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■ 物が売れない時代のビジネス戦争2011/10/18 (Tue)

 こんな問い合わせが来た。
『先ほどはいきなり電話いたしましたが、ガス発生装置についていろいろ教えて下さってありがとうございました。我が家は規模の小さな平飼いの養鶏場でして、以前より鶏糞の有効利用でバイオガスに使えないかと思ってきましたがどれも規模が大きすぎて農家の庭先におけるようなものを今まで見つけられずにいました。バイオガスキャラバンの記事等読みましたが日々の仕事の上にするのは今の夫には無理のようでした。なので、組み立て式の発生装置は本当にびっくり致しました。中国農村ではこのようなタイプが国の支援を受けながら普及しているのは羨ましい気持ちになります。身の丈に合った規模で出来る事を目指せたらと思いますし、震災の後はやはり今まで足踏みしていた鶏糞利用に関しても今こそ一歩を踏み出す時ではないか?と思っております。小さなバイオガスミニプラントはこれから需要が多くあるのでは?と感じます。また、何かに機会に情報がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。私も御社の日記の更新を楽しみにさせて頂きます。』

 長野県諏訪郡に住む方から電話とメールを頂いた。私の会社は水を扱うので、顧客の業種は幅広い。今までにも、養鶏、養豚、養羊場へ装置を納入している。一年ほど前、中国の国家プロジェクトであるバイオマスの入札で、日本企業が敗れた。中国側の会社のホームページを見たが、使われているタンクに興味を持ち、直ぐに北京にある本社を訪ねると、日曜日にも関わらず、丁寧に応対してくれた。前記の通り、日本のバイオマス設備は補助金事業で“バカでかい”ので、装置の価格も高く維持費は零細企業には向かない。恐らく年配の方だと思うが、長年鶏糞の処理に悩まれている様子だった。話すと前向きだし、つくばに見に来られるよう勧めたが、生き物を飼っているので出かけられないとのことだった。バイオマスタンクに鶏糞を入れ、ガスにして乾燥後肥料になれば処理が容易になる。先般、愛知の神谷養鶏の鶏糞の処理を見せて貰ったが、臭いも少なくそのまま肥料にしていた。ほとんど臭わない理由は“水と酸素”で、バクテリアの効果だと思う。当社自慢の大型装置も寄与しているが、誰もが購入出来るわけでもないので、小規模のバイオマスを使えれば経済的だと思う。「震災の後はやはり今まで足踏みしていた鶏糞利用に関しても今こそ一歩を踏み出す時ではないか?」と言うこの酪農家の言葉の重さ、意気込みに応えて見ようと検討を始めた。先日も北海道にボランティアで出張させたが、今回は、長野までだ。水野に、ボランティアで運べるか聞くと、今回も、北海道も、「相手は我々よりはお金持ですよ」と指摘された。私は心底甘い経営者だと思うが、乞われた仕事は無理しても請けたい。儲からない仕事ほど得るものは大きい。会ったこともない人に会えるし仕事の究極の目的は挑戦心だと思う。
 
 LEDの街灯ランプを開発して、ショールームの駐車場につけ夜間点灯している。これも自己満足製品だ。つくば市は、国から1億4千万円もの予算を貰って、140基の街頭をつける。計算上、1基100万円になる。表向きの大義は140基をトータル制御して電力をコントロールするモデル事業だと言う。ここまでして税金を使って見栄の省エネをする愚かさに首を傾げてしまう。市民は、直接自分の財布からお金を出す感覚ではないので無関心だが、私は高過ぎると思っている。事務所の道路沿いの看板に、新たにLED照明の街灯ランプをつけた。人が近づくと点灯するセンサーもつけたので、人の目に入りやすいと思う。合計20万円以下で3基のLEDが点灯し、45〜60Wで照らすので明るい。どう考えても、1基100万円もする街灯に税金を使える余裕はないはずで、大金を使って照明設備をつける愚かさを皮肉ったデモンストレーションの一つだ。高度成長期は、人より多く研究費を使える人間が優秀だった。街を明るくする程度の技術は国から貰わなくても、研究者が多いつくばにある。現に私の会社は10分の1の予算で作れる技術が転がっている。この国は税金、補助金で働く企業や人が不思議と評価される。しかし、税金に群がる人が多すぎて、情けなく哀れだ。先日も、浜岡原発では5メートルの防波堤工事に1000億円もかける話が外国人コメンテーターから語られた。ドバイにある世界最高峰の高層建築物が、ちょうど1000億円を少し超える金額らしい。こんな高過ぎる工事に疑問や反対の声をあげる日本人がいないこの国の“馬鹿さ加減”を批判し、この工事を国際入札すれば、あっと驚く金額になると語っていた。

