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■ 排水とバイオマスの話2011/10/31 (Mon)

 排水、バイオマス、酒づくり、超音波、LED等の話が交差している。中国から排水処理の相談があって調査を進めている中、現地から写真が届いた。聞くと見るとは大違いで、工場は古くてその汚さには驚いた。BODが20000ppmを超えると言って来たが、排水処理をしているというレベルではなく、汚水の垂れ流しという印象だ。日本企業は全てがコスト高で競争力を失っていが、中国の生産工場を名乗ってこの現状というのはひどいものだ。世界2位の経済大国になったとしても住む気にはなれない。世界で第2位と豪語する以上は、インフラの整備に金をかけないと世界から認められる国にはなれない。当社と排水処理の会社と漢方薬工場の仕事に関して協議した報告書が届いたので少し紹介する。
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○原水について                                         
・中国の西安近郊にある、漢方薬工場の排水(36トン/日、2トン/時間)              
・褐色・BOD,CODともに10,000〜20,000ppmを、200ppm以下にしたい
・脱色処理が必要
処理能力の検証については、200g程度を空輸し、国内のパイロットプラントで処理能力を検証することを提案する。
1.プラントの水槽についてRHプリンスビラにて手配できる5トンの球体水槽を利用する。
2.プラントのユニット化について将来的には、ユニット化して販売する。
3.接触材については、現地にて多孔質岩石材料が入手可能と思われるとのこと(未確認)
4.コストについては、未協議
排水処理会社『アルゴン』の見解
原水について
1.通常微生物処理が可能なBOD濃度限界は、水質にもよるが概ねピーク時で1,500ppmである。これ以上の数値の場合は微生物による分解処理ができない。そのため、微生物処理を行うにあたり安定した排水処理を行う為には、BOD 1,000ppm程度が望ましい。つまり薄める必要がある。本案件については、微生物処理が可能な濃度まで調整する必要がある。よって、前処理工程が、この案件に対しての一番のポイントになる。ピーク時の排水原水濃度BOD 20,000ppmとした場合、希釈もしくは物理的にBODを調整する必要がある。コスト的に希釈が有効的であり1,000ppmに調整するためには、20倍に希釈する必要があり、大型の原水槽が必要になる。
2.排水の放流基準 工場立地地域の排水放流基準が不明確なため、ご提示いただきたい。
3.処理能力の検証について排水内に有機物が多量に含まれている為、時間が経過とともに腐敗などによって水質が変化する。そのため、中国国内において当社にて指定した項目で排水の水質分析を行っていただき、同程度の排水を国内で調合し、国内で排水処理検証を行うことが適切であると考える。(参考)推測される排水成分(しょうが成分)しょうがの成分には、殺菌性の強いジンゲロンやショウガオールが含まれており、当社の扱う微生物がこれらに対して、どの程度の濃度まで殺菌耐性が有るか検証する必要がある。
4.プラントの水槽について処理水量が多量なため、5トンの球体水槽を用いる場合は、多数必要となる。
○プラントの基本スペック
@原水のBODが20,000ppmとした場合、水で1,000ppmへ希釈する場合の希釈倍率は、20,000÷1,000=20倍 となる。
A時間あたりの流入量は2m3/Hrであるから、希釈した場合の時間あたり原水流入量は、2×20=40m3/Hr となる。
B処理に必要な滞留時間は48Hrであるから、必要な水槽容積は48×40=1,920m3となる。(1m3/Hrの原水を処理するためには、960m3の水槽容積が必要となる)
C仮に球体水槽6連結でユニットを構成すると、1ユニットあたりの有効水量は5×6=30m3となる。
Bから逆算すると、1ユニットで処理できる原水は、
約0.032m3/Hr(約32Little/Hr) であり、原水の前処理工程が肝要である。
5.プラントのユニット化について
ユニット化して販売は可能と考えるが、微生物処理システムの性能を維持するためには、システムの環境維持管理が必要である。そのため、次の方法を考える。
@本システム
処理水のBOD1,000ppm以下などの基準を作り、維持管理マニュアルによる現地管理とする。
Aオプションシステム
@へ遠隔監視装置を導入し、遠隔でモニタリングを行いレポートおよび維持管理の指導を行うサービスを付加したもの。
Bフルメンテナンス
Aへ専門エンジニアを現地派遣し、適切な管理を行うサービスを付加したもの。
『接触材について』
現地にて多孔質岩石材料が入手可能と思われるとのことだが、それがアルゴン石と同様に利用できるか検証する必要がある。先ずはサンプルを取り寄せ、日本にて試験を行う必要がある。7.現地調査および開発コストなどについて現地の状況において不明な部分が多いため、具体的な検討ができない。そのため、立地地域の状況を把握するための資料(周辺地域図、施設概要、施設の設備図面、現在の排水処理設備の概要、放流河川の状況、など)のご提示をお願いしたい。また、処理能力の検証を経てからの契約となるため、パイロットプラントや検証の費用は自己負担となる。どちらか一社で、賄うという考えは難しく、協議が必要と考える。
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上記のような回答があった。
 私は、バイオマスの研究目的で球形タンクを10基購入した。1基分は破損していたので、水圧テスト用に使っている。1基は武藤氏に送って組み立てを学んで貰った。私の勘だがこのタンクは役にたつ予感がしている。長野の養鶏から問い合わせがあったので、友人の神谷養鶏場の社長に意見を聞いて見たが、ガスを扱うという点で否定的だった。NHKでも放映された埼玉県小川町の「霧里農場」でも、簡易なバイオマス設備が備わっているという報道もあり、一度現地を確認するために、長野の養鶏場へ向かった。現代農業という情報雑誌にもバイオマスの記事が載っていて、当社のバイオマスタンクと同じ方式で、処理量が2倍の装置が、総工費200万円だったと紹介されていた。
 その後、長野の養鶏場からメールが届いた。『RHプリンスビラさま スタッフのみなさま 昨日は遠路はるばるいらして頂きましてありがとうございました。きっと帰りの時間はかなり遅くなってみなさまお疲れになったのではと案じておりました。(突然の事で信じられない位でした!!)主人とも話しまして、毎日少しずつ穴を掘り始める事に致します。バックホーを頼むのはしんどく思った時。と考えて、できる処までは掘ってみよう、と思うに至りました。また、昨日、こちらの冬の気温がとても寒くなると話しましたが全部埋めるのでも良いし、3分の2を埋めるのでもいいかな?とも思えます。黒い部分が外に出ている事にも意味があるかもしれないように思っています。震災の後、みんなが良い事を考え始めるきっかけになっているかも知れないです。それが救いのように思えます。今回の件でいろいろ経費がかかると思いますので、私達は必要な事はお支払してお互い気持よく進めていけたら嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します。』
排水の仕事、バイオマスの仕事は小規模の環境の仕事になりそうな感じがする。相手は夫婦とも情熱家の人だし挑戦意欲の高い人だった。ここで共同開発する意味は十分ある気がする。