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■ 膜投資を完了する2009/07/11 (Sat)

 つくばのショールームを、周知が完了次第閉鎖し、現工場に集約する方針でいる。賃料のコストを、知人宅と畑の購入資金に回し、3年分割で支払いをする交渉がまとまった。今後の水ビジネスを考えると、家を買う意味合いは不明だが、景気が悪いと言って騒いでいても仕方がないと思う。本当は社会が地盤沈下しており、常識が変わる“過渡期”にある予感もする。今は、膜に絞って投資をしているが、つくばも不況なのか、“テナント募集”や“売り物件”が目立ちだした。元々“つくば”は政府がつくった、大学と研究者の特殊な街で、不況にも比較的安定した土地柄だった。現在も補正予算で一部潤ってはいるが、この街でさえ将来は苦しくなると思う。来年度の国の予算は、税収入が借金額を下回る破滅予算になり、国が衰退すれば、研究機関も影響を受ける。
 
 私は、最新仕様の限外濾過膜フィルターを、時間1.5、2、3、4トン処理と、各サイズをサンプル購入し揃えることができた。私が知る限り、一番“高性能”で高い商品でもある。平膜(MBR)の分離膜も、揃い、培って来た技術力を吹き込み新しい装置を開発する。分離膜をサイズ毎にシリーズ製品にし、数年後は世界でもまれな小さな分離膜専門の会社になる準備をしている。私は、何時も不思議な予感で生き延びている。多くの優秀な人材と水のプロジェクトを立ち上げたが、一様に、水ビジネスを悲観してやめて行った。私が水の仕事を捨てなかったのは他に伸びる仕事が見つからなかったからで、何時も、目の前の問題をクリアするだけで他のことを考える余裕がなかった。大して苦労も努力もしなかったが、“長く続けた”結果、世界一の膜メーカーと取引し、その大会社を凌ぐ性能の装置を開発出来る自負さえ備わった。ここまで来ると、巨大な膜メーカーの信用力をテコに大きく広がる可能性もある。超純水装置も水野のお陰で少し、レベルは上がりだした。商品も揃って十分整いだしたと思う。 

 久々に社員と映画に出かけた。映画は「剣岳 点の記」で、映像が実に綺麗に撮られていた。失明すると言われて10年間たったが、少し、見えて感動した。毎日忙しく働いているので、休息を兼ねて見に出かけたが、字幕は読めなくても、映像は集中すると少しは見える。目が疲れるが“凝視”の訓練になり、少しは気が晴れた。日本医大の教授宅にホームクリーン装置を販売したが、これが縁で、眼の大手術を受けることが出来た。半年後の検診で、眼圧も正常値に収まり、正直、医師も私も驚く結果だった。もし、水の仕事で関係がなければ手術は受けられなかったと感謝している。
浄水装置を注文された内科の医師からも、「目にもいいし、長生きも出来る」と漢方薬を薦められた。服用すると、大幅に睡眠が改善され、視界も明るくなった。このことも映画を見に行く動機になった。「漢方と水」は、健康のキーポイントになると思う。この医師が、漢方と水を売りに、新しいクリニックを開く予定でいるので、RO装置を製作している。サウナの装置もモニターとして提供し遠赤の効果も調べたい。不況でも健康関係は伸びると思うので、水野に頼んで1トンクラスの軟水器つきRO装置の開発を頼んでいる。
 
 7月末には関係者にMBR装置、病院向けRO装置、災害用の膜装置、新分離膜を見て貰う。7月中旬から半導体会社向けの、超純水装置の製作に入る。15日は現地を見に出かける。つくば近郊のロータリークラブからネパールの学校に浄水器を3台、寄付する計画があるらしい。私は、災害用に開発中の「二重膜ろ過装置」をベースに仕様を考えている。
 
 「つくば1号」を、納入したが、好評だ。7月2日、船橋の方に仮納入した。雨の中の納入は大変だったが、本当に頑張ってくれていて、頭が下がる思いだ。那須塩原の方は家族で見え、成約し、製作に入った。那須では2機目になる。軟水器の取り付け二次工事で、つくば・袖ヶ浦・印旛に納入を完了した。7月〜9月の3ヶ月間は大学向けの新自動証明書発行機の筐体8台、災害用3台、超純水装置1台、ゆばの料亭の話が予定され年間の山場を迎える。時間6トンのRO装置の依頼が姫路から来ているが、実現は難しい。
前半の3ヶ月が終わり、月平均の売り上げは300万円ほどで、全体で20%ほど落ちている。私の体調次第だが、新浦安に週3日常住し、休息を取りながら営業の幅も水道水に広げたい。暑くなるし、不況だし、極力穏やかに体力維持を図ってスローライフで進めたい。