 東京電力が、福島で原発事故を起こしてから、日本人の意識に多少の変化が起きている。以前は、政府の命令は“お上”の命令で、国民は問題を政府に丸投げし、先送りを許して来たと思う。東電と言う巨大企業においても同じことで、電力独占で得た力は、政府をもしのぎ、原爆300個分の放射能をばら撒いた企業が、今もびくともせずに、危機感なく自己主張を続けている。本来なら賠償請求され、倒産に追い込まれて当然の企業だが、電力を人質にとって死んでも鯛の立場を貫いている。日本人は大きな会社やお金持ちには逆らわないブランド崇拝の国民で、未だに逮捕者もなく、賃金カットも公務員並みをキープし、いざ賠償請求が始まると、結局は税金で賄われ、泣くのは国民だ。
 
 私は、こんなに無駄に税金を使う国には政治家も官僚も減らすべきだと思って、自立生活を送る手段に技術を集めるべきだと思っている。太陽光発電で井戸ポンプを動かす方式もその一つだ。今でも高い水道や電力料金が、これからもどんどん上がって支払いが出来ない人が急増すると思う。過去最高の生活保護者数が示すように、日本の底辺は、猛スピードで時代が逆転し、1951年のレベルだと言う。太陽光の技術を学ぶと、幅広い知識が身につき、自然から電気を得る技術は簡単で、何より楽しい。マンションのベランダ用にも使えるソーラーパネルを置く台が、ほぼ完成した。100Wのパネルで蓄電池に貯めて使える実用化テストを新浦安のマンションで試して見る。

 大分の代理店の社長から、水耕栽培の装置を見に来るよう勧められた。この社長は40代で年商25億円を超え、若手の有望株で、良く働くし、私と違って正統派の経営者だ。日本でも有数の水耕栽培の工場を、オランダの技術を導入し、自治体から補助金を貰って「リッチフィールド由布」という野菜工場を創業した。今度は、M造船と共同で、コンテナーを使用した無菌の野菜工場の開発もしている。そのプラントを見にこないかとの誘いだ。私が水耕栽培で一番気になるのは、菌対策だ。赤色LEDと、プラントパワーという有機液肥を使いたいので、訪問したい気持ちはある。近未来の日本の農業は、野菜工場も一つの選択肢になるが、問題はコストと病原菌対策だ。私は安価なバイオマスのタンクを使った水耕栽培法を考えている。槽をバッチ式にすることで、病原菌が発生した場合でも対応が容易で、20年間扱ってきた液肥を、殺菌と栄養を兼ねて採用する予定だ。

