戻る
◆ 口コミ営業の強み2008/09/26 (Fri)

 銀行には150兆円もの金が余っている。日本の実体経済が衰退して借り手がいない。金の行き場がなくなり、アメリカの証券会社に資本参加する。資金が枯渇して、危険な会社に貯まった資金を流すのだ。その為に多くの資産を失う結果になる可能性が高い。ハイリスクな投資だ。アメリカの金融崩壊で不況感が増大し、この状態だと黒字でも倒産が増える。やがて、輸出も頭打ちになり、日本の経済力も低下する。野村證券や銀行は、日本の資金で破産状態の証券会社を買う。専門家に、安い買い物だと言う人もいるが古い手法だ。

 9月19日に地元の銀行担当者が挨拶にきた。つくばでも貸す相手がいないらしい。茨城県全体で、一行に12兆円余りの預貯金の残りがある。半分の6兆円は企業に融資し、残りの6兆円は貸す目処がない。その中の2兆円で国債や外債、自社ビル建設や職員の給与に使っている。その資金は全て預金者の資金だ。当然リーマンブラザーズの証券も購入しているし、地方の銀行ほど損失が出る。日本法人のリーマンブラザーズ債務が3兆5000億円あるが、この会社も野村が買う。この資金も預金者のものだ。潰れそうな金融機関にお金を注ぐ気持ちが分からないが、他人の資金を自己の資金と混同している。会社を買っても人材が抜けると抜け殻。そんな会社を買っても意味がない。リーマンブラザーズの総額債務は60兆円を越す。日本の大手銀行が貸し出した金額は1600億円。その損失額から推察すると日本の損害金は安すぎる。実態はもっと大きな額を失ったと思う。損失額を隠す為に、破綻した資産を買収する行為に見える。証券を小口化し、損失の内容が掴めない手法は詐欺商法だ。金融機関が考え出すと詐欺も高度な金融ノウハウになるらしい。そのノウハウを日本企業が買うのは賭けに近い。ものを「仕入れて・加工して・販売する」という、今一番大切な「実体経済」を買収するのであれば理解も出来るが、中身が見えにくい。マネーゲームの仕組みと入れ物を買って何が残るか考えて欲しい。日本は政策を改め「ものづくりの国造り」に取り組むことだ。日本のトップの頭脳集団がこの程度だと、このままでは立ち行かなくなる。当社のビジネスは水と食料に特化して来た。自力でのものづくりに徹してきたので、金融で揺れる社会が奇異に見えてならない。

 韓国・台湾の浄水メーカーから提携の申し入れがきている。私の会社は小規模だが、家庭用の浄水器・水の自販機・ボトリングシステム・超純水装置・大容量の大型装置までつくれる。日本の大手企業のコストは競争力がないので、彼らの狙いはものづくりができ、アジアの価格で販売できる会社を探している。彼らも輸入業者と組んでも水の仕事は成功しないし、装置をアレンジする力、販売する力、メンテナンスに責任を持てる国際的なビジネスに慣れた会社を探している。台湾も韓国も国内は景気が悪く海外に眼を向けている。私は機会があれば関係を持ちたいと思っている。

 NPOを通じてホームクリーン装置を販売したが予期した問題が起きた。20世帯規模のマンションに、家庭用の装置を納入した。空室が多いと言ってもマンションに家庭用装置で浄化するのは無謀な行為だ。水量は使わないからと販売する人はい言うし、大家は地元有力者の為、実積を狙った作戦だと思う。だが、水が良くなると当然使用量が増え、水不足になる。仲介者が私にクレームを言いに来られたが、当然の結果だと説明し、タンクの増設も提案をした。大家はこちらの意見は聞きそうにないし、販売者も対話出来ないので説明不足になった。私はマンションの大家には関わっていないし、引き上げを勧めた。しかし、マンション住人の希望も強く、再度付けたいと言われ、私が費用を負担して大型装置の納入を決めた。馬鹿げた話だと笑われたが、良くある話の一つだ。同じ損なら、と、新しい6インチの膜を2基使った装置を据え付けた。仕事は採算だけを考えていては出来ないし、金銭的な損害は生じたが、地域の信用は守れた。今は日本全体が余裕のない社会で、商法の心が乱れている。売り上げ、利益を焦って誤った判断をするケースがあるが、小銭で致命傷になる事態は避けたい。
時間10トン未満の水処理プラントの市場は経験と技術が伴わないと仕事にならない。やがて膜の時代になるし、今回の投資もいずれ大きな力になるだろう。私は、時間6トン規模の装置を予算内でつくる準備をしているが、今回製作した装置を改良すれば災害用にも使えるので、中国のメーカーに装置の写真を送り、同じレベルの装置を製作するように伝えた。

