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◆ 宣 伝2003/08/01 (Fri)

 過日、ビジネスサテライトで新しい水を使った殺菌の話題が放映された。

 早速、当社にもこの種の装置がないかと質問の電話がきて、驚いてしまった。
 この技術は別に新しい技術ではなく、昔から使われていたし、世界中で約40から50の会社で製造販売されていて珍しくもないのに、テレビで大々的に取り上げられることの方がむしろ驚きである。

 化学方程式から見て(NaCl+H2O+2e = NaOCL+H2)、水に塩を入れて電気分解すると次亜塩素酸塩と水素に分けられる。
 つまり、塩素を使うとガスが発生するが、この方式ではガスが発生しないので無害だというのが特徴として放映されていた。

 宣伝効果は抜群である。
 しかし、価格は表示されなかった。
 私も参考のために価格を調べてみたが、200万から900万位する。
 それに、半年に一度電極のセルの交換が必要になる。
 このような殺菌を目的として、高価なものが果たして売れるのか?
 塩素を使えば、15万少々で殺菌装置が作れる。
 この壁が今までこの装置の販売のネックになっていた。
 しかし、環境問題からできる限り塩素を減らしたいという客の要望がこの技術に火をつけたのかもしれない。

 私はこの放映から、宣伝の功罪が見て取れて、複雑である。
 当社はあらゆる浄化装置を販売しているために、この種の装置を販売しようとすればたぶんもっと安く販売することが可能になる。
 つまり、世の中のニーズを我々同業者が知れば、マーケットがあると思えば、いつでも参入できて2番手3番手の方が販売にとっては有利である。

 私はこの装置の販売において、あるヨーロッパ系の会社と現在日本での販売について交渉を始めている。
 その最中に、テレビで放映されたものだから、俄然やる気になって販売をするかどうか検討を急ぐように問題点の整理を始めている。
 もし、宣伝のこのようなニュースが流れていなければ、違った形の電極を考えていたが、難しいことはさておいて、この装置の改良を進めてコストの安い装置を作ってUF膜と併用して、膜の洗浄に役立つ装置として完成させたいと思っている。


 今日、大阪の生駒のお寺から、井戸水浄水プラントの問い合わせがあった。

 また、宮崎の約20室位のホテルから、やはり井戸水浄水プラントの問い合わせがあった。
 宮崎の方は鉄マンガン、色度が問題になっているので、たぶん例の次亜塩素酸塩方式でどれだけ鉄マンガン、色度が改善されるか、テストをしたいと思っている。

 一緒に仕事をしている中川化学装置メーカーから時間5トンのRO装置の見積もり依頼があった。