 静岡に本社を置く工作機メーカーと、LED街灯に関して話し合った。この会社はLEDのチップを実装する製造ラインに投資をしている。LED事業は、参入が容易なので、日々新たな企業が増えて価格争いが厳しい。共同でのマーケット拡販を基本にすれば活路はあるが、生き残りは難しい気がする。既に、工場や駐車場向けの照明に着手しているが、赤色LEDランプも考えている。食物の生育用と、最近は、髪の育毛にも効果があることが証明されているので試しに製作して見る。大手のアデランスも、赤色ナローバンドLEDを活用したホームケア用LED装置を発売した。NHKでも、赤色LEDにはアンチエイジングの効果があることを始め、緑色のLEDは傷の治療などの皮膚再生効果、青色のLEDは、殺菌効果、ニキビ予防効果があると報道していた。これが本当なら面白い。少し遊び感覚で取り組みたい。大手の販売金額は15万円ほどらしいが、私は5万円を考えている。透析治療を受けると長時間ベットで過ごす。肩や腰もダメージが受け痛い。赤のLEDの波長が深く浸透する性能があるので痛みをとるのに使えるかも知れない。少し資金が必要だが、調べる価値はあると思っている。

 横浜に、水に強い関心を持つ方がいて軟水器をお貸しした。その後、「自宅に井戸を掘りたい」と相談があって横浜の自宅に80メートルの深井戸を掘った。人は、家や高級車を買う時には大金を使う人は多いが、井戸水にお金をかける人少なかった。日本国では、都会も田舎も含め、水道設備が60年代に整備されたので、更新時期を迎えている。しかし、更新には膨大な予算が必要になるし、再び大規模な地震がくれば液状化が起き下水も使えなくなる。都会で水が使えなくなると大混乱になる。私は予算があれば自宅に井戸を掘って、飲用にすると大きな財産になると話している。最近は都心での災害を恐れ、住宅を売り田舎暮らしをする人も増えている。全国的に自立の生活を試みる動きも増えている。この方は地域の自治体や市議会にも通じる顔の広い方らしく、災害時には防災用に開放すると説明して根回されて掘られた。水質も水量も豊かな水脈に当たったと夫婦二人で報告に見えた。

 日本人の多くは水道水を信じ、日本の水は世界と比べ安心で素晴らしいと思われているが、現実は怪しい。29日に発表された「放射能汚染マップ」を見ても、汚染の地域が広い。霞ヶ浦周辺も汚染度が高いし、水道水のデータには異常がなかったが、これも大いなる疑問で、データを鵜呑みにする人は少ない。主婦らは子供を守るために、自発的に調査する活動が活発化し、水道水が正常な値なのに、廃水汚泥にはとんでもない放射性の値が出て残土が山積みにされているのが現実だ。これで水道水が安全だと言われても信じられない。福島から遠く離れた横浜市でも側溝から高い値が出ている。何故か、悪いニュースが小出しに出て来る。自らの命は自らの手で守る自己防衛力を高めないと、生き残れない国になった。水や電気が努力もせずに与えられた生活にも陰りが出て、年々「値上げ」の現実が突きつけられる。井戸の確保は、命を守る安い投資で、水質の悪い人は大型のホームクリーン装置でろ過すると、家全体の水が安全な資源になる。防災面では、“停電対策”が大事になる。太陽光発電を用いれば何とかなる見通しがたった。現在最大の発電量とされるソーラーパネルは310W。是非、仕入れたいので準備を進めている。

 お金を使う人も減り企業が衰退し、“我慢”の生活が今時の生き方になりだした。日本中、安物さえ売れず、世界中に物と金が溢れて、借り手のいない金融機関も経営が危うくなる。一番危ないのは証券会社もその一つで企業の優劣の判別もつかない。水も自給、電気も自給、生活も田舎暮らしで、富裕層が大幅に減り、ビジネスの形が大きく変わっている。

 土浦の阿見に住む知人宅に、ホームクリーン設置が完了した。鹿島の方も事務所に夫婦で来られて設置した。千葉の方からは、厳しい水質のろ過の相談が2件あるが、1件は近々事務所に見える。もう1件は千葉の水道局の紹介で、11日に現地調査を行った。地震が起きてから水脈が代わったのか、問い合わせが増えて少し忙しい。10月18日愛知県に夜行バスで出かけ、武藤氏に会って、100年の老舗の酒造メーカーの社長と最終の打ち合わせを行う。身体が大丈夫かと心配の声もあるが、海外より楽な旅になるので心配はない。