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■ 創造的ビジネスの模索2009/11/18 (Wed)

 日本では、市橋容疑者関連の報道が過熱している。もし被害者が、アジアの女性だったら、これほどの騒ぎになっていたかと考えてしまう。少し前は酒井法子の覚せい剤使用の話題で持ちきりになって、最近は介護の大学に通う日常を克明に報じている。この光景は明らかな差別だし、狂乱騒ぎが増長して正直マスコミは怖い。憶測だが、報道に関わる人間は、有名大学を卒業した優秀な人材だと思うが、この報道姿勢を見ていると到底、社会をリードするべき人材の集まりとは思えない。このような報道は“魔女狩り”に近いし、そればかりに全精力をつぎ込む姿勢は理解し兼ねる。国が疲弊し、企業も衰退し、税金も枯渇して、どんどん崩壊へ向かっている。この現状を憂いて、問題提起を行う生き方を対局的に報道する指針を示さないと、マスメディアの資格はない。週刊誌並みの視点で、ただ単に情報を垂れ流す様子はマスコミの自殺行為だ。彼等の騒ぎぶりを見ていていると、この国の将来は100%危ない。

 四月以来、上海を再び訪れた。私は、日本は“中国”と、“互角”に付き合っていける国として存在出来るのか?あるいは、“属国”になるしか生き残れないのか?ということが、常に頭から離れない。報道からは、全く危機感が感じられないが、日本はもはや一流の国の地位にはない。この厳しい認識に立たないと全てが誤った判断になってしまう。中国の経済成長がここ3ヶ月で16%の伸びを見せ、順調な回復ぶりを報じていたが、上海の街を歩いた印象では、少し景気は停滞ぎみに見えた。50兆円の大型補正を組んで、金融危機を乗り切ったが、人々に以前のような覇気が見えなかった。それと、小さな話だが、上海の歩道の路面は悪すぎる。私のような障害者には安心しては歩けないし、世界第2位の経済大国になる国であれば、細かい配慮と意気込みがほしい。

 今回の訪問の目的は、「太陽光発電」で、将来の仕事につながるか否かの調査と、直接、発電装置を購入して原価を調べたいと思って尋ねた。話のネタに、「上海リニアモーターカー」にも乗車したが、数分で時速300Kmに達した。外から見ると、危険な気がして乗りたくなかったが、近くで見ると新幹線より安上がりに仕上げてあって、少しガタツク感じがしたが、思ったより安定していた。運賃も一人400円ほどで馬鹿安い。日本では、こんな値段では乗れないと思うが、中国がこの価格を保っていることには感心する。仮に、日本でリニアを走らせるなら、羽田からアクアラインを経由して、成田と結ぶと面白いと思う。アクアラインには、鉄道を通す予備スペースがあるし、5兆円ほどあれば実現できる。JR東海が、東京と名古屋をリニアモーターカーで結ぶ計画がある。名古屋にはトヨタがあるので、ニーズがあると思われているが、完成時期にはトヨタは多分、名古屋にはいないと思う。麻生政権時代に定額給付金として2兆円もバラ撒いたが、同じお金を使うのであれば、小口でチマチマ使わず、大胆に、「無いお金を生かす形」で使って欲しいと思う。例えば、東京圏を拡大し、経済を拡大して、例え地方との格差が増しても、富みを集中させて日本を再構築しないと、日本の屋台骨自体が崩れてしまう。上海のリニアは、8分ほどで市内へ到着したが、相変わらず上海の空気は最悪だ。霧なのかスモッグなのか、とにかく息苦しい。私は昔、八幡の製鉄会社に勤めていたが、工場から煙が立ち並び、公害さながらの酷い状態だった。当時は、“7色の虹”として煙を称えていたことを思い出すが、経済が好調だと、環境が劣悪になる。こんな酷い環境下で生活するくらいなら、お金も高級車も、億ションもいらない。香港では10億円のマンションが売れている。7000万円を越す投資をすると、香港での“永住権”が貰えるので、投資が加速しているが、購入者の多くは、環境と自由を熱望してのことだ。中国と競えるのは環境と自由が “鍵”になる。日本の場合は、経済が低迷して人の心も淀んでいるが、空気は澄んでいるし、安心した食事を食べられるし、医療技術も高いことなどの“安全・安心”を売りにすれば、日本も捨てた国ではないと思う。関東地区でお金を稼いで、地方は観光と農業、福祉と医療で稼ぐ目に見える国づくりをすると希望が持てると思う。

 太陽光の会社を訪問したが、工場は簡素で、創業して2年ほどの会社だった。年商は既に20億円あると言う。通訳には、つくばの研究所の博士が就いてくれたので、厳しい“攻めの交渉”が出来た。中国人は一にお金、二にお金だ。いつも、交渉決裂の寸前まで粘るが妥協している。この仕事を考えると10社ほど集まって共同仕入れの組織を作らないと難しい。単独の力では勝てないことが分かった。この会社は、オーストラリア・フランス・インドに輸出をしているし、すぐに手の届かない存在の会社になるだろう。この会社と日本の会社が互角に競合出来るとは到底、思えない。私も当初は、「(有)アールエイチプリンスビラ」で、太陽光発電の仕事を始める予定でいたが、NPOで、ボランティア感覚で行うことにした。「安全な水を考える会」の名称も、「水と太陽の会」に改め、理事の変更を行い、実務者を広く募集したいと考えている。
 この仕事の鍵はバッテリーとインバーターだ。日本では100アンペア容量のバッテリーしか手に入らないが、今回200アンペアの大容量のバッテリーを購入した。日本でも販売出来る契約とし、西安の会社を介して間接的に契約を完了した。今回の中国出張は、命がけでスリル満点だった。土曜日の午後に透析を受け、日曜日には上海に入り、月曜日は一日工場見学、購入交渉を行って、火曜日の早朝に成田へ戻って、そのまま病院へ直行という強行日程だ。飛行機が遅れたりすれば“アウト”だが、何をやってもリスクはあるし、大仕事がまとまると、気が高揚して元気になる。既に“障害者”としての生き方には腹も座っているので、体が朽ちるまで、働き続ける決意で、楽しくやっている。日ごろ、体調を整える配慮はしている。

