戻る
■ 3月危機を乗り越えて2009/03/14 (Sat)

 「3月危機」と言われているが、浮き草の如き我が社の経営は、不況の風に乗って飛び跳ねている。超純水装置の注文書が届いた。過去に何台も購入して頂いた顧客からだ。景気の悪い今日、喜ばれる価格を提示して成約した。今後、環境問題から、洗浄の世界は薬品を使いにくくなる。その為に、超純水装置が再び注目を浴びると思っている。本来一番請けたい仕事は、技術のトップクラスにある超純水装置の受注で、自慢の仕事での成約なので、本心から嬉しい。超純水装置は日本でも数社しか製造できない技術だ。我々は少し先を見て、超純水装置と超音波の組み合わせも、次の課題として開発を急いでいる。排水処理と水のリサイクルにも取り組み、平膜フイルターの導入も決めた。平膜の表面積は216uだ。実際は自動販売機くらいの大きさだが、坪面積で72坪の広さのフイルターを使うのと同じサイズで、大規模な装置になる。これと大型膜と組み合わせた装置の開発に着手するが、技術が蓄積すると大きな力になる。一台は完成品を購入して、後は、当社のコストで製作して世に出す契約で進めている。不況が進むと水のリサイクルの話も増えてくる。この世界に入ると大手企業と競合する事も多々あるが、頭を使って何とか乗り切りたい。

 小沢氏の公設秘書が逮捕され、連日この話で持ちきりだが、私はこの件を見て初めから動きがおかしいと感じている。特捜の情報がどんどんマスコミの関係者に流れ、政権交代のムードを吹き飛ばした。世論にも違和感があるのか、政治から関心が離れだした。この話が明るみに出て献金に群がる議員のケチな話だけが注目され、スケールが小さい話を見聞する度に日本の貧弱さが認識され悲しくなる。「国策捜査では」との憶測も呼んでいるが、特捜が動く捜査は国策に決まっている。捜査はバランスを欠いていて不愉快だし、情報をマスコミにリンクさせて、世論の反応を見ての捜査が目立ち、怒りを覚える。経済が崩壊し、国民の期待は“政権交代”で、80%まで世論が高まっていた。検察が動いた瞬間にこの風潮は吹き飛ばされ、麻生降ろしの動きも沈静化した。何か不思議だ。警察の元長官が事務方のトップに就任したのも不可解な人事だった。特捜が政敵を倒す為にザル法を使い、裁判にかけることなくリンク情報で抹殺するやり方も“筋書き通り”に見える。損得勘定から見ても採算にも合わない話だ。特捜は以前も、村上ファンド、堀江モンを一気に叩き潰し、特捜は国家なりと存在感を世に示した。法の番人の立場での傍若無人な振る舞いは何よりも避けなければ恐ろしい社会になる。経済危機で企業の体力が低下している今、西松建設は献金を繰り返すことで仕事を得て来たと思うが、起訴は難しい。日本全体で、仕事量が減り、献金が重荷になって「献金切り」をするために、事件を表面化させた気配が濃厚で、内部告発だと思う。政治家は常に「政治には金がかかる」「献金は民主主義のコスト」だと言って企業に群がって来たが、今の政治家の力量では投資をする気にはならない。政治家は“献金”と言い無償の金だと思っているが、企業は“投資”として献金をしている。経済が疲弊し、企業に余裕が無くなると政治と金の問題も自然淘汰される。今、企業側が献金に疲れ、口利き政治の無力さにうんざりして政治家離れも加速している。特捜が権力を行使して悪を退治しても小銭で採算に合わない。むしろ、ロシアのプーチンの様な強大な権力機構が国を動かす “国家資本主義”を目指す勢力が台頭している気配の方が怖い。

 昨年の10〜12月のGDPが年率にして−12.7%になった。今年の1〜3月は−20%近くまで低下すると言われ、戦後最大の経済危機に直面している。韓国の浄水器メーカーに電話で様子を聞いたが、やはり日本向けの会社は景気が悪いらしい。しかし、中国のメーカーは以前と変わらず忙しいと言う。私は井戸水を生活に使う小さなマーケットで生きているので、不況でも忙しい。韓国のメーカーに日本へ来るように薦めた。韓国は日本より景気が悪く、通貨が下落して、日本からの観光客が殺到している。「水の浄化とリサイクル」を考えているので、日本で仕事の規模を大きくするより、材料を供与し韓国で製造する事を考えている。2年前につくばの工場にプールを造り、膜排水装置の実験準備を始めたが、韓国は技術力も高いので、海外向けの生産基地として考えている。零細企業を経営すると厳しい事も多いが、面白い。規模が小さいので、動きも軽いし、海外との関係も考慮して色々な策を練ってスピード豊かに行動が出来る。開発力では大手企業には負けたくないし、経験は我々の方が優れていると思うので、海外と情報交換して常に新しい事に挑戦している。今後も、開発状況を逐次「営業日詩」で報告して、我々の生き様を載せて、情報公開に努力して行くつもりでいる。

