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■ 一寸先は闇2014/07/27 (Sun)

 ここ数年体調が優れなかったが、仕事は大型装置の開発も順調で、将来の布石が固まりだした。体調の悪さは、年齢と気候のせいにして軽く考えていたが、“一寸先は闇”と諺にある通り、予想もしなかった病気が見つかった。世界でも、様々な事故が重なり、旅客機が行方不明になったり、撃墜されたり、台湾、アフリカでは墜落事故が起きたり、PM2.5が北海道を襲ったり、一瞬の土砂崩れで生活の全てを失う等、事件、事故が目立つ。

 私は数か月前に“癌”と診断され、昔なら死を意識する病を患った。医学の進歩で手術は順調に終えたが、入院した時期が、消費税があがる駆け込み時期で病に脅える暇はなかった。術後は、心臓の障害と、透析治療が重なって、随分と体力を消耗して、正直大変だった。癌の手術は、敬愛していた前院長に頼んだ。茨城県では5本の指に入る手術の名医で、人望も厚い方で見事に成功した。

 この方とは、病院にRO装置を導入したいと相談を受けて知りあったが、その縁で、医師が装置を買い自宅につけた。医師が使うので、装置に初めて“自動逆洗機能”をつけ、その後「ホームクリーン」に進化し、当社の飛躍につながった。この医師は医療装置も、産業界の技術を導入しないと日本は遅れると言う持論の方で意気投合した。日本の医療界は特別の世界に見え規制と閉鎖性の塊で競争が少ない。RO装置の価格を見ても馬鹿高く、高品質を謳っているが、技術も並で、当社でも簡単につくれるレベルだ。その証拠に海外では日本製の装置は高過ぎて売れない。RO膜も医療用としては米国の基準に統一されているが、認定品を使っても日本では指定業者しか採用されない。つまり技術より、利権構造そのものが医療ビジネスになっている。

 日本は貿易収支の赤字続きで、日本製が売れない。医療現場も既に日本を追い越している国も増えて、インドのムンバイ、中国では、杭州、河北省、西安、韓国ではサムスン病院、ハワイと海外で透析の実態と治療を実際に受けて調べたが、透析の機械も膜も今はヨーロッパ製が中心となって、次いで中国が猛追している。数年前、アジアでも一回の透析治療費が5、6万円したが、アジアが経済発展して、今は1回5千円くらいで治療が受けられる。日本の医療費は高止まりで、品質と価格の両面で、日本は遅れ気味だ。

 胃癌の術後は順調だったが、胃を切ったので栄養がとれず、肺と心臓に水が溜まり、呼吸困難が続いた。術後は歩け歩けと言われたので、退院直後から客先の打ち合わせに出たりしたが、水を体から抜きながらの外出で、体重が10kg以上減り、心臓の動悸がして歩くことさえ出来なくなった。
 
 つくばは医療施設が整っていて、心臓手術で名高い「メディカルセンター病院」がある。ここで細かく調べたが、原因が断定できなかった。検査を脳まで広げ、脳と心臓を結ぶ血管の詰まりを手術して、成功した後に心臓の手術する2段階で治療する結論に達して、29日に治療を受ける。今回も、超優秀な若手医師が担当してくれるが、難しい手術になる。

 病と向き合っていても、私は開発好きだと思う。損得抜きで仕事への情念、意欲は旺盛で、この意欲が力となって生きていると思う。一寸先は闇の世界だし、「だらだら」と生きてはいられない。常にアイディアを活かして取り組まないと病より先に、社会の波に飲み込まれてしまう。

 輻射パネルの開発も終わった。しかし、売れるかと聞かれると日本製のヒートポンプを使うと高いので、買う人は限られると思う。しかし、輻射パネルの冷暖房を体験すると、だんだんと冷暖房は輻射パネルになっていくと思う。この心地良さにお金を出す人はいる。

 新しく、遠赤塗料を塗る装置も買い、来月の8日に届く。偶然、輻射パネルの開発中に、塗料の効果による遠赤の力を知って、輻射パネルに塗って見たが、結露対策に効果があった。夏は冷水、冬は温水を流して冷暖房が出来る。特に冷房が出来れば、客にアピールできて、ヒートポンプは売れ出すと思う。断熱と保温、空気の清浄化は、今後のニーズになるアイテムだし、塗装屋さんでは手が出しにくい吹付塗装機を買って、高レベルの物を作るしか生き残れないので、避けられない先行投資を実行した。
 
 当社のモットーは、品質優先で、安心と美しさに重点を置いている。遠赤断熱塗料は粘性が高く、通常の吹付器で仕上げるには無理があって、装置で容易に塗れれば、仕事の幅も広がる。若い人に技術を託すると、確実に答えを出すので楽しみだ。

 地方議会、都議会、とてもまともに見られない醜態が世界に流れている。安倍さんが首相に就任した当初から、安倍批判を繰り返して来たが、彼の政策は全てがまやかしのその場限りで、その全てが崩壊しだした。アベノミクスでは、一部の人に富みを集め、成功したかのように繕ったが、株も落ちだした。私の周辺で良い話など聞いたことがないし、外交は飛行機乗り放題で、成果はプラスマイナス0だ。特に馬鹿馬鹿しい動きは、中国と軍事力を競う構えで、中国を包囲する、中国が脅威という理由で、価格も決まってないオスプレーを17機も買う賄賂による外交が目立つ。中国はやがて、環境と水不足で自然解体されるので、競う必要はない。更に、今度は懲りずに“地方再生”と来た。地方再生は第一に取り組む政策でしょう。遅すぎます。

 四季がなく、すぐに夏の猛暑で、毎日死者が出ているが、すぐに厳しい冬が来る。30℃を越える真夏日には、確かに輻射パネルは厳しいが、効果もあった。つくばのショールームには、横幅5m、縦2mもあるガラス窓があって冷気も暖気も逃げやすい、30年前の構造で、暖冷房には不向きだが、使える目処がたった。庭を含めると180坪の広さで、ソーラーなどの実験も出来るので、元気になれば敷地を活かして新しい試みを考えている。私は入院治療、水野は東京の役所から頂いた大型装置を造っている。若手はメンテナンスで家庭を回って会社を支えている。社員には、とにかく他社にない装置、プロが見て太鼓判を押すレベルを守れと指示している。

 世の中、安くないと売れない世界だが、いい商品を望む人も多くいる。日本人もいいかげんに中国製の食品から足を洗った方が良いと思う。私は、養鶏場、豚舎、羊牧場、宅配の弁当会社、牛丼の吉野家、コーヒーチェーン、湯葉工場等に装置を納入しているが、私が知る日本の食に関わる会社は、水に金をかけて安心を買っている。ぼつぼつ目覚めて、食から大儲けをたくらむ貧しい心を捨て、日本の会社から高くても仕入れて欲しい。一寸先は闇の世界、目先で誤魔化しては生きられないし、この状態の日本では闇の世界が確実に来る。29日、手術が成功し、無事生還したなら、より老人パワー全開でお会いしたいと願っている。

筆:川手恒義