋風機の風さえ当たると痛い。家に事務所、本社にも備えて使っているが、70年生きて来て最高の開発製品だと思う。

 ここに来て、輻射式暖房が次々と発表されているが、他社のスペックと比較すると自己判定だが見劣りはない。販売価格も6万円から10万円まで市場価格に揃えたが、恐らく電気代は40%削減出来ると思う。ヒートポンプを使うと夏には冷房も可能で、恐らく他社ではこういった多目的に富んだ冷暖房装置はない。

 合わせてソーラーガレージの開発も進め、つくばの事務所のお隣様にガレージで発電出来る仕事、キャンピングカーの暖房、野菜工場の暖房と、病から生まれた仕事だが、少し仕事になる手応えが出て来た。

 当社がつくる輻射パネルの性能は、“日本一”を目標に置いている。今回、デロンギから、省エネ型のオイルヒーターとして8万円代で販売する報道があって話題を集めているが、比べると、圧倒的に当社の製品の方が優れていると思う。当社は今冬の販売を決めていたが、他社の販売の動向を見てからにしようと少し延ばすことにした。
 
 温度を保つ熱源パネルは、表面積の広さで熱量が決まるので、当社は、日本初のワイドサイズにした。他社製品と比べても3倍近く大きくなる。熱源はヒートポンプも使える。ブログでも紹介しているが、ヒーター式を使うと、移動が簡単になる。当社は、フィンの大きさと表面積を大きくとり、それに加えて、特殊なセラミック塗料を使って遠赤外線を発生させて、他社との差別化をはかっている。熱源も大手は100V1500Wのヒーターを使うが、当社は100V900Wの熱源で十分だ。当社は最小のサイズで幅50p、高さ1mの大型パネルを使うので、圧倒的なコストパフォーマンスを実現した。また、デロンギ製品は、表面温度が60℃になるが、当社のパネルの表面温度は触ってもほんのり温かい程度で、直接触れても安全だ。

 日本の家屋は、30年も経つと資産価値は0になる。空調器も寿命は10年、“長持ちすること”は、経済循環から見ると阻害要因で、消耗することを奨励して来たが、資源の高騰が進んで、意識は節約、緊縮社会に向かっている。日本でも100t/時間、味の素の子会社からは、100t/時間と250t/時間の装置の見積を頼まれたが、話が大き過ぎて、現実味がない。

 遊び心で、輻射パネルに滑車をつけて移動して見たが、とても良かった。つくば市の国際会議場の廊下を使ってテストし、実用化の目処がたった。世の中アベノミクスで景気が上向いて、大金が株を押し上げているが、株を所有する人は、日本人は2%しか存在しない。私は、現状の景気の悪さは泥沼状態だと思っている。私が住む新浦安は、ディズニーが5000億円をかけて敷地を拡張する話もあって、一部はバブル景気に踊っているが、反動が怖い。

 突然衆議院を解散して、12月14日に投票日を迎えるという動きに世間は戸惑っているが、安倍首相のやっていることは、日本が追い詰められた状態で大きな危機の中にある証拠だと思う。憲法の解釈を自分で勝手に変えるのも結構、沖縄の民意を無視するのも結構、原発の再稼動も結構、今回の解散も憲法の第7条の解散と銘打って、天皇を担ぎだしての解散、好き放題やり放題、だ。
 しかし、この暴挙を見ても国民はそれでも支持をする。香港では自由選挙を求めて学生たちが権力に歯向かっても、選挙が民主主義とは言い難い悪例を日本がつくりだしている。甚だ迷惑な話だが、安倍さんにやってもらうしかないし、安倍さんにとことん日本を破壊して貰う。次に時代を担う若手たちの冷めた目で安倍政治の末路を見てほしいと願っている。

筆:川手恒義