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■ ミネラルプラス水2010/08/16 (Mon)

 もう、5、6年以上前の話だが、カナダの中央部にあるサスカトゥーンという極寒の都市を訪ねた。この街は、冬の時期になると最低気温がマイナス30度以下の世界になる。目的は、有機アミノ酸酵素液(プラントパワー2003)という液肥のことが詳しく知りたかったのと、カナダ政府・サスカツゥーン市・日本企業と共同で、約10億円をかけたミネラルウォーターの浄水施設を建設したが、この精製水から菌が検出されて、工場が閉鎖された。閉鎖の話は当時アメリカで仕事をしていた時に、知り合いから聞き、一度現地を見て欲しいと頼まれた。
 当時は、私の病状はひどく、体が弱っていた。最後の旅として、この地を選んだ。現地の人が、私の健康を気遣ってくれて、近くに“不思議な温泉”があると紹介してくれた。翌朝、大型のリムジンを用意してくれて、温泉場に向かった。日本からも治療に訪れると聞いていたが、日本の温泉とは比べ物にならない簡素な温泉で、入る気にはならなかった。温泉の周囲には湖があって、白く波だった模様で、湖面がそりあがって固まっていた。その白さは、雪ではなさそうなので、現地の人に尋ねると、「これは塩です」と教えてくれた。この近所には合計3つの湖があって、全てが塩湖だと言う。この湖は昔、隕石が落ちて湖が出来たという云われがあって、地球上に見られないミネラル分も含まれていると説明された。私はその話を半信半疑で聞いたが、一番大きな湖を見に訪れると、入り口に、国連の名で、湖の環境保護を訴える大きな看板が立てられていた。貴重な鳥獣が繁殖する保護区としても名高い地域らしい。湖沿いを走ると、塩を精製する工場や、大きな加工工場が立ち並んでいた。私は塩の知識がなかったので、塩の用途を聞くと、食品、薬品、化粧品、またダイナマイトにも使うのだと言う。水と同様、塩分がないと、人間は生きて行けないので、とても重要だ。私の子供の頃は、夏には海に遊びに行って、「夏に海で泳ぐと、冬場に風邪をひかない」と、塩の効用を教えられた。塩水は、アトピー性皮膚炎にも効果があると聞くし、発汗作用があって、自律神経のバランスを保つ効果がある。最近は、全国に「塩湯」が広がりだしたのも、健康志向の表れだと思う。ハワイの海洋深層水を始め、日本でも、沖縄、四国等で、ミネラル深層水がつくられているが、水を運ぶと、非常に輸送コストがかかる。ミネラルのある塩なら、きれいな水に溶かせばいいので、隕石から生まれた、“宇宙のミネラル分”に興味もあって、出回っている塩湖の塩を大量に購入した。しかし、輸入したものの、どう使っていいのか名案が浮かばず、倉庫に置いたままになっていた。

 日本で、井戸水を浄化する「ホームクリーン装置」を開発して、当社の主力製品として成長した。この装置は、超純水装置の前処理装置を、民生用に転用したものだ。井戸水に含まれる硬度分が、人体や給湯器などに支障をきたすので、“イオン交換樹脂”で除去する。プラス極であるカチオン樹脂で、マグネシウムなどのマイナス極の金属物質を吸着して軟水にする装置だ。

 最近になって、ホームクリーン装置までは買えない顧客が、手動で操作出来る、安価な装置を作ってくれとの依頼も増えている。軟水器の構造は簡単で、誰でも、カチオン樹脂さえ通せば、すぐに軟水が出来る。極端に言えば、竹に樹脂を入れさえすれば、すぐに「軟水器」になる。しかし、難しいのは、微量金属で飽和した樹脂の再生で、NaCl(塩)を入れる工程が難しい。塩の入り口・再生した後、排水ができる機能を加えると、簡単なようで複雑になる。世の中の軟水器がなぜ高価なのかというと、効率的に、樹脂を均一に再生するのが難しく専用の容器がいるせいだ。

 簡単に容器に穴を開けてと分かっていてもステンレスでつくると安く仕上げられない。UF膜のハウジングのメーカーに相談して、膜なしで、容器を購入し樹脂を入れて、再生ができるか、テストを繰り返した。結果、うまい具合に再生できる軟水器に仕上がった。UF膜のハウジングには上下2つずつ穴があいている。上部の一方には、塩を入れ、もう一つの穴から、温水を注入し、下部の穴からは、軟水が取り出せ、もう一つの口から排水を流せる形になった。圧力にも耐えられるのでこの容器の採用を決めた。樹脂の再生に使う塩化ナトリウムも、カナダの塩湖の塩と、医療用に使われる純度99.8%のものと、食品加工用の95%ものを比較してみたが、95%の塩は山椒くらいの粒状で、99.8%のナトリウムは、細かい粒状だ。カナダの塩は、ミネラルをたっぷり含んでいるので、樹脂の再生とミネラル水の造成に効果があって、新しい商品が出来そうな予感がした。倉庫に貯蔵していた宝物のミネラル塩がこの装置を通して蘇った感がある。テストで塩を使って見るとそれぞれに特長があって大変心地よく、ミネラルを豊富に含んだ“プラス水”として、シャワーと浴槽にも使える装置になった。数年前に、ある女性向けの雑誌の会社から軟水の特集をするので、軟水器を提供してくれと依頼されたことがある。当時は、採算が合わないので断ったが、何時れ世に出したいと思っていた。

