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■ 負けずに意識改革2009/09/21 (Mon)

 8月は、超純水装置の受注で1000万の売上げがあった。今月は900万円の支払いがある。大金が動くので、経理はハラハラドキドキだ。小さな会社でも、扱う金額が増えてきた為「油断は禁物」で、気持ちを引き締めている。

 16日、台東区の災害用浄水器『急げ!非常時くん』が、本審査に合格した。私たちは“ターゲット”が決まれば、何とかこなせる自信はあるが、少し心配していた。しかし、水野は一つ一つを解決して、“水質50項目クリア”という結果を出してくれた。

 鎌倉女子大に証明書発行機の筐体を納入した。次いで東大に納入する。この仕事もサービスで始めたプロジェクトだが、軌道に乗り出して仕事になりつつある。10月からは後半戦だが、いつもこのあたりで息切れしてしまう。今年は息切れに酔いつつも、来年を見据えて次の開発を急ぎ、世界に通用する基盤の整備を進めている。売上げが増えると支払いも増えるが、その結果、仕事が関係会社に広がって、当社の信用につながる。私たちが支払う小さな資金でも、他人が潤うことになるので、少しだけ力が備わった感じがしている。

 数ヶ月前から、1階の広いテナントスペースを借りる交渉を重ねて来た。私が提示した賃料は安かったので一蹴されたが、ここに来て地価が下落し、賃料も下がりだした。それでも店舗の借り手は未だみつからないらしく、相手から借りて欲しいと頼まれている。つくばにも不況が迫って来て、賃貸価格は軒並み下がり続けている。彼らはまだ気がついてはいないと思うが、東京並みの賃貸料をとる“つくば価格”を見直さないと、世間から見捨てられてしまう。ここは都会ではないし、身の丈にあった生き方を選択しないと一層厳しくなる。ここ数年は「経営者の苦しみが続く、見直しの時代」だ。常に自己を鼓舞して、現状と情報を正確に認識して新しい道を開拓して生きて成果を出し続けないと“行く先”は破滅が待っている。

 フィリピンから、知り合いの紹介で客が尋ねてきた。膜を生かした“雨水利用”の相談に来たのだ。東南アジアの状況を聞くと、日本と同様に景気は悪いようだ。現地の日本法人も仕事が激減して大変な様子で、新しいテーマが欲しいらしい。この方の本職は「廃水処理」で、聞くと大型のメッキ槽も安く作れるらしく、ダイレクト膜に関して新しい装置の開発も出来るし、新たな展開が開けそうな予感がした。ダイレクト膜・大型平膜を売る際に、フィリピン現地での組立・装置化も考えているが、販売を考えるとパートナーを探す必要がある。以前から東南アジア向けの輸出の拠点を考えていたので、候補の一つになる。打ち合わせを終えて、現地から早速メールが届いた。現地のPVCの工場の写真と、製品のサンプル写真が届いた。見ると想像以上の規模で、当社とは釣り合わない感じもあるが、組めば新しい展開が開けるし、価値は高い。加えて、ダイレクト膜を2体、見本としての注文が来たので予想以上に進みそうだ。条件が整えば、今後の交通整理のために訪ねてみたい。フィリピンには何度か行ったことがあるので、楽しみにしている。

 T電力の担当者が、生物処理を得意とする会社の担当者を連れて、ダイレクト膜を見に来た。生物処理と当社の技術を組み合わせると新しい仕事になる。提携はコストが重要なポイントになるので、忍耐がないと難しいが、“生物処理と膜”は以前から調べていた分野なので結論は早い。

 つくばの手作りハムの会社から業務用の浄水器の相談に見えた。水量は家庭用の規模らしく予算は100万円を希望された。業務用で100万円の予算は厳しいが、依頼主側に余裕が生まれれば検討を始めてみる。カエルの養殖業の方から浄水器の注文があったが、この客も売上げが無いと聞くので、販売は避けて、テスト機を無料で貸すことにした。養豚、羊、鶏と当社の販路が広がりだした。

 全国にチェーン展開している地元の飲食店向けに、浄水器導入の問い合わせが来ている。今、勢いのある○○○ハウスが、当社の装置を“指名”したらしい。食の安全基準も厳しくなり、水の相談が増えているが、100万円ぐらいで台東区並の装置をつくるように指示をした。北海道の商談も食品関係で、時間4トンクラスになるので、士別の農場に納めた設備を見て貰うことにしている。 

 先日、このしずお農場が、NHKの「たべもの一直線」という番組で取り上げられた。懸命に町興しする牧羊経営者としての姿勢が描かれていたが、当社の大型膜浄水装置が、この力になれていたら嬉しい。この農場の羊用に、6インチのUF膜4本を使用したプラント装置と、大型のイオン交換装置を組み合わせた装置だ。これで時間12トンの水を軟水へと浄化できる。レストラン用には、10インチの大型膜を2本使用した大型装置を納めている。レストランとはいえ、ここの設備には大型のスペックだが、今後、この膜システムが“期待の装置”になると思うので、現地の技術習得と展示を兼ねて特別に配備した。

 あまり知られてはいないが、日本各地の地下水・井戸水が、飲料に適さない“汚染された水”になっている。町興しを考えている地域に、“きれいな水”を生み出す、大型の浄水プラントが役立つ時がくると思うので、大型膜を推奨した。日本において、「水事業はビジネスになりにくい」という風潮は転換され始め、今後は有望な産業に成り得ると思う。

