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■ アジア版・浄水装置の薦め2010/05/09 (Sun)

 改良を重ねて、ハイブリッド機能を備えた、新しい浄水器が完成した。昨年、カンボジアに一号機を持参したが、反応がなかったので、改造を重ねて来た。アジア地区では、水の汚染がひどく、各国から相談が寄せられて、気合いを入れて仕上げた。インドでは、排水規制が厳しくなり、大規模な排水浄化の相談に見え、工場にプールを造ったり、排水用のダイレクト膜の装置を製作して見せたが、日本の仲介会社が資金不足で進まなかった。
 
 メーカーの立場から言えば、ユーザーに喜ばれるのであれば、お金は後回しでもよいと言う気持ちもある。本当はPRしなくても口コミで自然に売れるような装置にしたいと思うが、中々うまくは行かない。頼まれる度に、馬鹿正直に装置を開発し、無駄の連続だが、私の信念で開発を続けている。

 デモ機として、カンボジア・ベトナム・インドネシア・ネパール等に輸出をしたが、具体化したのは、ネパールだけだった。下館RCからの援助として、小学校に3台納入した浄水装置が、一番喜ばれた。ネパールのカトマンズ大学に水の技術を教示して欲しいと依頼を受けたり、代理店希望の方が当社に見えることが決まったりと、思わぬ拡がりを見せている。下館RCは、ネパールのRCとの交流が、今年で50年になると聞く。5月23日には、下館で50周年記念式典が行われるが、この長い信頼関係に、当社の装置の“信用”が重なり、話が膨らんだと思う。ネパールに供与した浄水器は、取り分けて優れた技術を組み込んだわけではなかったが、日常起きる停電を考えて、手動で操作が出来る装置を基本にした。高度なろ過装置をつくるより、現地価格に合った装置を供給する方が喜ばれることを、体感して学べた。今後“安全な水”をつくるには、UF膜とイオン交換樹脂と小型のRO膜がそろえば、おおよそ解決出来るので、基本に忠実に、考えて行きたい。

 数年前から、「ホームクリーン」という、日本で一番の浄水機を販売することを生き甲斐にして来た。購入した顧客から喜ばれて実積を上げ、3月の決算では、新記録を達成した。しかし、売上げが増える分、運転資金も必要になるので、運営の全てを見直している。地下水の環境は水質を含めて年々悪くなり、安心した水を提供するための設備部品が増え、コストが上昇して来た。このまま顧客の評価を当てにして売り続けると、当社と顧客の双方に負担が増えると考えだした。
 
 日本の10年後は、「高齢化と貧困」が拡大し、地方の生活は益々苦しくなる。その世の中で、優れた浄水器を開発しても、コストが高くては買えない。つくばも今は、研究所が多くて、公務員も多く住んで、不況とは無縁の街だが、研究所から目立った成果が見られない現状を見て、10年後は恐らく過疎の街に成り下がると見ている。私も、厳しい原点に立ち返り、例え売上げが大幅に減っても、庶民が買える価格の膜とイオン交換樹脂を組み合わせた、“シンプルかつ、安価な装置”を提案する。ホームクリーン装置にROを組み込んで、圧力タンクに貯蔵する形で、山梨の食品会社に納入した。予想以上に上手く仕上がった。この食品会社は、湧き水を利用しているが、冬になると融雪剤として、塩化カルシウムが大量に散布されて、川の水が一時的に汚染される。汚染水をろ過するには、大型のRO装置か、イオン交換樹脂が必要になるが、金額も高く、ランニングコストもかさむので、小型のROを4基連結して、新RO装置とした。

 先月の17日、横浜の「夢工房だいあん」のイベント会場でPRした。汚れを分離する様子を、墨汁を使って見せ、膜の威力を知ってもらった。墨汁は膜の中に貯めて置くと詰まるので、同時に汚れを放出する“クロスフロー方式”を実演してみせた。「UF膜」は、限界ろ過膜という“超ろ過膜技術”のことで、血中の毒素を分離する透析治療用としても使われている。この膜の特徴も、“クロスフロー方式”で、濾過された血液は体内に戻し、毒素は捨てる仕組みになっている。その特性を活かし、UF膜と小型のRO装置に、手押しのポンプを備え、電気が使えなくとも、RO水とUF膜水が自在に選択出来る構造にしてある。RO膜を使えば98%の不純物は除去出来、“安心・安全の水”を飲料できる。海外では、ヒ素やアルコールで汚染された地下水を飲んで、社会問題になっている。この装置なら、ヒ素や化学物質まで除去するので、高水準な装置になった。アジアで売れる製品を開発するには、イオンレベルでの浄化が求められて、この地域に見合ったイオン交換樹脂の価格でないと売れない。条件は、「安く、濁度・イオン除去が可能で、安全な装置」だ。現地で支持されれば、量が売れるので、部品代に近い価格でも採算に乗る。
 
