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■ EDI、超純水事業の拡販2011/11/24 (Thu)

 日本の調査機関において、腎臓透析に使用する水の純度を上げる技術としてEDIが使われた旨の論文が英文学術雑誌の『Bio control Science』に掲載された。『Daicen』社が限外ろ過膜、米国の『Snow Pure』社のEDI装置を、神奈川のオスモス社が提供、島根大学監修の下、医療法人東葛クリニックが協賛して実証実験を行った内容だった。私にすれば、EDIの時代が来たと感じている。人工透析水の純度を上げるには、EDIを組み込むと効果が高いと考えてきたので、透析治療を受ける個人としても、この動きは嬉しい。

医療界は産業界から見て進歩が遅いし、閉鎖的に見える。水の技術者の立場から見ても医療設備の障壁は高く、中々他業種の声は届き難い。EDIを使うと、水の純度は格段に上がるので、医療界でこの技術を採用する動きはなかったが、TPPが始まると、透析にはEDIを使った装置が標準化されると思う。

 透析は不治の病で、例え水の純度を上げても完治することはない為、純度の高い水にすることがより良い治療だと分かってはいても、ぼんやりと認識する程度だ。数年前、地元の病院にEDIの技術を組み込んだ装置を提案したが、病院側の理事会で否決された。日本の透析技術が世界最高だと思っている医療関係者も多いが、EDIに関心を持つ人間はいなかった。
 
 世界と競争する外国と比べると、日本はいつも“一人よがり”で、過去の亡霊にとらわれて、技術の遅れを自覚する人は少ない。患者からすれば、直接血液に混ざる水になるので、高度な治療水であって欲しいと願うが、実際に病院で使われる水を製造する設備は最低限の設備で、工業レベルと比較すると価格は高いが、誇るレベルではない。“高純度の水”の基準は、10MΩ(メガオーム)くらいが最低限必要になる。加えて、水中のガスも抜くような装置があれば、なお望ましい。

 今回の論文を見ると、UF膜+RO膜+EDI+UV+UF膜のシステムが、エンドトキシンの数値を確実に下げ、透析水の純度を上げる、基準の装置になるとの記述もあるが、システムの価格表記がなかった。私は価格も技術だと思うので、障壁がなくなれば、EDIを導入しても、従来の設備費用の範囲内で出来ることを知らせておきたい。日本の医療分野は、世界で競える力が残っている限られた分野の一つだし、新しい試みに尻込しないで、レベルの高い領域であって欲しい。

 今後は、航空運賃も安くなると、グローバル治療が進み、高額医療は海外で受ける人が増えると思う。透析の水の純度を高める試みは、医療技術の進歩と連動する基幹技術だ。今のままでは、インドや中国が日本を抜き去る日も近い。今回の実証作業は、産学共同で行われ、私としてもEDI装置の専門メーカーとして今後の展開を期待している。

 来年は“超純水”の仕事を拡大したいと思っている。先般、水イノベーションというビックサイトの展示会で、オルガノが日本独自のEDI装置を開発し、展示していた。オルガノは、0.5トンの装置を発表したが、私は、時間1トンから、5〜6トンの大型EDI装置を実用化する。大型EDI装置は、数千万円の装置になるが、1000万円前後で販売したい。少量で、高付加価値の仕事に集約しないと生き残りは厳しいので、この技術に特化する。

 TPPの加盟申請では国論が2分され、マスコミは音頭を取って推進に走ったが、今は沈静化している。日本人の世論はマスコミ次第で沸き起こるが、直ぐに飽きて自主性に欠ける。自由貿易、開国を表看板にしているが、実は「アメリカを選ぶか、中国を選ぶか?」の囲い込みでしか無く、選択争いだ。現状は、アメリカは一段と格差の国で危ういし、欧米の経済が停滞すれば、中国も危うい。どちらについたとしても、日本人自身の劣化を認め、現状を打破しないと全ての競争に負けるので、人間力の回復が何よりの急務だ。

 ブータンの国王が国交25周年を記念して日本を訪問された。自然体で、日本人の心を見事に掴んだ心の外交だった。小さな国だが、強かで、才知に溢れていた。今回の訪問では、世界の新たなリーダー像を示されて、短期間で外交の成果を挙げられた。私達も、金銭だけではなく、心からの結びつきを持てるような外交を見習って、国際競争の中で、生き残る術を身につける努力が必要だ。

 私は、自然回帰を考えて、ソーラーパネルと蓄電池を揃えて、新しい展開を期待している。つくばの工場を、エコの生産拠点にして、いずれはEDIもソーラーで操業出来る開発も進めている。全てが積み上げて来た技術だし、総決算として、エコ技術の拡大を考えている。

 1月3日から、インドの調査に、麻紀と麻衣子を派遣する。生産拠点の目処が立てば15日に上田を派遣し、様子を見て、3月には廃水処理の技術者の派遣も考えている。

 11月は、最高水準のホームクリーン装置が売れた。地震以降、地下水の水脈が変わったのか、地下水の水質は悪くなり、高度な膜を使う必然性が生まれだした。

 稲敷に住む人が、浄水装置の相談に見え、水野と現地調査に同行したが、海水のような塩分濃度で、TDSが4000マイクロジーメンス以上で、計測不可能の水だった。RO装置にも通してみたが、それでも2000マイクロジーメンスの値だった。急遽、海水淡水化装置を改造し、製作を始めている。場所にもよるが、日本の地下水も悪くなる一方で、いずれ全ての湧き水が、飲料出来ない水になると思う。

 中国、インドから廃水の仕事を頼まれていて、廃水メーカーと共同で、バイオマスタンクを使った、廃水浄化装置のユニット化の話もある。この会社が手がけた大型店舗の排水設備を見に出かけたが、廃水市場は、まさにアジアだと感じた。

 酒造会社から水のろ過と機能水について相談があって、この社長と会ったが、経営が大変な様子だ。北海道のカット野菜のメーカーからも、大型装置の相談があったが、この景気だし買えないだろう。しかし、これらの会社と関わりを持って、「超音波洗浄機で米を洗えないか」と聞かれたり、落ち葉に米ヌカを混ぜて発酵させると短期間で良い堆肥になる話を聞いたりなど、視野が格段に広くなって、学ぶことは多い。12月にはバイオマスのタンクを使って養鶏場の堆肥をつくる実験に取り組む予定でいる。