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■ 不況は素材と技術と人材が決め手2012/12/24 (Mon)

 東日本大震災で、海水が浸み込んだ地下水の濾過を頼まれた。予算は180万円で、水質はとても厳しい内容だ。被災前に、インドのムンバイ、中国の西安でも廃水処理の現場を調べていたので、石巻の水も同様の汚染レベルだと感じた。海外で実践しようとした廃水処理方法なら浄化出来ると思い、仕事を請けた。日本の水処理も、これからは生物処理が欠かせない。独自の接触材の開発と、更にMBR膜、イオン交換樹脂、RO膜とその技術を統合し、バイオマスタンクに使って、システム化させてみようと思っている。貧しくなって、日本でも水を再利用したいニーズも増えてくるので、この濾過方式の確立が望まれている。新年早々から、復興に貢献する、意味のある仕事を、何としても目処を立てたいと思っている。

 遠赤を発生する石を粉末にして“温水式輻射パネル”に塗布し、蓄熱効果を試しているが、かなりの効果があると思う。外気温が5℃以上の場合は、室内温度は15〜20℃まで上がる。輻射パネル暖房は風を全く使わないので、室内の空気の対流がないので、室温のムラもない、静寂の暖かさだ。ヒートポンプ単体で稼働させているので、外気温が2〜3℃以下になると厳しいが、それでも15℃前後まで上がるので、10分ほどエアコンと併用すると寒さは防げて、眠りも深い。冷暖房というとほとんどがエアコンで、今の時期は室温を上げると空気が乾燥して、体感温度が低く、冷える。

 新浦安のマンションも、日当たりは良好なので普段は暖房を使わないが、余りにも寒かったのでエアコンをつけたが、輻射パネル暖房の快適さを改めて感じるほど、その温まり方は違った。水とつながるソーラー給湯器の仕事が育ちだして良かったと思う。輻射パネル暖房も同じで、これらは今の“省エネムード”に合っている。省エネ技術はソーラーだと思うし、成果として手ごたえがあった意味は大きい。ソーラー給湯器は、停電が起きてもお湯は沸かせるし、4〜10月くらいまではソーラー単体でもお湯が沸くので、年間を通じて見ると、省エネ効果は70%以上あると見ている。この絶対的なエネルギー源で沸かす給湯器は、従来の給湯器に代わる存在になると思う。

 しかし、ソーラー給湯器の集熱管の温度は冬でも100℃以上の熱を集めるので、万一循環水が止まった場合、接続配管が破裂するケースもあるので、定期的なメンテナンスが欠かせないことも分かった。今後は、本業の水処理はより高度に、新しいこの仕事は「太陽熱関連、節電、防犯」に絞って、経営資源と人財を振り向けていく。

 日銀の短観で2期連続業績が悪化したとか、貿易収支が赤字だと暗いニュースばかりだが、この傾向は長期化する。円高とデフレが経済低迷の要因と声高に叫ばれて長年たつが、円安になっても、輸出は伸びない。今や日本製品が海外で羨望された時代は過ぎ去って、飛び抜けて売れる商品も生まれていない。とりわけ中国も不況が深刻で、伝わる数字よりも中身はボロボロで火の車だと思う。尖閣などの領土問題を際立てて国内世論を抑えているが、小手先の手法ではこの局面は乗り切れない。経済を立て直すことが出来なければ、中国は分裂国家になる。北のミサイル問題も騒がずに静観するべきだ。日本は経済力をつけることを優先しなければ、話し合いの機会さえなくなる。

 北朝鮮はお金も技術もないと思って、上から目線で見る傾向にあるが、実は侮れない国で、日本にとって最大の脅威国になる。貧しくても、人間が力を寄せ合うと、大国を動かすことも出来るので、恐怖の無法国家だが、反面、そのたくましさを羨ましく思う気持ちもある。暴論とは承知だが、将来、日本が再起するチャンスがあるとすれば、鍵は北朝鮮だと思う。

