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■ 緊急提言、埋め立てを始めよう2013/08/22 (Thu)

 東電が地下の汚染水漏れ問題を起こして今度は貯水タンク漏れと続いた。水の専門家として、タンクが一番危険で、原爆を剥き出しにしてある状態と同じだ。つなぎのシールゴムも劣化する。汚染水が一勢に漏れ出す危険度は100%だ。この問題を解決するには、全面的に可能な広さで海を埋めるしかない。埋めるにしても、10年はかかる。議論ばかりしていては、死の海が世界中に広がって、多大な影響を与え、自国を成長させるとか、デフレを克服するとか呑気なことを言っていては、それこそ世界中を敵に回し、国を破滅に導くと思う。反対論があっても、即埋め立て工事を始めないと、取り返しがつかなくなる。それほど危険なことがタンクの置き場所で起きている。

 朝6時につくばを出て、11時30分に奈良の法隆寺駅に着いた。ベトナム事業の契約書の確認の為、斑鳩の地へ足を運んだ。2週間前に秦野を訪問した時にかかった時間とほぼ同じで、体調も良く楽に感じる移動だった。猛暑の中、体調を万全に整える為に、輻射式冷房と扇風機を合わせて使っている。これだと快適に眠れるので、元気になったと思う。

 幼少の頃、私の父から、「雨が降っても自ら傘をさすな」と言われた。暑ければ、地球の南半球に行けば寒いし、季節を選べる境遇を得る努力をせよ、雨が降れば傘を差し出して貰える人間になれと、冗談で励まされたことを思い出す。3歳で、1.3Kmの距離で被爆し、原爆児として差別されながら育ったが、私はこの経験をしてからいつも、死の灰の下で生き延びた不死鳥の運を信じ、怖いもの知らずで生きてきた。

 46歳の時に、三菱商事、東洋インキ、日新製鋼が出資してRHD社をつくったのに、上手く行き出すと権力闘争が起こって、追い出されて、住処をこの奈良に移した。今回、奈良に出向いたのも、昔を偲びたい気持ちもあった。廃水処理装置MBRの製造販売に関する契約で、250㎥/日の装置を販売する話だ。現地の技術指導を含めて800万円で販売するという内容で進んでいる。

 以前もベトナムでの浄水機器の販売と製造の話があったが、纏まらなかった。250㎥/日ということは、約25㎥/時間になる。ホームページには、MBR装置の概要を載せていたが、国内は、廃水処理の大手と取り組んだものの、日本には大きなマーケットがなかった。しかし、海外においては、廃水の需要はかなりあるので、彼等からすれば興味津々だ。同じ仕組みで、規模は10分の1のMBR装置を、石巻市に納品したが、大規模な装置も実際に稼働出来るなら面白い話だ。

 この会議に、新日鉄時代の同僚で、小型起重機の営業をしている友人を同席させた。技術指導は単に膜技術では終わらないし、新しい洗浄プロセスを考えた時、重量のあるMBRを、小型起重機を使って移動できる洗浄装置を開発しなくてはならない。更に、超音波洗浄も考えていて、超音波洗浄と搬送がシステムとして完成すると特許ものになる。

 グローバル化社会を見ると、過酷なレースだと思う。“市場”と言ってはいるが、投資家の動向次第で、成長と崩壊が金で決まる社会で、日本人の曖昧な気質には合わない。恐らくTPPも騙されて終わる。内容を秘密にするのは、矛盾が大きい証拠で、恐ろしい社会が迫っている証拠だ。金が頼りの世界では、開発力を磨いて備えないと益々追い込まれる。最近の日本は危なっかしく、「進むも地獄、退くも地獄」で全てが曖昧で解決が遅い。尖閣問題がこじれて中国と小競り合いが起きたら、アベノミクスがやはり一時的で失敗したら、と思うと、行く末は不安だらけだ。中国を始め、アジア諸国は想定より厳しくなって日本にもチャンスが回って来る予兆も見えるが、さてどうするかが鍵だ。

 ロータリ―クラブ経由で、浄水器をブータンに寄贈する話が正式にまとまった。ミャンマー、ネパールと、今回の仕事も、責任も大きくやりがいがある。稼ぎ頭であるEDIの納入も無事終え、薬品会社の定期メンテナンスも終えた。この時期に、大きな仕事があることは嬉しい悲鳴だ。

