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■ プライベート水道局のススメ2009/07/26 (Sun)

 私は、この不況を乗り切るために苦心しているが、「1%以下の市場を狙って」いるので、周りと比較すると、さほど好不況の影響は少ない業種だ。日本のGDPは約500兆円と言われているが、その1%以下でも、相当大きなマーケットになるし、たった1%の市場でも、ほとんどの方が、井戸水が使えないので、困って相談に来られて決まるケースが多い。企業として売上げを確保するのに色々策が求められるが、根本はサービスだと思っている。現在、ホームクリーン装置の販売を始めてから約100所帯を超える家庭に納入出来た。今後の日本では、右肩上がりの経済成長は期待出来ないので、若い人にあったビジネスモデルを考えている。“新しい顧客の獲得”は、ビジネスには欠かせない仕事だが、今使ってもらっているお客とのコミュニケーションを基礎にして、相互に新しい利益を生み出すシステムを考えている。

 我々のモットーは、連絡があると直ぐに、顧客の家を訪れてメンテナンスを行うことだ。この機動性を評価され、すごく喜んで迎えて貰らえる。この水の仕事は、普通のビジネスとは一味違った、お客さんとの“一体感”がある職種で、いざという時の対応も大切な営業になる。年に数回ある産業界向けの超純水装置の製造販売も、1台1000万円近い売上げになる。その点、ホームクリーンの売上金額は小さくとも、飲料水は、日々欠かせないし、我々もその一部を担うので、一体感が生まれるのだと思う。ホームクリーン装置を世に出して、概ね好評で推移している。7月19日那須塩原に納入した後、このようなメールを頂いた。
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 先日は大変お世話になりました。工事後の電話までいただきありがとう御座いました。設置後の夜、お風呂に入って水の質が変わったのがはっきりわかりました。家族全員が水の違いを感じてビックリしました。長年悩み続けた不安な水から解放され安全な水で生活できると思うと本当にありがたいことです。川手会長をはじめ社員のみなさま本当にありがとう御座いました。
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 数年前にもこの近所に一台納入していたので、様子を見て貰ったがこちらも順調らしい。耐久性があって喜ばれる装置を造り、それが売れ、長年に渡って感謝されて使われることは本当に嬉しい。この嬉しい気持ちを元にしたビジネスモデルを作り上げたいと考えている。

 昨年の9月、アメリカのリーマンブラザーズが破綻した直後に麻生内閣が発足して、早いもので、一年が経ち、やっと解散を迎える。その間、連続的に補正予算を打ち出して、景気の底支えをしてきたが、自発的な形での“企業体力”はついていない。企業経営には、創造性と独創性が伴わないと、難しい時代になりだした。お金だけでは成功しないし、創造性というのは、“グリーンフィールドに命を育てる”行為で、運もないと、新しい仕事の芽は生まれない。つまり、“人間の知恵と優しさ”が、新時代のビジネスには欠かせない。私は、補正予算は点滴治療のようなものと捉えている。点滴のみで生き延びても、人間本来の体力を奪う結果になり、死は早く訪れる。
 
 日本国の1000兆円に迫る借金は、60年間積み重ねた負の遺産だ。日本人は、イノベーションに優れているとか、技術大国だとか言われてきたが、実はその国力は借金で築かれ、案外内容は脆いように思う。世の中で、景気のいい企業を見ても、そのほとんどが、低価格路線で生き残っている。価値に見合った金額で経済が回わることが本来の道理で、薄利で資金を回すやり方も点滴に依存した経営だと言える。日々消耗するような経営のやり方では、若い人達が希望をもって働くことなど到底できないと思う。私は小さくとも人の知恵と優しさが活かされる職場でありたいと思っている。