 民主党に政権が移り、一年が過ぎたが、民主党は、“大人”の政党に成長して、分別の良さだけが際立っている。民主に期待したのは分別ではなく「新鮮な輝き」だった筈だが、実行しない政党に期待は見事に吹き飛んだ。「国民の生活第一」だった姿勢は180度変わり、成果は見えないのに、虚勢を張って、形にのみこだわっている。前政党と何等変わらない振る舞いが目立つ。多分、官僚の指示だと思う。菅氏は、軽井沢で優雅に静養し、立派な首相になっているが、鳩山氏でもないのに、軽井沢で静養なんて似合わない。私から見れば疲れる程、政治をしたのかと疑ってしまう。こんなひ弱な政治家の姿は見たくはない。形振り構わずに「政治を変える」という気概を期待しているのだ。国民の多くは、変化を期待したが、所詮、同じ穴のムジナだ。菅氏の広島の記念式典での言葉と、同日の記者会見時の発言の矛盾は、庶民出の首相の感覚ではあり得ない。強く筋を通して欲しい。

 私は、広島の爆心地から1.3kmの場所で、被爆した当事者だ。地上から600m上空で、爆発したので、ほぼ真下で被爆した。NHKで原子雲の高さを新たに測定したCG画像を見たが、原子雲の高さは8600mに到達したと言われていが、実は15000mの上空を越え成層圏にまで達していたことが分かったらしい。爆発時に周囲10kmに範囲から巻き上がる上昇気流の凄まじさをCGで再現された画像を見て、その中で生き残れた強運を再確認した。今月で、68歳になる。被爆の影響で、大病と共に生きてきて、今日を迎えている。原爆投下後に降った、「黒い雨」の話を引用してみる。

【 原子爆弾が炸裂した時の泥やほこり、煤などを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨で、放射性降下物の一種である。主に広島市北西部を中心に大雨となって激しく降り注いだ。この黒い雨は強い放射能を帯びているため、この雨に直接打たれた者は、二次的な被爆(被曝)が原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの“急性放射線障害”をきたした。大火傷・大怪我をおった被爆者達はこの雨が有害なものと知らず、喉の渇きから口にするものも多かったという。原爆被災後、他の地域から救護・救援に駆けつけた者も含め、今まで何の異常もなく元気であったにもかかわらず、突然死亡する者が多かった。水は汚染され、川の魚はことごとく死んで浮き上がり、この地域の井戸水を飲用した者の中では、下痢をする事が非常に多かったという。】

 私は旺盛な生命力と強運に助けられ、極限状態の中で生き延びたが、黒い雨の水をきっと飲んだと思う。当時、3歳、飢えや喉の渇きに良く耐えたと思う。私は今、水の仕事に携わっているが、何か被爆時のDNAが、水を求めていて、水の仕事は天職とも感じてもいる。

 菅氏が休養中、経済と環境に、待ったなしの局面が世界中に広がっている。経済面では円高が進み。環境面はロシアの干ばつ、中国、パキスタンを襲った洪水、土砂崩れ災害、連日報道されている。マスコミは、84円に達した円高に大騒ぎだが、多分、来年には、75円代の円高になると思う。円高が、日本経済を低迷するかのように騒がれているが、円高でも円安でも日本企業の競争力は落ちている。日本の輸出産業が影響を受けるが、日本全体の14%に過ぎない。日本は、「資源が少ない国」で、原材料の多くは輸入品だ。円高をうまく活用すれば、チャンスになる。円安に慣れた企業は苦しいが、円高は体質を変えるチャンスでもある。円安でトヨタの車が売れても、原材料となる鉄鉱石は、“倍の額”になる。原油も1バーレル200ドルになると買えなくなるので、国家戦略としての政策が伴えば、円高を利用して、新しい展開が開けると思うが、休息していては手が打てない。私は、100%“円高”を意識して、会社経営をしているので、円安でも、円高でも生き残れる準備として、常に、日本・中国・アメリカの3つの国から部品を買って装置を開発している。為替レートに右往左往するより、ニーズにあった製品を開発することが、一番重要だと思っている。

