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■ つくばにて、新築住宅で輻射パネルが稼働2014/11/06 (Thu)

 霞ケ浦湖畔に、国が管轄する“水環境保全再生研究ステーション”がある。ここの公園部分に掘った井戸の水を、水道水基準に適合させる濾過機を当社が受注した。8月には台東区に大型の装置を納入、今回は霞が浦、ともに水質の条件が厳しく、新たな装置として開発した。地下水の濾過を仕事にして20年たつが、霞ケ浦は命の水源、この水を濾過する仕事は願っていた仕事で、意味が深い。現状は鯉が住めないほど生活水が流入して澱んでいる。

 日本は、自治体レベルの仕事でも、国の許認可を得ないと河川、湖水に装置を設置出来ず、認可が遅れて納入が大幅に遅れた。この話をまとめる最中、胃癌の手術後で、役所の3階の会議室まで登って息切れしながらの営業で漫画の様だった。最近は、自治体からの相談が増えだしたが、決まって開口一番、「予算が厳しい話」から始まる。小さな会社なので、多分、安くなると思われている節もある。

 景気は数字の取り方で見方が変わるが、国民の感覚と日本銀行や政府の感じ方の乖離が激しい。予想以上に景気が悪くなっているのに、どこ吹く風でじゃぶじゃぶとお金を使う感覚に、庶民は落ち着かない。サプライズで、日銀が大規模な金融緩和を発表し、世界を驚かせた。何としても株に資金を流し、好景気を演出したい意図は分かるが、株高で儲けた資金はアメリカ市場に流れ、アメリカも株が高騰した。アメリカの金融緩和が終了した直後、年金の資金も株に投資をする話も決まって何か出来過ぎていると思う。

 つくば市が主催する“つくばビジネスフェア”に、10年ぶりに出展した。今回展示したのは、太陽光発電の蓄電池、輻射パネル、有機液肥のプラントパワー、大型膜、湖水の濾過装置を出した。

 3.11以降、東電の電力供給能力が問われているが、実態は設備も古く、効率も悪いらしい。蓄電池の需要はあると思って、格安の蓄電池を開発した。総蓄電量は2kwで、ソーラーと市販の電気2タイプが蓄電出来る。50万円と破格の金額を宣伝目的で展示したが、反応は鈍かった。関心がない人には1円でも無駄だし、電気が止まるとは予想だにしない人には縁のない話だ。つくば市は公務員や、比較的裕福な層が多く、価格を下げても無反応で、それより、倹約、買うならブランドという意識が高い。

 遠赤の輻射パネルは反応があって、女性は特に温かさに驚いていた。同時に、展示会の日に当社の輻射パネルを組み込んだ新築住宅が公開され、1階に2枚、2階に2枚、計4枚が、壁に沿って取り付けられ、ようやく3号機として動き出した。

 輻射パネルを開発して2年が経つ。「輻射パネル」をネットで探すと、大手企業が販売していたが、数量がまとまらないと儲けの出ない商品だと思った。詳しく調べるとパネルを製作する会社も2社しかなく、システムとして販売することが前提で、パネル単体では購入することが出来なかった。当方は地下水の濾過が本業で、地下水の水温を利用して床暖房を手掛けた実積もあって、その技術を活かして、床下から、室内の壁に沿わせたデザインにして製作した。

 世の中にあるパネルヒーター、オイルヒーター、遠赤外線ヒーターは、良いことは分かっていても、電気代が嵩むことが欠点としてあげられていた。床暖房も同じで電気を喰うので、設置はしたものの、使われていない家庭が多いことも分かった。そこで当社は、冷めにくい水を利用して、温度はヒーターで上げ、その温度を保持する工夫をこらした。一つは、コンクリート状になる断熱塗料をパネルに塗る方式、もう一つは、布に塗ってパネルをカバーして保温する方法だ。どちらも遠赤効果があるので、エネルギーロスを抑え、暖かいと感じさせる効果を高めている。温水の熱源を使って、遠赤を放射させ、部屋中を温めることに成功した。この方式は、パネルの表面積をワイドにすることで簡単に実現出来る。

 大き過ぎても困る家庭向けには、幅50cm縦1mの、遠赤パネルヒーターとしては日本初のワイドサイズを完成させた。業務用では横幅50p、高さ2mの大型パネルを提供して、予想以上の反応があった。床暖房は20畳の広さだと床下に70mほど温水を流すパイプが敷かれ、放熱した温度で暖めている。この熱源を室内に移すと熱源の効率化につながり、遠赤塗料の効果と重なって遠赤輻射が完成する。

 極力、シンプルなつくりに徹し、業者価格5万円〜6万円程度で、約10〜20畳くらいの広さを温めることが出来る。輻射式暖房は、24時間運転することが前提で敬遠されていたが今回の製品なら、1/3の稼働率で十分快適な暖かさになるので、電気代も1/3でいけそうだ。また、ヒーターでなく、ヒートポンプを入れれば、夏場は冷水を流して冷房にもなるので、価値は広がって行く。興味のある方はつくばと新浦安にショールームを開設してあるので、一度体感して欲しい。

筆:川手恒義