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■ 安心して、地下水を利用2011/04/19 (Tue)

 中国の大連で、水産業界向けに水のプラントを販売したい人が、長野から訪ねて来た。42歳で、この仕事に挑戦したいという固い決意を持っていた。経験もない中で、常識的には無謀な計画のようだが、私から見たら若いし、成功の可能性は高い。6インチの膜のプラント技術を学べば、先は見えてくるはずだし、私は何故か、背水の陣をひく生き方が好きで、戦う人はとことん応援したくなる。タイにある日本の水産加工会社から、1日1500トンの見積り依頼が来た。海水を使うが、菌だけは除去したいなど、水産関係の需要は、伸びて行くと思うので、案外面白い仕事に育つと思う。私は、企業力よりも、個人の可能性を信じている。人間が再起しようとするエネルギーにかけてみたい。私も46歳で独立し、私を取り囲む社会環境は厳しかったが、内心は自信に満ちていたことを憶えている。何かあれば手助けしたい。

 水野は、先月末、奈良県五条市の診療所に大型UF膜の浄水装置を納入した。診療所は公共性が高いし、新日鉄時代の友人が、五条市に工場を持っていた縁もあって、この仕事を請けた。その後、大垣の半導体メーカーの超純水装置、愛知県のカミヤタマゴのRO装置のメンテナンスを行った。また、日本電子株式会社と、ROや超純水装置の仕事が続いた。いずれも長い付き合いの客だし、安心して装置を使ってもらう為の、重要な仕事だ。

 産総研のべンチャー企業の劉博士は、中国でも私の会社を宣伝していて、当社の浄水アイテムに興味を持つ資産家が会いたいと言って来た。新設の工場も紹介したいと誘われたので、思い切って今月末に訪問する。よくある話だが、零細企業だし、難しい時代なので、流れに任せつつもバランスを保ちながら、動向を探りたい。ビジネスは、“我欲”の世界で甘くはないので、全てを冷静に見ている。

 装置を安価に仕上げるには、既存の大手メーカーのやり方では無理なので、中国にある産学合弁の企業と関係強化を進めているが、動きが素晴らしい。この大学で、400GPDの膜を同時に2本動かせるポンプも見つかったので、これで新製品を開発する。この会社から仕入れた400GPDの膜を50個仕入れた。テストしたが、安定した品質だった。この膜を4本組み合わせて1600GPDクラスの純水装置を造りたい。この容量の膜は、韓国の膜メーカーがフランス向けに輸出をしているだけなので、競争力があるし、インドでも応用出来そうなので、開発を急ぎたいと思っている。大型プラント装置は、いずれは中国で組み立てを行い、新しい形の製造メーカーになることを目指している。開発は競争で、日々時間との戦いだ。岐阜の武藤氏にも、この計画への参加を勧めている。私の構想では、将来的には、製造に明るい水野と、電気の専門家である武藤氏の二人が組んで、プラントの生産拠点を岐阜で出来ないかとも考えている。福島の原発事故の危険レベルが、「7」と判断された。解決までは長時間を要すると思う。長期化すれば、つくばも危うくなる可能性すらある。

 東日本大震災の復興には水を必要とするし、純水装置も必要になると思う。もしも、一日1500トンクラスの装置の依頼があれば、供給したい。どこの国でも大型のRO装置は造れるが、多分、価格は負けないレベルにある。23日からの中国訪問で、将来、水野や武藤が大型プラントの製造に参入する際は、今回の人脈や情報網が、大きな力になると思う。

 インドでのビジネスのため、情報収集・人材確保・装置の選定・部品の仕入先をまとめている。一番拡がる可能性があるのは、排水ビジネスだ。インドの中でも、人口が4000万人以上のムンバイとプネでは、水道や排水のインフラ設備がほとんどない状態の中、人口だけは増え続けていて、混乱状態だ。低所得者が住むマンションの設備を視察したが、散々たる状況だった。インドには様々な階級が存在するが、ムンバイには世界最大のスラム街が広がり、多くの人の生活は極めて困窮している。たぶん、東北の被災地よりも深刻な現状だと思う。今後、インドは急速な経済成長を遂げ、やがては中国に並ぶ大国になる。10〜20年後のインフラを考えると、水の確保が大きな課題になる。

