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■ 「2009・年が明けて」2009/01/05 (Mon)

 新年、明けましておめでとうございます。元旦は、誰しも新しい門出に立った気持ちが湧いてきて、すがすがしい思いがします。

 1月2・3日とメンテナンスで、眼を手術して戴いた印旛村のお宅を訪れた。硬度180の非常に厳しい水質状況だったが、約1年経って設備点検を行ったが、活性炭フィルターを交換するだけで済み、正常な動きだった。

 昨年末に、伝説のマグロ漁師が20年ぶりに復活するドキュメンタリーをみて、マグロとの戦いに挑む姿勢に見入ってしまった。寺本さんといって、生涯に250匹以上もの巨大マグロを吊り上げた記録の持主で、漁法・漁具など様々な操業方法を残して、20年前に引退した。その伝説の彼から教えを受けたい若い漁師から再乗船を懇願され、一旦断ったが、再び魚場に戻るまでの経過が見事に描かれていた。200キロのマグロを吊り上げるには体力もいる。引退し足腰も弱り、心臓のバイパス手術による負担も心配だった。若者に頼まれると昔の血が騒いで断りつつも、裏では医師に相談して決断していた。現役時代の仲間も集まり、20年ぶりのマグロ漁へ繰り出す話だった。その後、水野に電話をかけた。水野が自社製のマイクロバブル装置の開発に試行錯誤していたので、その様子を聞きたかった。彼は私と同様、他社より安く製作したかった。このマイクロバブルの技術は色々な方法があって理論は分かっている。誰でも造れる技術なのに、なぜか、べらぼうに高い。独自で開発してプライスリーダーにならないと生きられないので「何とか独自色の製品をつくりたい」と思っていた。電話で状態を尋ねたが、「五分五分だ」といって電話を切った。その後、私が病院に行く途中、士別の農場の技術担当者から、雪水の利用は難しいと言って来た。しかし常務もマイクロバブルには興味を持っているらしいと報告の電話があった。水の仕事は大きなビジネスになるが、一般の人には中々理解が出来ないし、見えにくい。設備が整っていれば、原料は無料だし、ろ過すれば雪も商品になる。これからのビジネスは、自然をいかに活用して商品化を図るかだと考えている。病院から帰ると、麻衣子が独自のマイクロバブル装置の実験が成功したと言って映像を見せてくれた。現場で装置をみたが、第一段階としてはいい成果を上げていた。

 私の会社は働いている人間の意気込みが強い。自分の立場や持ち場で、自発的に動いている。私がマイクロバブルの仕事に力を入れているのは、お風呂のお湯を革命的に改質できれば、“ビッグプロジェクト”に成ると信じているからだ。何度も言うが、私と水野の狙いは、他社がやれない価格で販売出来る装置が欲しい。マイクロバブル発生装置をインターネットで調べると、平均40万円位する。それに炭酸ガスや酸素を溶解できるレベルになると70万円を超える。業者として買う価格でも、100台単位で25万円以上するし、業務用になると300万円以上もする。これでは、手が届かない。
 私は20年前から“マイクロクラスター水”を扱っていた。磁気を帯びた水のことを総称してそう呼んでいたが、“ウィラード水”も腐らない水だ。両方とも「水の細胞が極めて小さいこと」が主眼の製品で、その頃から“クラスター水”という名前が評判になっていた。浸透力に富み、化粧水などにも使われていたが、アメリカでこのような特殊な水を扱っている人々の多くは、昔、賑わせた“バブルスター”の装置を販売したことのある人が多かった。このバブルスター装置は巨額の金を集めて、歴史上から姿を消したが、今も印象深く覚えている人も多い。彼らも「お風呂の湯を革命的に変える」というニーズに取り組み、日本からハワイ・ロスへと国を越えて大流行させた。ハワイの中野さんからは「バブルスターを超えた、湯の水質を革命的に変える装置が出来れば、大きなビジネスになる。」と開発を頼まれたこともあった。名古屋で万博が開かれた際、淡水魚と海水魚が同じ水槽で回遊する姿をプレゼンテーションして、世界中を驚かせた。10%の塩水をマイクロバブルで閉じ込めることで、新しい水質になることを証明した。この技術はつくばの産総研・日本中の大学の研究所も絡んで鋭意研究されているが、簡単な構造であるにも関わらず、コストが下がらない。私たちは理論の特徴をシンプルな形で実現することに努め、安くならないと意味が無いと思って開発している。第一に<価格>、第二に<メンテナンスが簡単>その条件だけを念頭に置いている。

