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■ 広島の災害をみて2014/08/26 (Tue)

 広島の大規模な土砂災害を報道で見て、私の出身地ということもあって、関心度が高い。私達も、何か貢献出来ないかと考えると、現場に合う浄水装置の製作は可能だと思う。泥だらけのものを洗える水、身体を洗う水を提供出来れば喜ばれると思う。飲料水はペットボトルで補えるが、日々身体を洗ったりするには、大量のきれいな水が必要になる。それが使えない生活はつらいと思う。

 今回、台東区に災害時に使える大型の膜浄水装置を納入した。膜とRO、鉄マンガンもとれる装置にして、軟水、純水が選べる万能型の装置にした。装置は災害が起きた時にしか使わないが、避難場所に設置したので、時間2トン以上の水がつくれて、純度は純水レベルだ。限外濾過膜、RO装置、軟水化装置2台、鉄マンガン除去装置、勿論、塩素注入器、建屋を含めて500万円で仕上げて納入した。破格の値で、この装置のレベルを工業社会で販売すると1000万はすると思う。完成した装置を見て、この装置を広島の被災地に送って水をつくれば、一万人分の飲み水が出来るし、シャワー水にも使える。もちろん被災地からの要請もないし、勝手に行動する力もないし、ただ力を持て余していて、残念な日々を送っている。

 台東区に納入した箇所の地下水は、水質が厳しかった。硬度が500以上、塩化物イオンも350以上で、砂ろ過方式では、基準値を上回って使い物にならなかった。当社は全国的に装置を販売しているが、地下水を利用したい客は増えてはいるが、水質も年々悪くなって断るケースもあって、多少金額が高くなっても当社の濾過機は早々に膜に切り替えて来た。台東区の担当者が、膜濾過装置しか出来ないことを知っていて、予算にあうメーカーを探したと思う。しかし、膜濾過装置で予算に合う会社が無かったので、無名の当社だが、装置の開発を打診して来た。一号機を、上野の隅田公園に26000人分の飲料水をつくれる装置として設置した。今回も水質基準51項目に合格する厳しい基準をクリアする“指定装置”として納入した。

 泥水以外ほとんどの汚染水が濾過出来る仕様を考えて製作した。予算も厳しくて大手企業も尻込みする条件だ。参考までに、東京23区において、地下水の水質基準は、台東区以外の一番厳しい区で、12項目クリアしたらOKだ。私の推論だが、厳しい水質基準を守るのは浅草のど真ん中だし、日本最大の観光地、先般、開催されたサンバカーニバルは、50万人も集まる国際化した祭りで、水の安全意識が高いのも観光産業を守る意識が反映していると思う。北京オリンピックで、中国の水道水が直接飲めると世界にPRした装置よりも、数倍能力が高いし、コストでも中国に勝てる。

 先般、議員のわめき会見が延々と報道された。一地方議員の地方ニュースで全国放送の価値はないが、マスコミが飛びついてネット上でも炎上した。広島で起きた被災者の、2万人分の水を製造する多目的の装置が出来ても話題にすらならない。報道の画面は悲惨な光景を映すだけで解決策は報じない。

 土砂災害事故で、土砂を取り除くことは勿論、応援出来るが、同時にきれいな水が必要になる。水道管を引く工事が急がれるが、それまでにも生活水がいる。台東区に納めた装置を使えば、ほとんど生活水は解決すると思う。人手不足の時に、早急に水道が復活するとも思えない。山には大量の水が地中に含まれている。パイプを突き刺しだけでも水は出るし、十分使える水に出来る。こんな簡単な話が、何故伝わらないのか、つくづくもどかしいと思う。

 広く日本全体を見れば、豪雨災害が多発して、どこも安全な地域はなく、雨の被害に悩まされている。今回の台東区の装置は、時間2〜3トン、約2万人分の飲料水がつくれて、蛇口の数を増やせば多くの人が同時に水を使える大規模な装置だ。従来の大型装置は、一度据え付けたら簡単には動かせないが、今回の装置は、取り外して組み立てる方式を採用した。これを被災地に搬送すれば、水道屋さんの技術があれば二名ほどで組み立てが出来る。現地で組み立て、自家発電装置さえあれば、使える設計にしてある。
 今回の被災地のように、1〜2万人の方に、水道が無くても、雨水や川の水でも、時には、自衛隊のタンクローリーで運んでくる水をタンクに溜めてさえもらえれば、純度の高い清水が出来て、被災者を救えるのに、この技術を伝える方法、手段がない。価格も、20所帯の人が一所帯月5000円、100所帯の人が月1000円払えば、買える金額だ。今回設置した万能浄水器を見て貰えば、その価値は理解されると思うが、被災地に届けるには世論の盛り上がりがあれば、実現も可能だ。

 10%増税の判断を控え、景気が良いと言う意見と、良くないと言う意見に割れだした。経済の内実が厳しく、貿易収支の大赤字が報道されても、中々危機感が沸かない。3%の増税が実行され、悪影響が大き過ぎて、慎重な意見が増え出したと思う。官僚からすれば、法律通りに2%上げれば、安倍首相は“御役御免”になり、引き際が話題になるだけのことで、もっと長く政権にいたい安倍氏は、毎年、数%を分割で上げる延命策を選ぶと思う。しかし、この争いは殿上人の話だし、庶民からすれば、広島県で起きている大規模な土砂災害の後処理が大変で、延命策には興味がない。

 自然災害が起きて、一瞬で生活が崩壊する社会になって、浮ついた生き方を見直す人も増えている。私も3.11の大地震以降、節約の時代が来るので、生き方も変えて、装置も可能な限りシンプル化して、35万円程度で買えるホームクリーン装置を開発している。

 災害も同様、後片づけはボランティアの応援で助かるが、元の生活に戻す作業は個人の力しかない。見る限り絶望的に見えて気の毒だ。今回の被災地でも雨水さえあれば、すぐに使える。個人の規模なら35万円程度の装置もつくれる。

 水の濾過を本業にする私達の最終目標は、福島の汚染水の濾過が目標にあって、着々とその目標に近づいている。資本金1000万円の零細企業、無冠の企業で、知名度も、資金もなく、開発しかやらないので、道楽と笑われるが開発の企業だ。営業日誌で物議を起こす意見を書いても、ネットで炎上したことがない。情報を伝える手段もないが、写真や動画を使って新たな伝達手段としてブログの形でも発信したいと思っている。

筆:川手恒義