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■ バイオマスタンクと浄水2011/07/05 (Tue)

 久野さんと言う方からメールを頂いた。少し参照する。『ご無沙汰しております。コラム拝読させて頂き、インド・中国と益々のご活躍を知り、私もがんばろうと励みにさせていただいております。関西方面にいらっしゃることがあれば、ぜひ弊社オフィスにお越しください。弊社は、今福島支援に力を入れておりまして、そちらの方でも御社技術とのつながりができるかもしれないと思っております。中小企業有志で、福島で電力会社を作ろうという話も出ているそうで、御社の貯水タンクの、バイオガスで発電もできる、ガスコンロにも使用できるという点に、現在大変興味を持っております。また、新浄水器、Webで拝見いたしました。木のBOXで浄水器とは、驚きましたが、自然の調和を感じさせるいいアイディアですね。小売で販売する立場となりますと、各種法的規制に関する部分もクリアが必要となりますが、その点、どのような感じでしょうか。放射能レベルの除去を確認であれば、弊社スタッフが福島に随時赴いておりますので、御社の新浄水器をお借りして、通水したお水を検査に出すことのお手伝いは可能です。』

 千葉県の旭市も、今回の地震と津波で壊滅的な被害を受けた。この町から少し入ったところに、エコビレッジが建っていた。NHKで報道され、一度見学に行こうと話をしていたが、偶然にも先方から井戸水の相談があり、つくばまで来られた。メールを頂いた久野さんとは、エコビレッジの住民で、水の担当者として知り合ったが、とても魅力的な感覚の持ち主だった。つくばに自宅を購入されたが、いざ、住む段階で3月11日の大震災が起きて、放射能を危惧されて芦屋に転居された。先日は、福島県川内村の近くの、漠原人村に住む建築家の大塚さんが見えた。ここも原発から20km圏内に位置している。山中で自給自足の生活を営んでいたが、この方も地震後、即岡山に避難された。自然派の方と付き合って感じることだが、感覚が鋭く、とてもたくましい。福島から岡山に移ると、すぐに畑を買い、自給自足の生活を始めている。久野さんもつくばで買った家をすぐに貸して、芦屋に居を構えた行動力には感心している。

 実は、この大塚さんとは、独立型の太陽光発電導入が縁で知り合った。世間では、建築家というよりも、夫婦で自給自足する生き方がクローズアップされ、テレビでも頻繁に紹介されていた。この獏原人村は、山の奥深く、厳しい傾斜の道を延々と走って到着したので印象は深かった。今回開発した浄水器は、被災地向けにこの方から提案を受けて開発した。放射能拡散が大問題となって、膜浄水器の機能を追加し、特別仕様の装置が完成した。しかし、完成したものの、被災地の方に売る手段も持っていないし、売る気持にもなれなかった。家や財産、肉親までも失った方が多くいる地で販売するのは、躊躇われた。エコビレッジの久野さんや、獏原人村の大塚さんから、浄水器拡販の話もあるが、被災地の現状は規模が大きく、悲惨すぎる。数台の浄水器を販売したところで、何の役にも立ちそうにない。

 報道を見ていると、海岸線の下水施設は壊滅的で、復旧は数年かかると言われている。インドで生活排水をろ過する目的で、バイオマスタンクを輸入したが、これを改良すれば、安い合併槽になる可能性がある。被災地で役に立てる気持ちで改良しているが、日本は合併槽の法規制が厳しく、新しい装置は認定されない。しかし、現地は汚物の処理を田んぼに流してシートで覆うしかなくて困っておられる。再度詳細な情報を集めて調査したい。マスコミは芸能人の炊き出しを頻繁に報道はするが、汚い汚物の話は報道されない。工場でタンクを組み立てて強度を試して見たが、予想以上に頑丈だ。完成は円球のタンクだが、半球の状態で満タン、約2.5トンの水を溜めてみた。見事に貯水出来て完璧だった。被災地に持って行ければ、水の備蓄にも、汚物の処理にも使えて重宝がられると思うが、誰か応援してくれる人がいなければ、当社だけでは難しい。上手く処理出来ても、供給量は当社の資金では、せいぜい月に10台が限界だし、法的な規制を無理やりに解決してまで拡販する気にはならない。被災地の方も援助を待つのではなく、広く情報を集めて無名の会社にも技術があることを調べて行動して欲しい。

 最近、透析クリニックから、このタンクに問い合わせが来て、水を備蓄したい旨の見積もり依頼があった。バイオマスタンクとして使うには法律的調査も必要だが、一時的に井戸水や雨水を備蓄しておくなら、法的な制限はないと思うので、当面は水の備蓄をしたい顧客に買って貰う商売にしたい。この方には、4トンタンクが2基(本来は5トンタンクだが、少なめに考えて)の、計8トン仕様で、50万円という見積もりを出した。この金額で8トンの水が備蓄出来れば安いので、普及するかもしれない。浄水器を評価して貰えるのも有難いが、この話は私の方で処理できるので、タンクや淡水化装置の方に支援を頂きたい。放射能相手では、どんなにデータを揃えても、疑う人は疑うし、そこまでして販売することに、意味を見出せない。今回、福島の原発事故関連で、政府がデータを公表しても、それを信用する人はいない。既に、RO膜による放射性物質の除去効果は、公表されているので、私は自ら調査して、この浄水器が欲しいと言う顧客に絞って販売したい。今回のタンクレスのRO膜浄水器は、20万円くらいで販売する予定で、既に顧客を始めとした一回目の縁故販売は終わり、思ったより順調だ。RO膜で、ある程度の放射性物質を除去出来るからと甘く見ては、かえって親切心が仇になる気がしている。私の会社の販売量も、月に50台が限度なので、宣伝は控えめにして、知る人のみが知る会社でいたい。優れた製品を安く買うのは難しい次代になると思うので今後も良品を売る。