 水野と上田は超純水装置と膜分離活性汚泥法(MBR)を開発する。待ったなしの大仕事で、この仕事は簡単ではないが、彼等は十分こなせる。慌てずに技術を習得してノウハウをものにしてほしい。この業界はクボタが先行しているが、中国では各地で急速に普及している。私は時間3.5トン規模から始めようと考えている。新着する、「家庭用の軟水器」・「小型の浄水装置」を展示して、お客が見られる準備も始める。超純水装置を、年間5台ほど売りたい。スケールの大きな目標を立てないと面白さに欠ける。去年から今年にかけ、娘を入れて3名社員を増員したが、期待以上で驚いている。先が見えない時代に、拡大すると不安もあるが、若手の成長は凄いパワーになる。来年も一人増やす予定でいる。私の終局は一人一社制という分社化だ。皆が一人前になって飛び立てる日まで頑張りたい。

 「会社が儲かっているか?」と良く聞かれる。日本の名だたる会社が揃って赤字だし、私はこの質問に衝撃を感じて、“お金儲け”というものを見つめ直した。「儲かっているのか?」と、「生き延びることができるのか?」が、同じ土俵にある。“100年に一度の不況”と言われて、日本の制度疲労がこの言葉で誤魔化されているが、現実はすごいスピードで低落し、現状は深刻である。政治全体が液状化現象を起こし、官僚支配が進み、下克上が蔓延して、地方経済は衰退している。中央と地方の勢力がぶつかる異常事態になりつつある。総選挙でより政治の空洞化が始まるし、10月以降、混乱に拍車がかかって、大変なことになるが、変化は素直に受けたいと思っている。昨年の9月にリーマンブラザーズが崩壊し、日本政府は蚊に刺されたと甘く見ていたが、私は、ここ1年は絶望的だと思って、1千万円の緊急融資を受け、対策を練ってきた。

 今月の給与を渡す際、会社の売上げ・経費等、全てを公開し説明した。私は損益を年間通じて見ているので、私なりに綿密に計算しているが、他人から見れば、丼勘定に見えて不安なるのだろう。“儲かること”は素晴らしい事だが、私の一番の理想は、「潰れないこと」だ。一流の膜商品を扱って、井戸水が安心して飲める装置を開発し、規模は小さくとも地域社会に貢献する、自由な会社作りを目指している。私は、会社は儲ける必要性はないし、儲かった場合は社員に還元する方針でいる。新入社員が入る前は水野と開発主体の企業として育ってきた。貧乏ながら、幅広く仕事をこなしてきた。お金が儲かると、海外に出かけて、知識を広げたり、海外の会社と交流を持ったり、それなりに自分らしく過ごしてきた。何れこの国は、中国にもインドにもロシアにも追い抜かれてしまう。世界第何位という馬鹿げた順位で競う国より、日本人の特性を生かした国になる方が素晴らしい生き方になると思う。お金儲けをする人は、特殊な才能の持ち主だと思う。極論すれば、悪いことをする人か、運の強い人、親の財産を引き継いでいる人ぐらいだと思う。私の取引先にも、お金持ちの人が多くいる。日本の消費者金融では唯一のオーナー経営者で、そのお宅に数回招かれたが、家にはシェルターが備えられて、警備が厳重だった。強盗などから狙われる事件が何度も起きているので、見ていて、お金持ちが幸せだとはとても思えなかった。つくばでも、今回土地を買うために広大な土地を持つ地主にお会いした。税金をいかに払うかで悩んでおられた。お金持ちになるより、一生好きな仕事を続けられる方が幸せだと私は思っている。

 この不況の中、少しでも工夫は出来るはずだと思い、全てを見直して2割のコストダウンを指示した。私も見直しを行い、「ショールームの閉鎖」を提案した。車も1300ccの小型に乗り換え、装置製造においても“2割削減”を合言葉に動き出した。しかし、私は、節約することによって会社が飛躍するとは到底思えない。開発の種とか、新しい技術を開発するための節約でなければ、全く意味が無いので、開発投資には可能な限り力を注ぐ積もりでいる。

 麻生首相は恐らく退陣に追い込まれるだろう。結局彼は、経営者にも、政治家にもなれなかったと思う。ATMのように税金を使って、補正を組んだだけの人だ。税金を使って景気を挙げても、いずれ「借りた金」は返さなければならない。仕事という形で利益を生む、創造の政策が求められているのに、アイディアが無さ過ぎる。金をバラ撒いても一事的で、麻薬の効果しかない。民主が勝っても同じことだが、自民には一度野党になって、国民の気持ちとの乖離を感じ、埋めて欲しい。しかし何より、「新しい仕事の創設に力を入れること」を、政策として政府に頼るのではなくて、国民が主体となって取り組まないと、この国は持たないと危惧している。