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■ ソーラー関連は、人脈で普及を目指す2012/05/05 (Sat)

 5月2日にMBRが届いた。インドの廃水の会社から当社と提携する話があって急遽膜材料を輸入したが、出来は合格のレベルにある。当社が扱うMBRのスペックは、穴径が0.02ミクロンのUF膜だが、インドからの情報と、日本の廃水処理会社の情報だと、他社は0.1ミクロンのMF膜を使っての廃水処理がほとんどで、今回仕入れたUF膜のMBRの方が高品質と言えるが、価格もこちらの方が高い。「品質か価格か」の難しい選択だが、私は安かろう、悪かろうといった製品は選択しないので、実際は仕事として成立しにくい。インドでの価格も、調べると一日100トン処理で120万円とのことだったが、この金額がどこまで含まれているのかわからないので、検討に困っている。

 日本での廃水処理の仕事も耳に入って来るが、話の内容を詳しく聞くと、価格を探りたいだけなのが本音で、仕事になるには時間がかかる案件ばかりだ。当初は、廃水の仕事には前向きでなかったので、専門の業者への卸販売を考えていたが、ここ最近の日本企業の動きも大きなプラントなどの仕事が激減しているせいか、企業体力も落ちている。

 こういった日本企業の現状を考えると、中間業者を何社も通して販売して、より高額なコストになるのであれば、卸販売をやめて当社直々で販売を考えた方が良さそうだ。インド含め、発展途上国の廃水処理は、国の命運を握る死活問題で、いずれ環境問題として浮かび上がって来るので、長いスパンを考えて、準備を整えている。

 私は、ここ数か月の間にソーラー蓄電池、ソーラー温水器と矢次速に投資を続けて開発して来た。蓄電池の開発に当たって、北海道の友人に「そっちでは電力不足のニーズはないか」と尋ねると、「北電(北海道電力)がしっかりしているから、全く心配がない」と言われた。同じく、関西の友人に同じ質問をしたが、そういった心配事を持つ人はいないという返事だった。この友人も、蓄電池の展示を調べたりしているが、実際は困っていないということらしい。

 54基の原発が全て止まった今、原発を再稼働しないと本当に電気が止まるのか、電力の心配はないという意見が正しいのか、どちらの意見が真実なのかはわからない。「全く心配がない」と言っていた北海道の原発は、調べだすと地震が起きた際は一番危険な部類に分類された。それでも電力会社を信じ、原発の再稼働をそのまま受け入れるという姿勢には、少し違和感がある。関西電力においても、40%の電力を原発で賄ってきたが、今回再稼働の話が大きな問題になって、電力不足の内容を詰めだすと、16%ほどの電力不足になるという。この話もどこまで信頼性があるのか、政府を始め、これに関わる権力者の信用ならない行動だけが目立つ。

 例え原発を全て止めても、15%ほどの節電であれば、原発による大災害を引き起こすことを考えれば、“我慢する”という選択肢の方が、日本の将来にとって有益になるし、54基もの原発を日本で再稼働させる必要はないと思っている。

 ソーラー蓄電池の開発を終了して、HPに近々販売予定のページを掲載していたが、急遽、取り下げるように指示をした。ソーラー温水器の開発も順調で、来月あたりから販売を考えていたが、内々の販売にして、これも一切の宣伝活動をやめるように指示をした。理由は、意味がないと判断したからだ。電力不足で再稼動派と原発無用派の人たちが、国論を二分して夏場にかけて大きな社会問題になりだした。

 私の本心は、オールソーラーで多分30%の節電は、可能だと見ているが、この世界は、政治価格が優先して、ソーラーパネルの値段、蓄電池の価格、施工費全てがピンからキリまであって、どの価格に信頼性があるのか、全く分からない。私は、この仕事の当事者なので、世間で言われている価格より、もっと安く提供できるし、提供出来れば、もっと再生エネルギーの可能性が広がると見ているが、安く提供しても誰も喜ばないのが現状で、大々的に宣伝まですることはないと決めた。

 ソーラー温水器も、蓄電池も、人脈を通じた販売に徹して、軽率に宣伝をして技術の内容を真似されて、新たな競争に巻き込まれるよりも、地下水の浄化とエネルギーの問題を一体化した新しいホームクリーン装置という原点に戻って、宣伝もしないで、口コミを通じて本当にほしい人に限って販売する、当社本来のスタイルに戻したい。

 他人からは、小さな会社が、大企業でも投資をためらう案件を次々進めると、逆に大ボラを吹いているようで、信用されない面がある。その為に、ソーラー全般で培ってきた技術を、つくばの工場の中で、実際には従来の電気量をどれほどまで削減が出来るのかを試すことの方が、より具体的なソーラーの良さを伝える手段にもなる。電力無きモデル工場を、可能な限りつくり上げる努力をすることに専念したい。

 一か月後には、今開発している状態を、ホームクリーン装置を購入して頂いた皆様方に公開したいし、蓄電池を導入すると、ほとんどの家庭で使う電力が賄えるという実態をお見せしたいと思う。