 今月、知人に頼まれて浄水器を販売した。請われる顧客には採算を無視しても販売はしたが、何台も採算に乗らない仕事では、暑い中社員を働かせるのも心苦しい。しかし、採算割れにしても、大変喜ばれて、感謝の電話を頂くと、やはり嬉しい。喜んでくれる人には販売したい。

 政府の命令で節電が始まった。原子力発電を守るための節電はしたくないので、自然エネルギーの活用を続ける。以前に太陽光発電システムと一緒に輸入したLEDの街灯がある。日没と共にLEDが点灯し、タイマーで点灯時間を決められる。周りは畑ばかりで真っ暗なので、地元の方には、「これは明るいねぇ」と非常に評判が良い。バイオマスタンクとこのLED街灯は、仕事になりそうな気がするので、12Vのドイツ製の高効率電球を束ねて大型の街灯を製作したい。つくばは、節電前から街全体が暗く、夜は危険で、年寄りには住みにくい。暗いのも嫌いだし、政府が命令する節電もシャクだ。安い太陽光技術を開発して街灯を立てて、明るい街づくりを考えている。LEDランプを調べているが、業務用のランプはまだ馬鹿高い。私は今回、1m四方の150Wの太陽光パネルを30枚作らせて、武藤氏に転売し製品化を頼んでいる。蓄電池を使えば、家庭用のLED電球を組み合わせた大型のランプも簡単に作れる。武藤氏は、電気の専門家なので、いい製品が出来ると期待している。

 今回、新たに2本、海水用のRO膜を購入した。四国のM菱電気から淡水化装置の製作打診もあったが、三陸の海岸線は塩害がひどいらしい。水道水も海水で飲めないとのことで塩分濃度の情報が欲しい。久野さんに塩分濃度は調べて貰えないか聞いてみたい。データがあれば、淡水化装置を作ってあげられる。従来の淡水化装置は、非常に高くて、庶民にも、中小企業にも手が届かない。今回、膜を入手したのは、ある国の海軍が潜水艦用に、淡水化の浄水器を作ってくれとの依頼からだった。100%海水であれば、ポンプが馬鹿高くなるが、塩分濃度が低い場合、ステンレスのポンプで粗方浄化出来ると思うので、この装置を出来るだけ早い時期に開発して、被災地で使ってみたい。テレビでは、大型の淡水化装置がホテルに設置されていたが、多分、500万円はすると思う。飲料水に絞れば、もっと小型で浄水できるし、井戸水と組み合わせれば、多分淡水化の膜で、充分飲料水が出来る。今回の、バイオマスタンクに、地下水、雨水、海水を混ぜ合わせて溜め、淡水化のRO膜でろ過すると、十分採算にあう装置が完成する。この仕事は、報道を見た限り、誰も手がけてはいないし、将来性もあるので、少し有志から資金を集めて、開発を終えて技術と販売権を供与する形で、新しいプロジェクトが生まれる感じがしている。

 「再生可能エネルギー促進法」を、延長国会の目玉にしたいらしい。再生エネルギーで発生した余剰電力を電力会社が買い取る法案で、買い上げる資金は、日本国民から徴収する。つまり、太陽光発電を設置していない人からも電気代を値上して赤字を補填する都合の良い法案だ。日本の官僚がいつも考える悪知恵法案で、常套手段だ。国の債務は消費税として国民に回す。生活に欠かせない電気代を税金並みの強制力で徴収し、電気代を支払わない人は、即電気を止められる。世界では群を抜く馬鹿高い電気代を、更に高くする案で、何でもツケは国民に回す悪法案だ。現行の太陽光発電の買い取り制度は、東電の下請けの形で企業が参加し、自然エネルギー技術の発展と普及を阻害し、コスト高を招いて来た。現行では、太陽光発電の一軒分の投資額は、安くて180万〜250万円の範囲だ。償却するのに、15〜20年もかかり採算に合わないし、工事会社も指定されて、価格競争も制限され、思ったより普及していない。福島原発事故で、廃炉を含めた損失の費用が約16〜20兆円という途方もない金額で、国の税収の50%を超える巨額の費用になる。浜岡原発を止めた損害の費用も政府が1000億円を融資し、この金額も増える一方だ。日本人は、電気が止まるという経験をほとんどしたことがなかったので、15%の節電も何とかこなしているが、電気も十分に使えない環境で、電気代が年々上がる矛盾は国民を萎縮させる。

 私は、前々から売電方式が自然エネルギーの普及にブレーキをかけていると思っている。全量買い上げる法案が通っても電気代は下がらないし、儲かるのは一部の企業だけで国民のためにはならない。そこで、独立型の発電システムを世界中から探して安い部品を取り寄せて一部太陽光発電を日常生活に取り入れることを薦めている。ヨーロッパを始め、ソーラー発電で稼動する家電製品が今後開発されるし販売されると思う。最近登場した省エネ型のテレビも消費電力は30Wほどだ。今後を考えると節電が日常化する。私は次から次に新しいエコに挑戦をして行きたい。