戻る
■ 円高でも優位性のあるビジネスの提案2010/10/21 (Thu)

 10月13日、「株式会社タカフジ」と超純水装置を含めた当社の技術供与をする契約を完了した。タカフジは、大手企業の水処理の工事を請け負い、社長を務める佐藤氏は、41歳の若さで、年商25億円を売上げている。プラント工事への参入を考えて、独自で膜ろ過設備を扱えるようになることを希望している。膜技術を始め、RO膜、EDIを含めた製品の購入を希望された。ムトウエフエーの武藤氏に続き2社目になる。

 今回、下館ロータリークラブから開発費の一部を受け、海外市場向け、特に中国を強く意識した、「超純水製造装置」を開発した。前処理は、孔径0.02ミクロンのUF膜、活性炭、イオン交換樹脂の3連式を採用。処理能力は2トン/時間以上で、この前処理水だけで、ほとんどの用途に使える。200リットルの貯水タンクを付け、EDIのセルとポリシャー樹脂を使うと、18Mの超純水が出来る。バルブの切り替えで、「軟水・純水・超純水」が選択して使える。
 この装置の開発は、ネパール政府から高度な水技術の供与を依頼されたことが発端で、地下水を飲料水に使え、研究所の純水・超純水にも使える設計にした。この技術を上記の二社に供与し、共同で、年末までに3台製作し、来年1月に開催される大連の環境セミナー展に出展する予定だ。この展示会に水野を派遣し、私も体調が良ければ、大連に行く予定でいる。日本では、EDIセルを採用した超純水製造1トン/時間の価格帯は、1400万円を越す金額で販売しているが、今回の業務提携で、大幅に、国内販売・輸出価格が下がる見込みだ。

 地下水でも使える膜・軟水装置と水道水仕様の軟水器を開発したが、量産の準備が出来て、12月から本格的に販売する。

 10月10日、大阪の堺を訪問し、軟水器の代理店の面談に訪れた。新日鉄に勤めていた時の友人と懇談後、意志の確認をした。12月につくばに来られて具体化する。ついでに、シャープの液晶工場を見たが、新日鉄の工場は、昔の面影はなく、シャープの下請け会社に見え、鉄の凋落ぶりを感じた。私は、20年前に鉄の業界に失望し、水に興味を持って会社を立ち上げた。水の仕事を選んだ理由は、「難しくなく、小資本で取り組めて、海外からも有望な業種だ」と思ったからだ。この判断は正しかったと思う。他人から見ると、遅々として、今も零細企業に留まっていることに、もの足りなさを感じているようだが、日本の大企業が脆くも衰退する中、小さな会社が生き残っていられる強運は、有難い思いだ。日本企業の生存競争は激しさを増すが、水は大儲けできなくとも、生き残れる業種の一つではある。

 今月4日、愛知県の神谷養鶏場に「超音波洗浄機」を納入した。搬出前に、試運転を見たが、うまく仕上がっていて、いい“気”を感じた。少し前に、超音波で膜フィルターを洗浄できないかと開発したが、良くも悪くもないレベルだった。超音波は、メガネの洗浄でお馴染みだが、柔らかいものだと、超音波の波長が吸収され効果が出にくい。今回は、顧客で、友人の神谷さんから、卵用のトレー250枚を、短時間で洗え、尚且つ殺菌が出来る洗浄機を要望された。今回の素材はプラスチックで、膜と同様に苦手な分野だ。神谷氏は優れた生産者で、常に、新しい試みを大胆に取り入れ自から工夫し、純水、酸素水も共同開発し、成果を挙げている。今回も新しい挑戦で、振動子を、112個にして、ハイパワーな装備になった。私の仕事は、客の「声」に答える開発が多い。過去も、現在も、未来も、技術を中心に取り組んでいるので、毎日が戦いだ。

 チリの落盤事故から、奇跡の生還劇が、世界中の目を釘付けにした。決め手は技術力と人間の意思力だった。600メートルを越す地下道の、限定さられた空間にピンポイントで空洞を空ける技術は高い。アフガンから急遽駆けつけたアメリカの技術力は、賞賛に値する。技術は時に凶器にもなり得るが、未来に希望を持つ知恵の源泉にもなる。技術があれば、勇気も高揚するし、常に技術が夢を広げてくれる。