 提携関係にある岐阜の会社が、当社の膜浄水器を使って、「油と水の分離実験」をしてくれた。本来膜は、油と水を分離させる目的で開発された素材だし、コンプレッサーの廃油を処理するのに、どれほど分離できるかを調べた。見事に3000ppmある水を分離し、5ppm以下になったが、分離した膜を放置しておくと詰まるので、逆洗装置を組み合わせた装置も考える必要がある。産廃の廃油を分離出来れば、仕事になる。開発が進むと問題も出て来るので、共同で開発し、製品化を急ぐことにしている。事業は、常に“成功と失敗”が同居しているが、一番大切なのは「開発する意欲」だ。製品を輸入して、販売するだけでは、ただの商いだが、輸入品を素材と考えて日本人の知恵を吹き込んで、全く新しい機能に生まれ変わらせる訓練と習慣性が生まれれば、希望が広がる。今回“初”の行動だが、この一歩の価値は大きい。

 カンボジアが注目されだした。日本もこの地域に6000億円を拠出するが、中国は2兆円を出すらしい。この地域向けに、小型の“手動式膜浄水器”を開発した。カンボジアは、プノンペン以外は通電されていない地域が多く、電動式の浄水器は使えないので、相談されて造った。今回は川本ポンプ製の手動ポンプを使い、簡単に移動出来る仕様にしたが、膜は、分画分子量8〜15万の超ハイレベルなUFだ。国内でも、災害用では類例のない性能なので、この装置を1台、タイ・カンボジアへ持参して、水野がPR活動をする予定でいる。
現地調査を12月7日〜10日に行う。結果次第だが「合弁」か「単独」か、どちらで会社を興すのかを決めたい。ASEANが統合する前に、現地で法人化を進めておいた方が、将来性があるので、少しのリスクと費用が必要になるが、要検討事項だと思っている。

 オバマ大統領が来日して首脳会談を行った。日本もアメリカも影が薄く、落日の友が、疎遠な心を秘めて会談を行った印象を受けた。確かに、民主党政権に変わったことでの変化は見てとれるが、鳩山首相の声は軽すぎて、期待が持てない。育ちの良い人には、厳しい日本の指導は向かないと思う。税金の無駄を洗い出すと言って“仕分け作業”を始めて見たが、財源不足は深刻だ。儲けを生み出す施策を講じないと、削るだけでは埒があかない。これも当然の話だが、厳しい実態が明らかになるにつれ、いたるところで問題が噴出し、収拾がつかない。国民の多くは、日本は世界第2位の経済大国だと信じて、浮き草の夢の中で平和ボケした生活を送って来たが、いよいよ“ツケ”が回って来て底が抜けだした。この状態では若者は、国への失望感は更に膨れ上がる。前政権の怠慢さに怒りさえ覚えるが、日本人の自覚も薄い。“日本国民の個人の預貯金残高は1500兆円を越す”や、“日本のタンス預金の総額30兆円を上回る”と推定されていた話も、全てが疑わしい。貧困状態が目につき過ぎる。戦後の焼け野が原から、奇跡的な復興を果たした日本だが、今の状態は昭和20年代の状況に近いと思う。全ての業種・インフラ・人的資源が老齢化して「賞味期限が切れた」状態も気になる。

 NHKで、東京の幹線道路で、連続して陥没事故が起きていると報じられていた。要因は、60年代に埋設した下水道のコンクリートの配管が朽ち落ちた影響だと言う。国土交通省が橋梁の劣化が進み、危険な橋の実情が全国的に広がっていると発表した。橋梁のほとんどは60年代に造られていて、一斉に劣化が進んでいる。資金もなく、わずかにいた技術者もいなくなって、診断できる人間が常に不足していると聞く。急速に温暖化が進み、海面水位が上昇すると、堤防の老化と共に、高さも不十分で、更に危険だと言われている。日本中に張り巡らせた農業用の灌漑設備も、コンクリート補修を怠っているため、漏れが激しいらしい。この状態では、食料も手に入りにくくなる。この国は多分、何が起きても次ぎ剥ぎで済ませ、先送りを繰り返し、その間にあった技術開拓のチャンスを失っているのに、空騒ぎで時間を稼ぐ国民性に成り下がっている。

 世界と仕事をしている人間は、気づき始めていると思うが、中国の台頭が激しくなって、通貨が大変な事態になっている。結論して言えば、日本円が使えない状態になっている。中国は特に、円とドルを避ける傾向が顕著になって、中国元での支払いを求めている。今回、200本ほど小型の膜の仕入れをしたが、元での支払いを要求された。近い将来、“元預金”がないと、ビジネスは難しくなる恐れがある。

 石川県や秋田県から、私に会いに来られて、業務用の装置を注文された。これらの案件は、現地に出向いて決める予定でいる。12月の終わりには太陽発電を工場に備えて実用テストを開始する。私は井戸ポンプを稼動できる400Wクラスの装置を開発したいと思っている。政府は太陽光発電の普及を期待しているようだが、この仕事に関わる業者は儲からないと思う。私が調べた日本のコストでは、工夫をしないと生き残れない。

 私の周辺は次から次に仕事が増えて来る。11月も順調に推移した。12月は海外調査、太陽光発電とホームクリーン装置を今年の終わりの分として供給したいので、気を引き締めている。