 「井戸水浄化」とネットで検索すると、ヤフーや、グーグルでも登場するが、まだ認知度が低い。HP上で「営業日誌」と称し、会社の情報公開をしているが、2003年6月から続けているので、読者が増えて、ちょっとした宣伝効果が生まれている。私がたくさんのお客と会った感触では、装置について、「砂濾過と比べて膜は優れている」といくら詳しく説明しても、購入者は理解しにくい。それより、私達が働く様子を赤裸々に書いて、読むことで会社の方針を身近に感じて購入して貰う方が、お互いに安心だ。零細企業が生き延びるには、「顧客からの支持を得ること」が一番大事なことなので、経営への姿勢を定期的に書く努力をしている。時々、工場を見学に来られる方がいて、小さくて粗末な工場だが、“本当のものづくりの姿をみられた”と喜ばれる。同時に、装置の備蓄の様子を見て、個人企業でこれだけの仕事が出来ることに驚嘆される。日本の社会ではものづくりが衰退して、直に見る機会が少なくなっているが、“ものづくり”が廃れると日本の未来はないと思っているので、どんな形でも、若者にものづくりの精神を伝、希望者には、今後も彼等の働く様子を見てもらいたいと思っている。

 私は今まで、お客と「必ず一度会ってから」成約する形にして来た。今回、ショールームを閉める方針で全般を見直している。閉めた後も顧客とコミュニケーション不足にならないように、新たなツールを考えている。その一つにホームクリーン装置を購入して頂いた顧客に協力を仰いで、ホームクリーン装置設置の看板を置かせて頂く。その近くから問い合わせがあった場合、導入を考える人に装置を見せて貰うというネットワーク網を、顧客協賛の上、つくりたい。この看板にコード番号を記載して、問い合わせが成約すると、お礼をする仕組も考えている。当社と顧客の方々とは、装置の利用を止めない限りはずっと付き合っていくことになるので、例え小さな利益でも、得られる仕組を考えている。つくば・柏・松戸・船橋・印旛の有志に声をかけたが、皆好意的で、概ね反応が良かった。この参加方式のビジネスモデルを推進したい。参加者の数が増えて、各地で“井戸水浄化ネットワーク”の看板が広がることを目指している。

 最近、二つの問い合わせがあった。一つは姫路の病院のRO装置の案件だ。保健所と事前の打ち合わせをしたらしく、私にRO膜の仕様と材質のデータの提示と、水道法の合格した膜の証明を求められたらしい。当社は、純水装置のメーカーで、ROの膜やポンプ、配管材料を購入して、装置を組み立てる仕事だ。今更、RO膜の材質分析票を頼まれても、それは膜メーカーが担当する事で、純水装置の純度を調べるのなら協力もできるが、○○協会の指定がないと保健所が認可しないと言う意見には承服が出来ない。こういう問題は日本においてよくある話で、天下り組織の団体に許認可権を与えて、採用の成否を決めることが良くある。政権が変わるような時代に、古い習慣や規制に守られた構図より、純技術的に検討を進めないと、新しい技術の登場が大幅に遅れることになる。私が正式に頼まれた仕事であれば、直接交渉するが、全てが打診の中の話なので、様子を見ている。
 
 もう一つの件は、南房総で、井戸を掘ったが、ガスが噴出して、全く飲料に適さない水が出て井戸水の使用を断念したらしい。そこで、山中の湧き水を麓まで引いて使おうとしたが、雨が降ると濁って飲めない水になるので、何とかして欲しいと懇願されている。
 
 本来、“規制”とか“法律”は、人を守るためのものだ。行政による「○○協会指定」では無く、当社のような水のプロに、「飲めない水を飲める水にせよ」と命令するのが本来の趣旨で、自分たちの縄張り争いのために規制を強めたり、拡大解釈をしたりするやり方は、時代に合わない。10年前の阪神淡路大震災の時も、自衛隊が膜の浄水器を持参したが、使う間際になって、「膜濾過は認定を受けていない」として、役人が飲料水として使うことを認めなかった。前述した話と重複するが、このような“誤った判断”が、確実に日本の発展を遅らせている。製造過程のノウハウ、特許等の秘密事項は今でも公開しないのが原則である。保健所の意見を直接聞いてはいないので、詳しくは分からないが、膜の材質の分析等の開示がないと許認可を与えないという話は暴論に等しい。  
 
