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◆ 営業活動2004/01/18 (Sun)

 今年に入って、営業に多忙である。

 昨年来から開発を続けてきた、大型中空糸膜の製品化がほぼ完成目前に迫っている。
 最終的には、オール自動化で無人運転ができる、装置の開発を目指している。
 茨城県のRBというノーリツが資本参加、系列の会社が、砂ろ過の自動再生装置を作っているらしい。
 この会社に中空糸膜のステンレスのカバーを作成してもらうため、打ち合わせに伺った。
 その彼らが販売している、砂ろ過の自動再生装置に中空糸膜をつける形で、当社とRB社との技術提携で、新製品の開発を始める合意をとりもった。

 つくば市にある草刈木工所に、住宅用の自動販売機の外枠の注文を依頼した。
 いつもステンレスで製作しているが、これからは木材を使った高級感のある自動販売機を作りたく、社長にじきじきにお願いして、製作してもらった。
 打ち合わせの中で、木工所の社長の息子さんを当社に派遣して、水の勉強をさせたいと提案がなされた。
 私も将来、ログハウスの材料を使って、水と木材を使った自然環境に優れた住宅に進出することを考えていた矢先であったので、一級建築士を目指している31歳のその青年に興味を持った。
 会って話してみると、非常に素晴らしい人物で大いに可能性を感じた。

 そして、厨房関係の仕事をしている会社の方と、全国的な酸化還元水の販売と、その宣伝方法について打ち合わせを行った。

 今月の20日頃までに日本電子に超純水装置を納める最終的な打ち合わせや、その他諸々の大型の注文が相次いで舞い込んで、対応するのに少々無理をしてばててしまった。
 目が見えないために、長期の出張に行く場合、知らない地域を訪れると精神的に非常に疲れてしまう。
 しかし、ありがたいことに、大阪空港では、航空会社の方が乗り降りの際、バスの停留所まで親切に案内してくれた。
 また、電車に乗っても、若い学生がが親切に手助けをしてくれた。
 現在、その他諸々の行事が重なって、2日ほど休養で入院したが、少し体調が戻って安心している。

 関西の会社に営業に行き、時間3トンの超純水設備一式、私は「2000万はかかりません」という提案をした。
 他のメーカーは、4000万を超える見積りが出ているので、なぜ当社が安くできるのかとの質問に終始した。
 大手企業に勤める技術者の若手の方であったが、非常にマナーも良く、「儲けが全然ない仕事をされると反対に困る」と逆に提案され、少し値上げをする形で見積りを出すことになった。

 私の会社が、なぜ他のメーカーと同じクォリティと技術レベルを落とさず、安くものを販売できるかというと、俗に言う一般管理費を極端に抑えているからである。

 私は年金で生活できるので、給料はほとんどとっておらず、当社で働く人材は全て、小額の固定給とあとは仕事での売り上げに応じて給与として支払っている。
 単に会社に来たからといって給料はもらえないが、会社に来なくても一定の割合で仕事をしていれば、売り上げに結びつけば、マージンが出る仕組みになっている。
 もちろん、交際費とかそうした経費はほとんど使わず、売り上げのほとんどを新製品の開発に振り分けているために、全て銀行から借りず、自己資金の中で運営しているから、たいした利益はいらない。
 そのかわり、ほとんどの部品購入に関しては前金で支払うために、金利の発生もほとんどなく、そのかわり企業の信用度に応じて前金をいただくことにしている。
 装置を作る場合、事前に相当な現金で払う費用が要るために、必要に合わせて10%、20%、30%、40%、50%と、信用度にあわせて前金をいただくことにしている。
 前金をいただくと、全ての準備が円滑に進み、トータル的にコストダウンにつながる。
 他のメーカーが4000万で見積りを出すということは(同業者の誰に問い合わせをしても、同じような金額が出てくるのは)、正直言って、支払いの形が手形であったり、それも長期の手形を受け取るリスクがあるので、値段を高くしているということである。
 私は、相手の会社も当社も、一番大切なことは適正な価格で販売できるシステムを作らなければ、日本の高価格の体質では、いずれ売れなくなると思っている。
 だから、国際的な価格を維持する努力をしているのである。

 新年の挨拶に我々の同業者の会社を訪問したが、私共だけでなく、大型の注文が増えていて、5月頃まで受注済みとの久々に明るい報告を受けた。
 当社もうまく行けば、5月頃までに大型装置を5、6台受注できそうだし、少し動きがあるような予感がする。
 3月から2名の営業担当を増強する予定で、少しパイを広げた会社運営を心がけているが、私の身体もあまり無理ができないために、韓国のメンテ部隊を中国に派遣したり、また忙しい時には日本に招き入れたり、大型の装置の製造の場合は、アメリカの大型工場に日本の技術陣を派遣し製造するという、多角的な経営で乗り越えたいと思っている。
 そのアメリカの会社は、全米でもトップ企業の会社で、約20年前からオーナーと友達のような関係にあるので、工場の自由に使わせてもらえるし、この会社はイギリスの資本が入っており、酸化還元水の業務用の電極も特別に作っていただいた。

 身体を悪くしたが、逆にいろんな方々に力強い支援を得て、新年を順調良く船出できたと思える。
 今年こそ、若い人材が揃ったことだし、中国からいろいろな話が来ている仕事を、逃げずにしっかりと頑張りたいと思っている。
 また、4月頃には一連の開発が完了したら、今度は販売戦略を確立し、売れる体制を作り上げたいと思っている。