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■ 電気代0を目指した屋外型保冷庫の開発2014/05/30 (Fri)

 昨今、景気が良くなっていると言われている。失業者は3%台まで減少し、求人倍率が増えているから、好調と政府はいうが、私は怪訝に思う。数字だけ見れば大喜びだが、実は収入は落ちて、生活は楽ではない。これからも不況が進んでいくと思っているので、身近な製品を見直して「ソーラー仕様」と停電時にも使える蓄電式で、災害時には屋外でも使える、「冷蔵庫を兼ねた保冷庫」の商品開発を決めた。ミーティングでは、停電時でも使える冷蔵庫は聞いたことはないし、せっかく技術の蓄積があるのに、このソーラー技術を活かさない手はないと全員一致した。昼間に溜めた冷気を“蓄冷”出来て、夜間電力も使える形が理想だ。断熱能力が高ければ、電気代はほぼ0に近くなるはずだ。

 遠赤効果があり、断熱性能の高い塗料が評判を呼んでいる。遠赤が出ることで、室内にある空気中の水分をマイナスイオンに代え、空気をきれいにする働きが、更にこの塗料の付加価値を上げている。私も、以前から表面処理技術に興味があったので、様々にアンテナを巡らせていた。当社で扱う、コンクリートに似た強度と柔軟性と通気性に富んだ塗料を下地に使って、この新しい塗料を上塗りして、強固な空間づくりをするため、思い切って新浦安本社の室内に塗ってみた。

 塗装を外注ですると施工費が高いので、数年前から女子社員に研修を行っている。実際に塗装しているところを、ウェブ上の動画で一部公開しているので、見てほしい。新浦安にある事務所は、東京湾に近く、24階の高層で強い潮風と紫外線に曝されている。塩害を防ぐために、施す塗装は、普通の価格の3倍ほどする。私は、当社の扱う塗料で塗装したかったが、当時は塗り手がいなかった。埼玉の和光に住む水の顧客から、50坪を越す広いベランダの補修と塗装を頼まれた。外部に見積をとったが思いのほか高かった。当社の塗料は、紫外線も通さず、とにかく強固なので、築年数の長い家にも、補強の意味もあって施工することにした。当社は“何でもあり”の社員教育をしているので、無事この仕事もこなした。

 つくばの研究所の方が、田舎暮らしをしたくて、つくば山の奥に農地を買って移り住んだ。勿論、水道は通っていないし、周囲には高い建物もなく、冬は吹きさらしで、配管が凍ってしまった。解決策として、当社の塗料を塗って地中に埋めて解決した。この塗料をUF膜に塗装してみると、表面が強化されて、劣化が抑えられ、断熱効果もあって成果があった。

 『輻射パネル』にも塗布して、“保冷と保温の重要性”を体感してから、この塗料の活用の幅を拡げたいと考えだした。動画を見て貰えば分かるが、塗料と言うより、生コンをこねているように見える。この強さを活かして、『屋外に置ける野菜の保冷庫』が出来ると考えて製作を始めている。

 野菜、米を保管する適温は、5〜10℃くらいで、容量は家庭用の300Lに設定した。この箱に、少し厚めに塗布して、紫外線の保護、また保温効果を高め、屋外利用を可能にする。ボックス内に一部ガイナを塗り、良質な空気質が保てれば、野菜の保存期間が延びる効果が期待できる。今後は、野菜も米も、インターネットを介した産地直送の時代が来ているし、安く買うには量が鍵になる。屋外やベランダでつかえると広がるかもしれない。
私は、被爆児のせいか、大病と共に生きているので、身体を守る開発は意欲的だ。今回も、室内の空気質をきれいにすることで“呼吸”が楽になった。胃癌の手術をして分かったことだが、肺に水が貯まることで、呼吸が困難になる。室内の空気が澄んでいると安堵感が沸く。

 これらの製品開発を考えている折、知り合いの社長さんから、「電磁波防止にも効果があるのか?」と質問された。この塗料には2%のカーボン繊維が含浸されていて、この繊維に、微量の電気が流れると、錆を止める特徴がある。電磁波防止にも効果があるのではないかと考えている。

 浦安の本社を“遠赤空間体験ルーム”にする。電磁波シールドとしての効果も実験的に体感して欲しい。日本の家屋は、欧米、特にドイツの住宅と比較するとエネルギーの垂れ流しで、断熱効率が極めて低いと言われている。歳をとると、朝夕と昼間の温度差が身体に応えるので『輻射パネル』を関発した。これを活かすには、「暖房効率の高い家屋」の必要性を感じ、今後は断熱、保温、電磁波シールド、また野菜の産地直送が仕事になるだろう。

 追伸:今のところ、当社の浄水器購入者には、この保冷庫が完成次第、縁故販売として安く売りたいと考えている。

筆:川手恒義