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■ 風呂付トラックへの再生2014/09/22 (Mon)

広島で土砂災害が起きてから1ヶ月が過ぎた。営業日誌で、「水が必要になる」と書いたが、何の音沙汰もなかった。NHKの報道でも、水がないという問題点が指摘されていたが、すぐに上下水道が整う筈もないことは承知のはずなのに、何故、助けを求めるメッセージを出さないのかもどかしく思う。日本は地震災害に加えて、豪雨災害が多発する地理的条件の高い国なのに、頼りになる国の司令塔が見えない。

経済も同様で、急激に円安が進んでも、輸入物価が上がっても、デフレからの脱却と、呑気な政府で、このまま110円を越すと、150円を伺う展開になる恐れすらある。さて、どうするのか、全く声は聞こえてこない。アベノミクスを礼賛し、株高に酔う一部の社会、マスコミが誤報すると同じマスコミが攻撃し、権力者がほくそ笑む社会で、新聞もとっくに木鐸の立場を捨て、報道の使命を失っている。

つくばの国道354号線沿いにコーヒーの専門店が出来て、地元企業の紹介で濾過機を納めた。つくば市は、県の人気度は47位と最下位だが、市で見れば人口が増えている稀有な街だ。研究者や外国人が多く住む特殊な街で、コンビニが100円のコーヒーに参入し大激戦の中、上手くやって行けるのかと案じて仕事を請けた。私もアイスコーヒーに使う氷が気になって、この機会に超純水で製氷し、乞われたら応援する心の準備もしている。食の関係では、吉野家に続き2基目だ。様子を聞くと「バッチリです!」と店長から返事が返って来て、仲間が増えた思いがする。同時期に、ファミリーマートにも納入し、コンビニは2店目になった。

8月に台東区に納入した装置は、大型装置だ。当社の技術の粋を集めて、仕上げた。東京浅草に置く装置だし、世界最高のレベルでないと恥さらしになる。非常時以外にも使う予定もあって力が入った。北海道の大学から、自動証明書発行機の注文があった。1台から受注する仕事だが、積み重なって普及し全国の大学に100台は越えた。

秋風が吹き出して、すぐに冬が来る。予定の仕事が一段落すると、遠方のメンテナンスに力を入れるようにしている。房総、長野、岐阜、滋賀、岡山、静岡、東京、埼玉と回っている。

つくばに残ったスタッフも、次のテーマの下準備に格闘し、その様子をブログに載せた。私の自己満足の世界に終わると思うが、“移動風呂”の製作を考えている。25年前に買ったトラックを下地から塗りかえる作業だ。実は最初からから、配管を巡らせて濾過機を載せる目的で製作した。更に、今月末に博多のマンションの室内に塗る遠赤塗料の準備と、若者は飛んでいるようで羨ましい。

車に風呂を載せる考えは、「阪神淡路大震災」の時に、つくば市の知り合いのトラックの会社が、風呂を載せて運んだ経緯がある。TBSラジオの番組に出演されている社会学者宮台真司さんが、若者離れが深刻な自動車業界の解決策として、大胆な発想が必要だと言って、例えば「車に風呂を載せては」と提案していた。風呂の水をリサイクルして使える技術も当社にあって、面白い提案として聞いていた。若者の自動車離れに、風呂付の車がどう映るのか定かではないが、案外面白い提案だし、とにかく車を錆止め塗装し、風呂水を循環させてみることにした。キャンピングカーとまではいかないが、水には豊富な経験もあるので、何とかなると思って始めた。

カナダから、廃水の濾過機の問い合わせがあって、25日に見える。焼却方式のトイレメーカーだ。先進国では大方「水洗方式」だが、大量の水を使う方式はいずれ一部の富裕層に限られる。風呂水をリサイクルして再利用し、トイレに使う方式になるだろう。当社の技術なら可能だし、興味が沸く商談だ。

車の床面の内装を剥がすと錆だらけだった。天井は溶接部に穴が開いて雨漏りしていたが、順調に走るし、再生の目処がたった。走行距離は30万キロを越えているが、100万キロは十分に走る。二枚目の鉄板は錆を落とすと使える状態だ。天井を修復すれば、5年は十分走れる車になる。この車は特注で、ベンツが買える金額で購入し、フレッシュウォーターの自販機の仕事用につくった。

転々と置き場を変えながら、時には吹きさらしの状態で持ち堪えた。新宿では広い駐車場はなかったし、仕事で使うより車好きの人に乗り回されて、置き場を求めて新浦安に移った。新宿のペントハウスから新浦安に移ると都落ちと見られて、客の訪問も仕事も減って、つくばで再起した。この車は何度も譲る気で他人に預けたが、その都度返って来た。この時になってトラックが大活躍し、私の体とリンクするようにボロボロになっていくのは少し辛かった。5年前に錆止め塗料を知って、フィルターにも塗って仕事の幅を広げてきた。この塗料は、紫外線にも強いので、様々に使いたいと考えている。

水野はアメリカで育った男で、アメリカではボロボロの車を修理して価値を高めて売る。家のリフォームも自分で改築してから売却する。車の再生の仕事も、家のリフォームも塗装が出来ると仕事になるので、今回は、ノウハウを蓄える機会だし、意味はあると思う。

筆:川手恒義