 お医者さんから、200万円の開発費が振り込まれ軟水器を開発した。滅多に開発費を受け取らないが、今の時代、開発には大きな資金がいる。営業で知り合った方も、私と組んで販売したいので、200万円を投資すると言って来ている。本気でこの装置の代理店を買えばメリットはあるはずだ。装置の開発はさほど難しい話ではないが、量が少ないと製作費がかかる。ハウジングの容器を100台購入すると容器だけで、400万円はする。加えて樹脂もまとまった量でないと買えない。10万円の装置を100台量産すると、最低1000万円の資金がいる。100台の量は製造会社では少量で話にならない量だが、それでも、最低、1000万円はかかる。売れるのか売れないのか分からない製品に資金をかけるのだから、リスクがある。何事も、買う力が無くなった日本社会で、新規の事業を軌道に乗せるのは至難の業だ。投資をする人を増やしリスクを分散する以外にない。つくばの家と新浦安に取り付けて、体験活動を始めている。この肌に優しい水を作れる浄水器は、魅力的な製品になると信じている。再生には、食品用のNacI『塩』を使いカナダのミネラルソルトは「ミネラルプラス水・ボディケア」の製品として使う予定でいる。

 来年の4月以降は購入した家と土地が売却出来る期限になる。この資金を使って、金型に投資をする。金型が完成すると初の量産体制になる。金型で容器のカバーが製造出来れば、多分、日本で一番安い製品として、販売が見込める。

 蔵王でミネラル水の工場を建設しているが、保険所の指示で、膜の性能試験を行った。テストと称して、腸球菌を100万個以上膜フィルターに通し、通過水を検査して、膜の穴径を調べる。0.2ミクロンとされた菌だが、自然界には存在しない菌らしい。この菌を大量にホースに流し込んで効果を確認するテストで、初の試みらしい。例え、水に1万個の菌がいても、目には見えないが、大きめのフラスコの中には、菌の色で“まっ茶色”に染まった液体を流してテストをする。非現実的な過酷な条件で、テストをする意味に正当性が感じられないが、とにかく対応した。日本は政治家がだらしなく、官僚の天下国家と言われるが、官僚の統制力は新参企業には制約が多過ぎる。規制で監視を強化すると、若い企業は伸びない。特に、先例がないと厳しく規制して、新たに認めることはない。

 ネパールからの写真が転送されて来た。写真には、当社の製作した浄水器が、現地の病院に寄付された様子が写っていた。贈答式典では、日本政府の大使が映っていた。ネパールには今年中に、新しい浄水器を送る計画があって、商業ベースでの話も来ている。次は、“UF膜+RO膜+手動式ポンプ”と、前述した「ミネラルプラス水・ボディケア浄水器」を考えている。

 大分の建設会社の社長からもミャンマーからの写真が送って来た。海外で、当社の浄水器が使われていて、本当に嬉しい。「喜んでいただければ」と遊び心で送った浄水器が、現地で立派に使われ、私の会社も、随分国際的になったものだと思っている。少し前に、この社長の友人の会社にホームクリーンを売りたいと提案があって断ったが、工事、メンテナンスを担当すると言うので、業務用のタイプを販売した。

 8月1日の日曜日、この暑さの中、蔵王まで3人乗りのトラックで出かけた。片道300Kmを越え、往復650Kmの道のりを、狭い車内で走り無事終えた。思ったより元気だ。少し暑さが和らいだら遠出をしたいので、体を慣らしている。

 神谷養鶏場から卵のトレーを洗う為に、超音波洗浄装置の開発を頼まれた。この洗浄機に還元水で殺菌が出来る装置にする。以前、膜を洗浄するのに超音波の洗浄機を開発し、少し知見がある。振動素子を112個も備えた縦85cm×横150cm×深さ85cmの大型の洗浄機になる。この仕事も防菌の洗浄用に伸びると見ている。

 メキシコ湾の原油流出事故で、190万〜360万バーレルの原油が流出し、甚大な環境破壊を起こした。アメリカは、経済も悪いし、環境も軍事も行き詰まりアメリカが沈む可能性もある。軍事費は70兆円に迫る金額で、金食い虫の軍事国家だ。日本は同盟関係にあるので、たかられると思う。原油が流失した海域は、万を越える数のパイプが海底深く掘り下げて油を吸引している。アメリカのエネルギーの動脈だ。膨大な数のパイプが海底にあって、テロが狙うと防ぎようがない。

 17日、18日と多摩美術大学のオープンキャンパスで、「浄水実験」と災害用の浄水器を紹介し水の話をさせて貰った。7月は煽てられてイベント屋になった積もりで多くの学生達と交流した。
インドの市場調査の報告を届きが、家庭用のRO装置と紫外線装置が安い。将来、インドから仕入れる案も考えている。海外の今後は処理量2、3トンのRO装置を日本で開発すると案外、売れると見て市場調査の動向を見ている。