 東京の区役所へ、今年も「防災用浄水装置」を数台納入する話が進んでいるが、地方の役所、神奈川の水道局からも水質データが届いている。全国的に水質が悪くなり、限られた予算内で装置をつくる必要性に迫られている。独自の濾過装置を考えて水野を大分のFRPのメーカーに派遣した。

 今年は、地元のつくば大学に自動証明書発行器の筐体を12台納めた。この仕事も全国に広がりだして、楽しみな仕事になりだした。

 銀座和光へ浄水器を納入した縁で、埼玉の顧客からソーラー給湯器の仕事を請けた。都心に近い広い農家で、ベランダだけで50坪はある、築30年の家だった。家族が9人にいて、湯が足りるのか心配になり、500Lと予備に床暖房用の100Lの補助タンクをセットにして受注した。玄関と風呂場にも床暖房を希望されて、当社が推奨するソーラー式床暖房を取り付けた。

 ベランダの修復は、広い為外注すると高くなるので、当社が推奨する特殊な塗料を使ってコストを抑えることが出来た。この塗料は公共事業には多く使われているが、民間にはこれから使われる塗料で、カーボン繊維が含まれ、柔軟性があり、錆止めと通気性に優れた万能塗料だ。今回は塗装会社も使った経験がないので、自社で塗り、コストも大幅に下げた。

 私は、サラリーマン生活を含めると20年以上アメリカの企業と関わって来た。最近は中国と新しい関係も出来てきて、技術も部品の調達ルートも増えているので、輻射パネルも当社でつくることが出来た。効率の高い輻射パネルにするため、様々な工夫を重ねて、遠赤の出る素材を塗料に混ぜてみた。挑んで見ると、生き残る道が見えて来て、やはり技術力が重要だと再認識した。

 政治家が経済回復を唱えているが、ここ10年はボロボロで、成長はおろか全滅状態で、事態の好転は成し得ない。私は、小さな会社こそ、この動乱期はチャンスがあると見ている。隠れた素材を見つけ、大胆に取り入れて、勘を重視した経営を考えている。

 今回、北朝鮮が世界の監視下の中で、ミサイル発射に成功したが、技術力は各国ともほぼ同等で、急速にレベルをあげている。日本はと言えばパフォーマンスに終始してミサイルを迎撃すると豪語しても、口先ばかりで政治家の言葉は虚しくて伝わらない。私は日本の劣化社会の流れに逆らってでも、自分が買いたいと思うような独自色の商品開発をして、仕事を育てたいと思っている。

 最近の製品で一番気に入った、ソーラー一体型のLED防犯ライトの取り付けが完了した。今回は、白色の街灯に青色LEDを混ぜた。青色LEDは、人間の心理を落ち着かせる効果があり、防犯にも役立つとされている。1年以上前から、白色のLEDを事務所前につけていたが、珍しがる人はいても売れなかった。しかし、今この街灯が、印西市、つくば市、埼玉に売れ出した。ここ数年間で、街灯の技術も様変わりで、今は最新のリチウム電池を備え、厚さ数ミリのソーラーパネルを組み込んで、配線の必要がない製品が出来た。中でも今回の青色のLEDを採用したタイプは、胸を張って販売出来る自社製品になりそうだ。

 10年前に腎不全と告げられてから、半分死んだ体になったが、この病気がきっかけで、今では大型膜10インチのプラント装置もEDIの純水装置まで手掛け、今回は多くの業者が苦戦する塩害水の濾過まで取り組める。透析は、全ての血液を入れ替える治療だが、フルマラソンの疲労度を超えるほどの過酷さがある。“寒さ”は特につらく、身体を温める為に遠赤とLEDの波長の技術を学び、輻射パネルに出会って遠赤のヒーターを考え、床暖房もつくることが出来た。これまで零細企業の社長としてやってきたが、新しい仕事も育ち、ソーラー給湯器、塗料でも、ご飯を食べさせて貰っている。

 水野を中心に若手が朝6時過ぎに現場に向かう。寒さが厳しくても、仕事があるだけでいいと笑っていた。この若者たちに生かされているという思いが、なんとか恩返しをと日々考え尽くして、新しい年に備えている。