 「つくば発の膜文化」をタイトルに平膜のカタログを作りたいと思っている。良質な水は文化の象徴だし、生活感を表現した写真集にしたい。今までは、ありきたりなパンフレットの作成に資金を回す気にはなれなかったので、宣伝と営業活動は自粛し、インターネットに特化してきた。今回は“膜アルバム”の形で、膜に興味を持ってもらう機会になると思うので、制作することにした。身近に感じてもらうことで、宣伝効果があがる形にしたい。昔は展示会・新聞・テレビを中心に宣伝活動をして来たが、経済の低迷、マスコミ力の低下で効果は薄く、ここ3年ほどは避けている。ホームページ上が最良の宣伝手段だが、通販とは違い、営業の中心は、「買いたいお客とは直接会うこと」だ。ショールームで実物を見て貰い、意見交換をして、販売の可否を決めている。“商い”という観点から見ればスピード感はないが、今は順調に進んでいる。水は生活の要であり、欠かせないもので、意思の疎通が必要になるので、極力会う姿勢でいる。

 岡崎の方から、色度55の井戸水処理の相談があった。難しい水質なので、当社の装置を直接見て貰ってから説明しないと理解されないので、つくばに来ることを薦めた。愛知県からだと大変なので、もし、購入された場合は交通費を装置代から引くという提案をしたら、「家族6人で見たい」と言ってきた。往復6名分は無理なので、3名分ならと話をしたが、水のことを真剣に考える姿勢に答えたい。家族で見に来られるという提案は嬉しい。他のお客さんも、最初は旦那さんが見えて、次は家族を連れてくる、というパターンが多い。高額な買い物であることもあるが、「水」が、家族の生活において重要なのを再確認した。「水を扱う」という使命を自覚して仕事の幅を広げている。当社の仕事は家族を基礎にした商いだし、装置を売ると生涯つながるので、“家族の理解”を促す行為を大事にしたいと思う。

 先日、東京ビックサイトの「洗浄展」を見に出かけたが、出展された商品の価格は揃って高く、レベルは低かった。出展社数も半減していたし、時代に合わない装置ばかりだった。日本では、水の技術は衰退して、ここ10年程進歩が見られない。平幕を使う装置も登場していたが、装置の価格は、200万円以上する。UF膜を排水処理に使う会社もまばらに見られたが、システム導入には2000万円以上かかるとのことだった。当社の新製品「ダイレクト膜」のカタログを見せると、価格にも形式にも、驚いていた。  
 超音波洗浄装置も多く展示されていたが、ほとんどは100〜200万円はする。私が開発しているクラスは、せいぜい50万円くらいだ。いくら技術が高いと謳ったところで、“高価格の製品”というだけで腰が引けて敬遠される。日本も、早くこのことに気づいて、高コスト体質から抜け出さないと、“技術大国”は名ばかりで、技術低下の言い訳に過ぎなくなる。今、世界で一番力のある経済大国は「中国」だ。その中国の平均年収は、一般労働者で10万円以下、単純労働者は1〜2万円の世界だ。この賃金の価格帯が、東南アジアの生活水準でもある。日本でも1500万人の労働者の賃金が、年収200万円以下の時代だ。たかが洗浄機で100〜200万円の装置を造っても売れるわけがない。和歌山に、浄水機器を販売している会社がある。大量に買う力があるのか、ほとんどの製品は“低価格”だ。その場の担当者も、私の営業日誌を読んでいて、顔見知りになったが、彼に聞くと、安くしても販売量は落ちているらしい。今は安くても売れないし、方向性が間違っても売れない。私なりにこの会社の商品を見たが、売るのに難しい方向の商品を揃えていた。少し前には、当社のライバルになると注目していたが、今は少し、足踏み状態に見えた。安く売るまともな会社が存続しないと、水の知識のない会社が、金に任せて市場に参入する事態を招くので、この会社の健全な発展を願っている。

 岐阜の代理店の方が、本業で今期1000万円ほど利益があがったので、100万円ほど投資をしたいと言ってきた。100万円で何ができるかを考えているが、一つは「膜に投資をする案」と、「西安とフィリピンに生産基地を構える案に参加させるか」を考えている。

 民主が政権をとって予想以上のスピードで滑りだした。無理をして成果を焦っている面もあるが、つまずいても全力で走って欲しい。内容を見るとダム工事を総点検する案は普通の話だが、従来の認識では唐突に見える。これまでは当たりさわりのない仕事が日本流だったから、本当にダム工事が凍結できるのかと懐疑的に見てしまうが、それよりも、55年間も続けられた、“のろまな仕事ぶり”を情けなく思った。55年間経って、未だに完成しない公共工事の在り方こそ、寄生・依頼心の病根の表れだし、これを絶つ方が意味のあることだ。気に喰わなければ訴訟なり、政権交代なりをすれば良いだけのことで、自民の尻拭いをする政策をとる必要はない。天下り禁止の論議も盛んだ。是非はともかく、大いに変革してほしい。

 私は、常に“数年後”を考えて全ての結論を出しているが、幸いなことに若手が大きく伸びた。水野の、仕事の進め方となる「工程管理」も、目を見張る成長を遂げている。後半は、6インチ膜の在庫を使い、ホームクリーン装置の高級仕様や、中型装置にも力をいれたい。我慢して夢を見る若者がいれば、来年は1名採用して、上田をリーダーとして育てたい。私も先が短いので、水野と一緒にアジアのマーケットを開くために、この一年を使い、準備活動を始めたいと思っている。