 この不況は、景気の波に連動して起きている不況ではない。世界経済が停滞する中、判断を誤ると日本の崩壊に付き合う気がして、自らを守る意気込みで、投資を行っているので、成果を自身の目で見てほしいと思う。私はこの判断で、会社を大きく変貌させたい。この投資が吉と出るのか凶と出るのかは運次第だが、私は強運の持ち主だし、既に次のイメージが出来ているので、とにかく前に進み、後は若手が何とかすると楽観視している。後3か月で70歳を迎える年齢になり、原点に立ち戻って、エネルギーを削減する技術開発に、意味を持って働きたいと思っている。

 4月29日に、横浜の顧客宅を訪問した。この方の防災意識は非常に高くて、最初は、ここまで問題意識を持つ人がいるのかと驚いた。防災の第一任者で、現在は防災都市計画研究所名誉所長である村上氏と出会ってから、防災用装置や、水技術を開発する意欲を教えられたが、問題意識の高い人に会うと刺激を受けて有難い。この方の邸宅を設計した建築家の紹介で知り合ったが、この建築家自身も変わった方で、福島の川内村の山奥にある獏原人村に住み、自給自足の生活を送っていた。

 獏原人村は、水道はもちろん、電気もガスもないところで、かつては自然回帰を願う人々が大勢住んでいたが、訪ねた時はこの方を含む2世帯のみだった。しかし、夏には数百人の共感する人々が集まって祭りを開催することで有名な場所だ。ところが、3.11で原発事故が起き、避難区域の3キロ圏内にすっぽりと入る場所だったので、放射能を避けて岡山に移った。この方の奥さんは自給自足の達人としても有名で、マスコミにもしばしば登場する。岡山に移っても1年間で90回を越す講演会をこなす忙しさで、今回も家賃がたった1万円で、過疎の村で自給自足の生活を再び始めている。

 建築家の友人が、先般、私に会いに来て、この岡山の地で、エコハウスを造りたいので、浄水器とソーラー温水器のセットを提供してほしいと言って、頼みに来られた。

 私は20数年前から、つくばと新宿の2重生活を送って来た。今は新浦安に移って、つくばと交互に生活して田舎暮らしをしているが、悪くはないと思っている。作業場も畑のど真ん中に300坪の工場を借り、コンテナー家屋にソーラー発電、温水器を備え、ショールームと組み合わせて贅沢に暮らしている。ホームクリーンを開発して世に出したのも、家中で使う水を丸ごと濾過出来る浄水器があれば、どこでも住めると思ったからだ。世の中、厳しさが増しだすと田舎暮らしが経済的には楽になって、最先端の生き方として見直されると思う。

 3.11の原発事故以降、世の中は、オール電化から一部ガスに代わりつつあるが、オールソーラーが実現するともっと自然に近い生活をすることが出来る。3.11の被災地で、体育館で避難生活をする姿を見て、温水が手軽に使えれば喜ばれると思った。私自身も被爆を経験し、思想の底辺には反原発がある。私の開発目標は、“昔に帰る良さ”を見直して、温水のエネルギーをソーラーで沸かす装置を完成させた。太陽光発電の
蓄電池と組み合わせると全く電気が無くともお湯が沸かせる。

 横浜には、300Lのソーラーキュートを納入する準備で訪れたが、邸宅の規模と使用水量から見て、500Lを2基と大幅に変更することを決めた。ソーラー温水器の容量を調べると、300Lは数社で販売されていたが、500Lのソーラー給湯システムはなかった。これは、既存の電気やガスを使うシステムと併用することが大前提になっているので、500Lまでは必要ないということらしい。

 それ以前に、“地下水も使うことが出来るソーラー給湯器”は、世の中にはないので、一度に2基納めると、データーも取れるし、納入実積にもなるので、採算を無視しても取り組むことを決めた。この方は、月に15万円も電気料金を支払うオール電化の生活なので、私の製品を使うことで、どれほどの省エネ効果を生むかを試す意味でも、心が躍る話だ。

 現在、300Lのタイプを稼働させているが、太陽光エネルギーの凄さには驚くばかりで、4月の気候で、真空管の先端の温度は100℃を記録した。

 日本経済を牽引して来た電気産業大手が、軒並み大幅赤字で、壊滅状態になっている。しかし、大負けの中、薄型の液晶テレビが100Wで見られる省エネ技術が開発された。どん底に落ちて追い詰められた日本の技術者は、私を含め、エコ技術を開発している。原発を止めておけば、日本人は生活を見直し始めて、日本独自の新しいエネルギー技術が生まれるはずだ。

 東電の天下だった時は、自然エネルギーの開発は「声なき声」で阻止されて来た。私の生き方は、国賊に近い色眼鏡で見られる行動だった。しかし、ソーラーと蓄電池を組み合わせて使えば、テレビも見られるし、照明も使えて、快適な生活が送れる。原発がないと生活が出来ないという脅しの声も更に強まってくると思うが、ソーラーで生きる生活は、ほとんどタダで電気が使えて快適だ。