 次に、電源に12V/20AHのリチウムイオン電池を組み込んだ。蓄電すれば、世界中で使える。リチウムイオン電池は、軽量で寿命も長くブランド力もある。今回の新装置の価格は、おおよそ30〜35万円を考えている。水源は川・池・プール水・雨水と幅広く使える。UF膜とイオン交換樹脂を組み合わせたシンプルな装置も販売する。特に美容院等、軟水を好まれる客層にあった装置にもなる。日本での販売も、通信販売できる方式にして、特に九州や北海道など、遠距離のお客さんが買える価格設定にするため、コストを大幅に下げた。私自身もビジネスの関心は、アジアにあって動向を注視している。日本の国内は、“商品価値”より、安売りに群がり、デフレを加速させて衰退の一途だ。

 ホテルに、新しい大型のRO膜を使って見たが、性能は高いと言う。大型のRO装置は、今後、需要も出てくるので、4本購入した。業務用の話は少し動いている。

 今回開発した、2機種の装置は、インドを拠点に製造・販売が出来る装置にしたいので、販売する予定でいる。今回の話は「現地生産」を考えての話なので、実現性は高い。

 5月2日は、福島県で「アースデイ郡山」という環境のイベントに『SHOKAN design』の大塚氏の紹介で参加した。当日は、「手動式膜浄水器とリチウムイオン電池」を展示した。展示と言っても、道路に直接置いて、性能をアピールするという草の根の展示活動だ。私はイベントで消費者の反応をみたいし、新しい製品に、生命力があるかを、路上ライブからヒット曲が生まれることもあるので、同じ気持ちで、路上にたった。私たちは常に、企業ニーズの枠の中で、開発をしているが、日本の経済が低迷している今は、この概念でものづくりをしても、ヒットは生まれにくい。私は、路上に装置を置いて、行き交う人の空気を汲んでその評価を聞くことにしている。朝7時につくばを出発し、郡山で説明に立ち、22時過ぎに帰宅したが、15時間も働けた自分自身に、何か自信めいたものを感じた。この調子で、世界を視野に、ビジネスの輪を広げられると確信した。環境のイベントは、お金儲けは難しいが、環境の仕事に特化して行くしかないと思うので、今後も誘われたら取り組むつもりだ。

 日本国内では、世論調査が政治を動かしている。支持率が下るとマスコミは獲物を狙って襲いかかり、政権を追い詰め生き血を吸う。政治も右往左往して、二枚舌、詭弁、言い訳が優先し、誠意の片鱗すら見えない。この非生産的な活動の繰り返しは、国民を愚弄している。政治に期待した国民の気持ちはしぼみ、絶望感がこの国を覆っている。1000兆円に迫る借金も恐怖だが、よく1000兆円もの借金を積み重ねたと、過去の政権にも呆れ果てる思いだ。これで、「未来に希望を持て」言われても無理だし、これからの日本は、貧乏生活が普通になるだろう。私は、独自の力で、世界に通用する開発に成果をあげれば、沈む泥舟から脱することも出来る。貧乏を恐れるより、新製品の開発に力を注ぐ事が、“生き残る道”だと信じている。

 以前、蔵王でミネラルウォーターのビジネスを考える方から、装置の相談があり、ボトリングの会社をつくりたいと正式な電話があった。時間3トンで250万円の装置を予定している。

 印旛に装置を納めた方から、硝酸性窒素と、一般細菌が2000個出たと、苦情の電話があった。硝酸性窒素は、小型のRO装置を使うか、樹脂を使う方法で除去する方法しかない。一般細菌は、還元水で殺菌すれば大丈夫だと返事をした。UF膜は超精密で、菌類は膜の穴は通らないが、空気中には常時、数万個の菌が浮遊している。検査用に水を採取する時は、蛇口をライターの火で炙るなど、菌が混入しない取り方で再度検査することを薦めた。
 
 つくばのショールームを10月末に閉鎖する。家賃を一年間割引する等、引止めの条件提示もあって躊躇して来たが、工場に集約すると、年間400万円が捻出できる。当社の“仕分け作業”で、この資金を新しい投資に当てる。