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■ ベトナム、インドに技術指導の可能性2012/04/28 (Sat)

 深刻さを増す不況の中、嘆くよりもこの状態が続くと腹を括って、新しい展開を考える方が健全な気がする。私は、自分の病気を克服する意味でも、開発にのめり込んでいるので、ビジネスというより趣味に近い感覚だ。今回は、“ソーラー蓄電池”“ソーラーキュート”の開発に取り組み、多くの教訓と成果を得た。

 原発事故が起きてから、社会が大きく変わりつつある。憧れのオール電化の生活は、停電時には機能を果たさなかったので、ガスを使うエネフォームに関心が移った。人々の関心は、電気からガスに代わりつつあるが、両方式とも料金が下がることはない。この際、私は少し冷静になって大企業が供給するエネルギーから少し距離を置き、一部をソーラー発電にした、自給自足の生活を研究している。家庭規模でチャレンジすれば、形になるはずだと実感している。

 前々からソーラー発電に興味があって、福島の獏原人村という山の中で、太陽光発電を利用して自給自足をしていた建築家を訪ねたことがきっかけとなった。地下水や井戸水を浄化する技術の蓄積があるので、後は電気が、生活の一部でも賄えれば、生きていけると思い、ソーラー関連装置の開発を進めて来た。

 エコキュートは、電力会社が原発の余り電力を消化させる目的で、安い深夜電力を使ってお湯をつくる装置で、「オール電化」の名で200万台を越すヒット商品になったが、お湯をつくるだけならそこまでの小細工は必要ない。原発の電気よりも、太陽熱の方が断然向いていると考えて、集熱パイプと貯水タンクを揃えて、早速自社で取り組んだ。

 18本の集熱真空管パイプと、1000wの電気ヒーターが内蔵された貯水タンクを使い、冷水15℃から、約50℃の温水をつくった。電気ヒーターを使って50℃に温めると、1時間5円ほどの電気代がかかった。次の日は、既に50℃の温水になったので、電気ヒーターなしで、水温がどれだけ保てるかを調べたが、今の気候で3℃下がっただけだった。現在の集熱パイプは18本だが、これから夏場を迎える気候を考えると、とりあえずは十分だと思うが、倍の36本で、更に実験を行う。48℃〜55℃の温水を維持するのに、1時間0.7円ほどかかった。

 筑西市のホテル経営者から、ベトナムで焼却炉の新工場が完成した旨の連絡があった。この工場で当社の装置を製作する話が進んでいたが、契約書の素案が完成し、最終確認のために、相手方の代表が事務所に来られた。インドより距離が近いこともあって、この提携話には興味があって前向きに考えていたが、とりあえずは成行きに任せていた。

 私は、ここで製造する、エネルギーを使わずに、煙も出さず完全焼却が出来る炉にも興味がある。このホテルの代表とは、ネパールにEDI装置を寄付する行事で、付き合いが始まって信頼感がある。ベトナムでの浄水プラント製造の話をまとめ、契約条件を提示した。

 9日、インドからも提携先の方が見えた。1年ほど前に私自身インドに出かけてから1年間、問題点を整理していたので、今回は踏み込んだ話合いになった。インドでは、最先端のRO+EDIの超純水装置の導入を提案している。ネパールでもEDIの技術供与をしている。発展途上の国ほど、先端技術を貪欲に欲しがる傾向にある。インドでのEDI事情を調べると、思った以上に大企業で使われていて、関心は高い。

 海外からの来客に、完成した3kwの蓄電地を見せると、ベトナム・インド共に停電は日常的で、大変興味を示した。日本の経済が停滞する中、次から次に開発する意欲と実積にも、興味を持たれたのだと思う。

 13日から2日間、水野をソーラー温水器のメーカーに出張させた。前々から、地下水で使える給湯器“ソーラーキュート”をつくる為に、部品の調達交渉を重ねて来たが、欧州の不況が深刻で、調達が容易になった。OEM生産の確認を兼ねて、問題点を確認した。当社のホームクリーン浄水器とソーラー式給湯器を一体化させると、地下水専用のエコキュートになる。日経新聞社の元部長が見えたので、お見せした。東電が健全であれば潰されるほど良い装置だと感心された。

 社会の趨勢は、エネルギー問題に直面して大問題になりそうだ。電気離れが進み、ガスに移るが、価格は上がる一方だ。温水をつくる仕事は、太陽エネルギーが中心になると思う。

 中国を含めた、東南アジア諸国を見ても、ソーラー温水器の普及は凄まじい。日本の社会は、全てが揃っているが、実生活につながる商品は皆無だ。大手企業が押し付けた高額品が需要を広げた社会で、魅力に欠けている。肥大化した日本社会も、エネルギー問題にぶつかって急速に崩壊に向かうと思う。

 私はソーラー温水器が普及しなかった理由を、「非電化工房」のホームページを読んで一理あると思ったので、引用する。
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現在の太陽熱温水器は、改良によって効率は高くなりましたが、価格も高くなってしまいました。(中略)原因は、価格の問題です。風呂の湯を沸かすためのエネルギーは膨大です。追い炊きまで含めると、一世帯当たり一日に凡そ6千〜1万キロカロリー(約7〜12KW時)を要します。しかし、たかが42〜43℃の温度にするだけですから、量は多くても質はきわめて低いエネルギーです。ゴミでも薪でも、もちろん太陽熱でも沸きます。高質のエネルギーである電気で沸かすのは論外と、エコロジー派は怒り心頭なのですが、(中略)夜間電力は余り気味なので、夜に沸かす風呂にはピッタシという理屈もあるようです。この手の宣伝に乗ってまだ十分に使えるものを撤去費用と処理費用(合計数万円)まで払って捨てるのだそうです。捨てる理由は「かっこ悪い」から。太陽電池や風力発電機はかっこよくて、太陽熱温水器は「かっこ悪い」のだそうです。
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 確かにオール電化という言葉の響きは良かったと思う。電気で全て賄えるし、わざわざ屋根の上に構造物を置く必要もなかった。しかし、景気も世界的に悪くなって中流家庭の層が縮小する中、電気代が上がると全てに影響が広がっている。貧しくなる社会で需要を喚起するには、昔に帰る技術が重要になる。

 私は、“ソーラーキュート”の開発にあたり、イタリアのデザインを取り入れて、タンクを除いて、部品、電気周り、配管などは日本製で製作した。

 後は、井戸ポンプさえ非常時にも使えれば万全だと考えて、蓄電システムを使う方式にした。これらの方式が取り入れられると、東電の電気使用量が激減する。30%を目標に節減が出来れば、原発離れが実現する。先般、北九州の方、つくば市の方からも、蓄電池のモニターになりたいと連絡があった。機能、スタイル、価格について努力中だ。