 中国に麻紀と麻衣子を出張させたが、彼女らも少し視野が広がりだした。我々の財産は若者だ。明日を開くための育成に努力はしているが、自然に育っている。日本と中国は共存すべき関係国だし、対立する時も、競争する時もあると思うが、日本が成長し民意力を高めて行けば、共存は可能だと思って交流を重ねている。今後も「中国」に投資を続けて行く予定だ。私は常に自立を唱えて教育しているが、生活は切詰めても、人間開発に力を入れて難局を乗り切れる体力を備えるよう我慢の精神を伝えている。我慢力があれば何とかなるし、方向は定まっているので、忍耐を前面に掲げて前に進んで行きたい。

 S神社の形態は6インチ大型膜を5本で時間6トンの処理を考えている。多摩の福祉施設は10インチの大型膜を使う予定でいる。Sアドバンスの超純水装置の1台は4月末に納入が決まった。もう一台の案件は多分6月ごろを予定している。D聖寺は6インチ膜の4本セットを予定している。友人のパン工場の話もあって忙しい。

 大学向けの「自動証明書発行機」も新しい展開が見えそうだ。各大学に納めているが、この発行機を端末の中継機にして新しいシステムの仕事も出始めている。この不況下でこそ広がる仕事で、全国的に波及すると期待している。ものづくり、システムの開発の仕事もグループで請けられるので、今後も仕事は伸びると思う。

 私達のマイクロバブル装置の開発の様子を見て、産総研の研究者が超音波技術の導入を薦めてきた。私は新日鉄での研究所生活が長かったので超音波の検査器は少しの見識があった。後は、メガネを洗う小型の洗浄器か心臓の動きを見るエコー装置しか見た事がなかった。以前も記載したが、この友人が非接触型の可視化装置を開発した。目で見えない傷を動画で表示出来る装置だ。原理は日本人の研究者が開発し、システム・装置の開発を中国の友人が受け持っている。将来、装置はもっとコンパクトに改良し検査器の常識を変えると思う。JALで一時期整備を担当し広報室長を務められた方に装置を見て貰ったが、凄い装置だと賞賛された。私も、UF膜の洗浄を超音波で行う計画を立て、産総研のドクターに超音波の装置で、膜洗浄機を作りたいので、中国のトップメーカーと交渉して共同開発をスタートさせ、完成した。麻衣子に超音波の勉強と、この業界に参入する準備の為に担当させたいと思っている。超音波の洗浄機で、UF膜、MF膜、EDIの洗浄が出来れば市場は広がると思う。EDIの超純水装置は自社でも作れるし、超音波洗浄機と組み合わせると新しい洗浄装置が完成する。還元水と組み合わせると強力な殺菌洗浄装置にもなる。日本の超音波の担当者に装置の設計を依頼したが、大型膜を入れる槽を超音波で攪拌するには数十個の発信機が必要になり数百万円の価格になるらしい。膜に果たして効果が有るのかは分からないが、私はこれも勉強だと思いトライしている。

 私は今の不況の元凶は技術の貧困と衰退だと見ている。投機ビジネスが主体になり、物づくりが衰退しだした。アメリカでは実体経済は14%と低く、そのほとんどは金融ビジネスで繁栄を続けて来たが、賭博に近い金融システムが崩壊し、新しい政権は、自然エネルギーに投資をして国の再生を目指しているが、実体経済が崩壊した国に投資をしても成果は生れないと思う。太陽光パネルで日本の家屋を発電しても数%しか発電出来ないのが現実で、国が補助金を出しても新しい産業にはなりにくい。私は、大型膜の浄水プラント、ホームクリーン浄水機、超音波浄水機等を開発して来たが、全てが実体経済そのものだ。

 3月は、2009年度を迎える助走期間。2月は体調を整えてボロボロの体を修復した。半年間職業訓練を引き受けた若者が4月から当社で働く意向である。4月から新しい年にもなるし、若者が育つと逞しく見えて羨ましい。