 蔵王で、過酷な腸菌テストに合格したミネラルウォーターの製造会社が、ついに10月20日に開所式を開き、当社も招待された。宮城県の蔵王で、水ビジネスを立ち上げたのは若者たちで、このご時勢に、銀行から5000万円を借り入れし、仲間で働ける場所をつくった勇気は、賞賛に値する。今の時代の起業は厳しく、大手崇拝主義の社会では、起業するのに勇敢さが求められるが、上手く立ち上がると先は明るい。私は膜技術の提供で応援し、膜浄水器を供与して、東北での販売権を与えて、「蔵王湧水」の名で、浄水装置も販売する。若者達の意思力が、新しい仕事を生む様子は、心地良い。事業開発は、人との“めぐり合い”から生まれるもので、失敗もするが、めげずに進むと、積み重ねが力になる。日々、蓄積だ。

 先月、日立の住宅メーカーの幹部と、同じく千代田区に本社を置く、水の部品販売の会社の方が見えて現今の厳しさを嘆かれた。日本全体が、円高の危機感を煽っているが、円高はチャンスでもある。円高で輸出が出来ずに厳しいと思われているが、水ビジネスにおいて、地下水は為替に関係なく有望だ。イオン交換樹脂を使う装置と、EDI装置が特に有望だ。当社は価格に競争力があるので、円高でも十分勝算がある。最近、色々な会社、人と会い感じることは、社会が疲弊し、日本全体が貧しく縮小している気がする。しかし、円高が古い企業社会を強制的に組み変えて、若い会社が台頭する転換期でもある。

 千葉の勝浦に住む、ドイツ人の方からメールを頂いた。硬度の高い地下水のため、機器が損傷するので、相談に乗って欲しいと連絡があった。外国の人だし、房総半島の水は、我々でも手こずるので、自分の目で装置を確かめることを勧めた。この方は以前、つくば大の教授で、日本人よりも日本のことに見識のある方だった。安い装置と、フル装備のホームクリーン装置を説明すると、大型膜のフル装備を希望された。

 つくばのお医者さんから、友人が地下水用の浄水器を欲しがっているので、会ってもらえないかと連絡があって、訪問すると大そうな豪邸で、90歳の方と奥さんが出迎えてくれた。とても元気で、105歳まで生きると張り切っておられた。私の装置は、大型で価格も高いため、買う人も限られるが、この家はつくばでも一番の広さで驚いた。大きいと言えば、土浦のお寺もだが、ここも水が悪く、ゼネコンが浄水器を納めたが、すぐに詰まり、訴訟騒ぎになった。ゼネコンとお寺の両者から頼まれて販売した。規模が大きいので、月々のメンテナンス費用を頂いているが、個人宅でメンテ費用が必要になると大変なので、シャワーにもなる浄水器をテストでつけた。逆洗も手動、樹脂の再生も手動、風呂の湯の出口、シャワーの出口と、年寄りからしたら、扱いが面倒だ。様子を聞くと、水は素晴らしいが、やはり分かりづらいようだ。今回開発した装置は、アトピーや、乾燥肌で悩む老人、肌美容を望む人を対象にしたが、頭が痛いのは老人だ。80歳を越えた人には、2週間に一度、家庭訪問するビジネスプランを考えている。話し相手になると喜ばれるので、人を選んだ対話のビジネスも一案だと思う。

 17日の日曜日、成田からお客が来て、自宅の地下水を見本に持って見えた。色度18もある水で、基準値の5以下に落とすには、RO膜しか出来ない。聞くと、完全な二所帯住まいで、2軒分のろ過になる。時間2トン処理で、他社がより安く販売していると言うので、他社が販売しているのなら、そこから買うことを勧めた。参考までに他社のホームページを見ると、上手く宣伝していた。10ミクロンのフィルターとMF膜を使い、時間2トンの処理が可能と表記してあるが、MF膜ではこのような水には無能で、金属イオンの除去も知っておくべきだ。色度は難しい。前処理のフィルター交換費用も必要になる。デフレの時代だが、私は、質の高い、高付加価値の仕事を選んでいる。他社で買える物であれば極力、他社で買って欲しいし、家庭用の装置は、内容が理解出来る人に限り販売したい。

 提携した株式会社タカフジと、一日200トンの水を使用する水耕栽培の工場に、装置を納める話が進んでいる。22日は、鹿島に平膜の装置があって、改良の話がある。少し考えがあって見に行く。