 海外の仕事は、リスクも大きいが希望もある。世界中不況の中、力が試されているわくわく感もある。徐々に投資が実りだして、チャンスも増えてきたが、国の債務も1000兆円を越し、国内のインフラの劣化も危機的だ。特に橋梁、次に道路、上下水道に至っても全国的にボロボロの状態だ。保守点検をする人材もなく、この老人国が1000兆円の債務を返せるとは思えない。日本人には、大胆に変化する発想も期待しがたいし、老人にも若者にも、生き涯を持てる発想を持たないと明日はない。

 私は、研修の目的で、若手の上田をネパールへ派遣した。この時は超純水装置の据付で、多少の不安はあったが、乗り越えられると思った。その日暮らしでのグローバル化に流されて生きるのが現代風だと思うが、バブルの頃や経済大国2位の時代でも、たかが知れていた生活だったので、ハングリーさを教えることが何よりと思って、インドにも行かせた。今回も、私と水野が10年かけて積みあげた超純水装置の仕事を補助だが、担当させた。金額も大きい仕事で、日本では自前の資金だけでは成長はo単位でしか伸びないが、海外はまだ賃金の差もあってチャンスがある。

 展示会で、被災地石巻のこと、津波の被害、塩分で汚染された地下水についての会話が耳に入った。私も震災以降、被災地で何か貢献したいと思っていたので、他人の会話に口を挟んで名刺を差し出した。突然、貧相な老人が、汚染された水を濾過出来ると話し出したので、“きょとん”としておられたが、数週間後、石巻の方がつくばに見えると連絡があった。
 2年程前から、MBRとROを使って水を浄化したいと考えていたので、装置を考案して納めた。先般、宮城県の農林関係者に装置を公開させて欲しいと連絡があって“攻めの経営”が始まりだした。東京の区役所にも時間3tの装置を納めた実積もあって今月納入したEDIも大型膜を2本使った。この流れが軌道に乗れば確実に砂ろ過から膜に代わる流れになる。

 猛暑の中、輻射パネルを使った暑さ対策で“放射冷却”を楽しんだ。「ワールドビジネスサテライト」でも、遠赤を使った「光冷暖房」が紹介されていたが、光冷暖房はともかく、「輻射パネル」は広まると思う。私は輻射パネルと冷水空調、扇風機、クーラー等、取り揃えて比較し最適な冷却を試して見た。使う立場で評価をしてみたが、結露水の再利用の為に「ミスト扇風機」も使った。冷水を流すと冷房、温水を流すと暖房になるので、気密性が高い住宅なら、埃も巻きあげないし、喘息やアレルギーの人にはお奨めだ。輻射パネルは、強い風を好む人には不向きたが、案外冷風を嫌う人も多くて、輻射パネルの気化冷却に興味を持つ人も増えている。試した結果、案外仕事になると見てパネルの調達を決め交渉を始めている。

『川手会長・水野社長
いつもお世話になります。先日はお忙しいところお時間を頂きありがとうございました。
1.病院排水処理装置の件
・250/dayの処理装置を設置するので、標準的な設備の設計をお願いします。(設置する土地の広さは十分ありますので、高さ・幅・奥行きともに自由に設計願います)
・契約書・見積書等ご準備くださいますようお願いいたします。
・技術指導に当たっての人材派遣時の日当等のお見積りをお願いいたします。(滞在ホテルの費用は当方で支払います)
・その他必要事項がありましたらご連絡ください。
2.冷房装置の件
・1台こちらで試作してみたいので、技術供与・その他の条件をお知らせください。』
とメールが来て動き出している。

 水野と上田が納入した「超純水製造装置EDI」は、将来、コストが下がると、透析向けのRO装置に使えると思うので、患者としても技術者としても、何とか実現したいと思っている。7年前にこの原型であるEDIを、サムスン社に納入しているし、コストも中国と比較しても負けなかった。安倍ノミクスが色褪せるのは、思った以上に早いと思う。消費増税を前にして数字を誇張し、デフレから脱却したと言い張ってきたが、労働人口も減り、物価も上がりだした。給料もあがると言ってはいるが、多分、2%の物価高で終わるだろう。

 来年は、仕事も減ると思うが、水の仕事は残ると思っている。“プラントパワー”を使ったアクアポニクスの技術も学び、茎葉を食べるサツマイモ「すいおう」も育ちだした。野菜工場の水処理の仕事も増えそうで、仙台、秋田、青森から、水の相談がある。仙台には見積を出したし、水は狙い通りで順調に進んでいる。私はグローバル化も、TPPも、「糞喰らえ!」が本音で、日本人が生き残るには、アメリカと中国から距離を置いて、頓智の知恵を生かして人材育成を進める以外未来はないと見ている。

筆:川手恒義