 話は変わるが、“再生医療技術”も一時注目されて期待が高まったが、この認定手続きも、膨大な作業が伴って、開発も事業化も大幅に遅れているらしい。役人の規制が強いほど許認可は遅れる。日本がもっと貧しくなって、役人達も喰えなくなれば、馬鹿な規制がゆるくなり企業も健全性が増すと思う。つまりは、「一旦貧しい生活に立ち戻らなければ、日本の再生はありえない」ということだ。

 予告解散が決まり暑さが激しい8月決戦が決まったが、誰しも自らのことになると素早く動くようだ。自民が勝つことを望む国民は少ないが、長すぎた政権が嫌で自民の政治家を見たくもないのが、国民感情にある。民度の意識改革をなさないと、多分、同じ古顔の人が当選して、変化が起きない。庶民の生活が厳しくなり、生活感覚の外れた政党は淘汰されないと未来に希望が見えなくなる。腹の座った日本の未来を考える政策を打ちだすことを期待している。

 台東区の災害用の移動式装置の入札が終わり、3台を8月上旬に納入する。同じく超純水装置は7月末、大学向け自動証明書発行機の筐体納入も9月と何とか決まって7・8・9月は忙しい。この不況下に仕事の問い合わせも増えて有難いが、売上げより経費を抑える仕事をしたい。

 平成8年に、「21世紀を生きる福祉事業の計画」を当時の厚生省に財団を通じて提案した。提案の趣旨は、無公害飲料水の拠点、『フレッシュウォーターステーション・完全有機農法モデルプラント計画』だった。フレッシュウォーターステーションの構想はホームクリーン装置に進化して、地域に遅々としたスピードだが、広まりだした。
 
 水道水には残留塩素、井戸水にも、化学物質が含まれて危険だと言われている。しかし、日本全体を見ると、50万所帯の人が、井戸水に頼る生活を送っていて、これらの人に安心して水を飲めるビジネスを提案し、実施してきた。私が手がけた仕事の一つに、スーパーに置いてある水の自販機がそれだ。今では、日本全国にこのシステムが普及しているが、このウォーターステーションの構想から出発した。ホームクリーン装置は、単に飲料水に限らず家全体を浄化して、どこの蛇口をひねっても安全な水を提供できるシステムだ。技術的には、高度な膜処理を採用して、化学物質・及びガス等を分解して、イオン化した汚染物もイオン交換の技術を使って安全な飲料水を作る装置を提供している。
 
 現在の水道浄水技術は、水源地から消費者の蛇口まで運ぶ工程だけを見ても、塩素殺菌を施しているだけで、なんら特別な工夫はされていない。都会の水道を例に見ても、ダムで取水された水を沈殿ろ過法という生物処理されて配管で供給されているが、一旦、ビルの上に設けられた貯水タンクに貯めた水を使う仕組になっている。膜濾過がこれほど進歩した現在なら、浄水場の設備をシンプル化して、貯水タンクの「前と後」に、膜濾過装置をつけたほうが、遥かに安全な装置が造れる。私たちは、このシステムの実証を兼ねて台東区に2万人分の飲料水を提供するシステムを、既に実施している。今年もより小型の移動式膜装置を開発して、提供することになった。大規模なダムとか、広大な浄水場はほとんど必要のない、近代的な飲料水確保の考え方が広まることを願って、ホームクリーン装置の普及に力を入れている。この台東区仕様の装置を全国的に普及することが出来れば、先ほど述べたウォーターステーション計画と合致する。

 ホームクリーン装置を、お医者・薬剤師の方・大学の教授等、多くの方が使っておられる。100万円ほどで数件分の水をろ過出来るシステムが完成したし、今後の期待の仕事になると思う。こういう仕事が、1%であっても、若い人たちのビジネスモデルになると思う。台東区の装置が1千万円として、全国に500ヶ所置くと、500億円かかる計算になる。飲料水にして一台で1日/2万人が飲める。日本全体に500箇所作れば1000万人が飲める設備が完成する。従来の水道設備の建設・維持にどれほど多くの資金が使われているのかが、全国的に問題になっているが、ここに技術を活かすべきだと提案したい。私が進める看板作戦はプライベート水道局の一歩にしたいと願っている。身近なテーマに水を掲げて新たなビジネスモデルを提案して行きたい。