 今月の2日から、久々に北京市街を訪れた。目的は、インドの排水処理の設備を購入する為だ。オリンピック前は、排ガスで澱んだ空気だったが、空気の澄んだ青空が広がっていて、環境面では改善されていた。温暖化の交渉では後進国として一歩も引かないが、国内では生きる為に、着々と手を打っている。これに比べて日本は世界に25%の削減を口先ばかりで、まことに恥ずかしい。

 ここに、特殊なタンクをつくる会社がある。前回の営業日誌でも書いたが、バイオマスの技術とタンクの購入交渉をしに訪れた。ムンバイの排水処理施設の普及状況を見ても、合併槽は有効だが、価格が高すぎる。7人槽で4〜50万はするし、インドに転用しても、採算に合わない。インド側の意見は、5トンのタンクをつないで、合併槽に似た構造をつくり、最後に平膜で水を回収する案を提示してきたが、すぐに真似をされるので、この案もビジネスにはならない。バイオマスのタンクを改造して、排水処理も兼ねた装置にしたいが、専門家は懐疑的だ。出来ないと言われると挑戦したくなるので、バイオマスのタンクを改良して見る。2008年には、インドでの簡易的なバイオマスのタンクは、年間10万個も販売され、大きなビジネスになっている。このタンクは、18枚のパネルで構成されていて、1枚の重さが5kgほどのプレートで、18枚重ねると、球形のタンクになる。タンクの輸送は空気を運ぶようなもので輸送コストが高い。材質は、「PP」で、最後に、継ぎ目を溶接して完成する。中国国内の農村では、大半がこのタンクを使い、バイオマス利用をしている。日本も段々と貧しくなるので、貧困ビジネスもエコのツールとして使えないかと思っている。日本では、この種のタンクを売るには、それなりに工夫がいるが、10セットをサンプル用に仕入れ工夫を凝らしたい。内容量が5㎥あるので、貯水タンクとして使えるし、災害地では貴重だと思う。日本の被災地でも、汚物や、生活排水の処理をバイオマスの技術で解決すれば、エネルギー不足の解消にもなるので、一石二鳥だ。

 このタンクは、水を備蓄出来るので、雨水・地下水・水道水等をタンクに溜めておけば、配管設備がなくても、当社の高度な膜ろ過浄水装置「非常時くん」を通せば、飲料水にもなるし、掃除や洗濯などの生活水としてもすぐに活用できる。今回の大震災に伴う、原発の放射性物質による汚染問題で、RO浄水器が品薄だが、部品を集めて新たな装置をつくるべく努力をしている。

 つくば市にある、多くの園児が通う大規模な幼稚園に、1時間5トンの処理容量を持った10インチの大型UF膜2本と、軟水装置を組み合わせた最新鋭の大型の浄化装置の受注が内定した。この幼稚園には、10年前に当社の浄水装置が既に設置してあって、今回は、この更新を兼ねて、茨城県初の高度膜処理装置にする。当社は既に台東区の墨田公園内に26000人分の飲料水が供給出来る装置を納入している。今回の装置の納入は、幼児に水を供給するという目的以外に、災害時には、防災施設として使えるように、50項目の水質検査に合格するレベルにある装置として製作し、5月20日までに納入することが決まった。このクラスの大型装置は、今回の地震災害以後、水への関心が高まって、地方自治体や集合住宅の災害時に対応できる装置として、問い合わせが増えている。当社は、小型から大型装置について装置の製作を受注できるので、積極的に防災用の装置に特化した製品を供給して行きたい。