 1日、北海道士別のしずお農場に新年の挨拶で電話をかけた。ここのオーナーは80歳、風邪が長引いてここ1ヶ月間体調が優れないらしい。伝説のマグロ漁師である寺本さんと生き方がそっくりで、いまだに現役で働き、若い人達に多くの教訓を与えている。現役バリバリの伝説の人である。水野と北海道の若い技術者に連絡を入れて、マイクロバブルのテスト機でもいいから、早急に装置を製作して北海道に送るよう頼んだ。我々は学者でもないし、研究所とは根本的に考え方が違う。我々の目的は、あくまでもお客さんのための研究・装置の開発であって、学術的な探求は学者に任せて、勘と従来の経験で進めている。炭酸泉が血液を活性化させ、いかに疲れを取る湯になるかを、私は何度も体験しているので、一日も早くオーナーの疲れた体を休ませたいと思っている。この「他人を喜ばせたい気概」が、新しい商品を生み出す力だと思う。マグロ漁師が引退して20年経っても、マグロを吊り上げる一瞬の衝撃を忘れないのと同様、何十年もマイクロバブルを追求して来た者にしか分からない感触がある。やっと、入り口を探り当てた感じがした。私も20年間、この為の研究・開発費、会社を維持する為に、大型膜のプラントの仕事、家全体の水を浄化する日本初の装置も開発して来たが、「お風呂の湯を革命的に変えること」も重要な仕事だと思っている。原ヘルス工業のバブルスターがお風呂の湯に空気を注いで一世を風靡し広く普及したが、今見れば、技術的なレベルは低かった。その後、ジェットバスが登場したが、マイクロバブルの技術が普及しだすと “技術に裏づけされた、お風呂の湯の革命”が起きる。私はこれをビジネスとして大々的に売るのではなく、知り合いを通じて、口コミで密かに売りたい。

 昔、水の自販機を日本で始めて開発した。だが当時は厚生省の認可が得られなかった。私と保健所と何度も交渉して、妥協案として料理水として黙認することで合意した。その合意と同時に大手企業が参入して大競争になった。その教訓もあって、優れた商品は密かにうることにしている。顧客である神谷養鶏場のオーナーから、鳥インフルエンザが流行する予兆があるので、マイクロバブルの製品化を急ぐ様要請されている。マイクロバブルの試作品を神谷養鶏場、樋口家、士別に付けたいと思う。自社開発した成果を、参考までに映像で見て欲しい。

 昨年は100年に一度の不況に見舞われて、新年を緊迫して迎えているが、天気も良く平穏だ。政府は経済対策を急ぐと言って内実は何もしなかった。金を貸し付ける保証の形で「中小企業支援」としているが、危機を煽って銀行の余った預金を貸すやり方にしか見えない。保証協会の保証料も0.8%もする。中小企業支援の保証料としては高過ぎるし、本当に救済しいたいのであれば、金利0%の時代だし、利子を負担して、貸すのが筋だと思う。実際は使われないお金を廻すために、わざと深刻な不況感を出している一面も垣間見える。中小企業は借金を望んでいない。存続する仕事が欲しいのが本音で、物が売れる社会になること・喜んで買う人が増える安心の社会になることが望みだ。今のように買う人がいない時代にお金を高く貸し付けるのは、サラ金業と同じで、中小、零細企業の救済には当たらない。
 アメリカでは、物をつくって売るという実体経済の比率が14%で、後の86%は投資などの金融経済で生きないと3億人は食べていけない国だ。実体経済を立ち直らせても、70%近い経済の空白が縮小されて、再起への道は厳しい。エコ、エネルギーと選挙で叫んでも金にはならない。アメリカの経済が長期間低迷するとドル安になって、世界的に大混乱になるので、また新しい知恵を出して、まやかしの経済学が登場し、新しいバブル経済が起きる。経済が行き詰まると何でもありの選択肢も浮上する。これからは、非常に危うい時代の波が連続して押し寄せて来ると思う。

 私も大型の商談話が昨年の9月以降、次々と計画が流れた。だが、そのお陰で、マイクロバブルの開発に関心が深まった。小資本でビッグプロジェクトにしたい。大きな商談が増えだすと、誰しもお金に弱くなり、地味に開発する仕事は忘れがちになる。当社は小さいので、大きな話が来ると嬉しいが、続くと不安にもなる。心はバブル状態になって返って危険な思いをする。不況は緊張感を呼ぶので耐えられると力がつく。
私の執念、水野の努力、ひたすらに取り組んで来た長い積み重ねが今年は実りそうだ。次のマイクロバブルの応用は、「食品・飲料水」を狙っている。そして次は「福祉」、その次は「膜の洗浄」だ。雨水の浄化も水野がプールでMF膜を使ってテストして、濁っていた水が随分澄んできた。S川神社の池の浄化が、予算の都合で保留状態だが、我々は技術の裏付けの為にテストは続けている。

 マスコミは派遣切りだと大騒ぎして不安特需を狙っているが、つくばは不気味な程、静かだ。しかし、確実に不動産価格は下落している。おそらく4月末くらいには、10万人以上の人が職を失う事態になるだろう。そうなると影響が深刻化するが、困るのは大手企業だ。ガリバー企業のトヨタが、1500億円の赤字を予想してリストラを始めたが、まだ黒字だし、内部保留の金額も膨大だ。輸出企業の内部保留の資金が100兆円を越すと言われる。お金があっても、リストラを始めないと株式市場からの資金調達に差し障りがあるらしい。まだ、グローバル経済の崩壊が見えないらしい。物づくりでお金を稼ぐより、株価を押し上げて資金を集める甘味を知った以上、リストラで評判を落としてでも金を集めの道を選んだと思うが、世界一のトヨタも、このままでは国民から見放される運命になる。

 日本も、日本の特性にあった次の主役になる会社をつくりださないと、持久戦になり消耗してしまう。企業の実力が問われる年になるが、私は、力がないので、小さくまとまったまま行く。市場はローカルな仕事を選んで、井戸水の市場に力を入れる。この市場には、参入する大手企業もKポンプ、H立等、数社で、競争するメーカーの数も少なく、何とかなる。しかし、今のご時勢、購買力が乏しくなっているし、この先、何が起きるか分からないので、慎重になっている。

 「井戸水のろ過技術」は、大手企業でもここ10年間全く進歩がない世界だった。エコキュートが普及し、井戸水でもオール電化を希望される人が増え、当社の装置を求める機運が増え始めた。私達は半導体で使う装置を井戸水の浄化に取り入れて商品したので、プロ仕様の性能で評判が高い。膜ろ過装置だが、汎用品ではないので「独占製品」に育ちだした。井戸水、家庭、田舎に絞ったビジネスで、井戸水は、土地によって水質が異なるので難しい仕事だが、いずれ注目を浴びるマーケットになると思っている。小さな動きだが、商社、中部電力、九州電力から調査の動きがある。中には出版社からも参入の動きがあって、驚く。
 私は今年のキーポイントに低価格、健康を掲げている。そして「プライスリーダー」になりたいと思っている。自由に価格を決められるし、ビジネスをリードすることが出来る。プライスリーダーならないと、今年は正直苦しいと思う。このまま不況が深刻になると、超純水装置も動きそうな気がする。品質管理を厳しくて、独自性を強めて販売に繋げたい。早急に、老人ホームに予算200万円以内で依頼された装置について資料を作成し、貸し出して評価を受けたいと思う。また、5日、15日に半導体の会社とお寺でも大型装置の打ち合わせを行う予定だ。

 オバマ大統領が就任する1月20日、アメリカは盛り上がるだろう。私は、その時の為替が気になる。彼の政策に世界が注目されているが、彼は不運だと思う。課題が多く期待も大き過ぎて解決の枠を超えている。1月はあっと言う間に過ぎて行くが、一日一日を大切に過ごしたいと願っている。