 プラントパワー(有機アミノ酸酵素液)の液肥を扱ってきたが、最近は一般の肥料が高騰してこの液肥を拡販する準備をしている。福島、長野からも注文があり少し動きだした。農業は重要な産業だ。勉強して、水耕栽培の試作機を製作している。数ヶ月前に、知人の紹介で水耕栽培に取り組む経営者にお会いした。総事業費30億円で野菜工場を建てる計画だ。水も大量に使うので、当社の大型膜の話を聞きに見えた。
私は、超・安いコストで野菜工場を作る計画を進めている。水耕栽培のポイントは「水・液肥・殺菌・エネルギー」。当社は膜ろ過技術もあるし、液肥も扱っている。エネルギーは地熱、太陽光、LEDを組み合わせる。温度調整が容易な配管式を考えている。展示スペースにLEDを使った発芽テストも始めだした。水槽はアクリルを成型し、富士山の溶岩で覆った物を選んだ。この製品の会社は奥村氏がデザインし、一躍有名になった東北のスポーツ車のメーカーも関係しているというので、興味をもった。

 私は4年前から膜事業が軌道に乗りだし、つくばで大手並みの事務所を構えるまでになったが、私の心は「フリーター」の意気込でいる。東大、新日鉄、役所、牧場、養鶏場、養豚場、製薬会社等、規模の大きい仕事も増えだしたが、原点は生活に近いビジネスを模索している。もう一段成長すれば、分社化を進めたいと思っている。

 T社と業務提携に調印したが、設備の導入処理が難航している。対案を電話で伝えたが、海外の仕事だし急ぐ必要はない。銀行がこの件で融資の打診があったが、断った。大手企業が背景にあるので安心感があるらしい。賃金の安い国で商いをするには慎重さがいる。

 千葉の佐倉、姉崎、柏に一日中メンテナンスに同行した。佐倉は硫化水素臭が強かったが、解消し喜ばれた。姉崎では奥さんと話しこんだ。最初は少し不満顔であったが最後は心が通うことが出来た。水の調子が悪いので点検すると落雷の影響で電源が落ちていた。体の調子の良い時はメンテナンスにも塩の販売にも同行し、様子を聞いている。不景気なのによく買って戴ける。浄水器も手動式で始めたが、当初、購入した顧客が自動化へアップグレードするケースも増えている。

 今後の景気はアメリカ次第だが、実態経済が弱って、金融に頼ったペテン経済が連鎖で崩壊する。数年は荒れる覚悟でいる。不良債権買取機構を作る案も決まったが、債権は7,000兆円もある。世界最大の保険会社が、9兆円の公的資金で国有化され切り売りが始まる。リーマンブラザーズ社の平均年収は7千万円。他人の金を動かし膨大な利益を得る。潰れて当然で、同情の欠片もない。不況が深刻だと騒ぐ割には日本の政治家はのん気だ。総裁選の名で総選挙の事前運動を行い麻生氏が勝ったが茶番劇だ。今回は世界同時不況だが、不況の時の方が、まともな企業を育てる機運も出て来る。人間は得てして地獄に落ちないと正常な判断が出来ない。首相が政権を投げ出す国。大臣も責任放棄する。国民は呆れるが、諸悪の根源は地元民だ。自民が敗退すると評論家は見ているが、地元は利権社会。引き分けで、再編劇が起こるだろう。

 事故米には驚く。販売した会社は刑事訴追されて倒産するが、元凶は輸入を承認した農林水産省にある。この省は呪われている。表と裏の世界があって、餃子に農薬が混入した事件は表の問題で国際事件になり数人が逮捕されて終わる。大量の輸入米に農薬が混入していても事故米として裏で処理され商品化されて来た。ここにメリットが生じて、業者が群がり闇の世界で扱われる。闇米は江戸時代からあった販売ルート。工業用に使うにしても発ガン物質が混入した米なら農林水産省が即輸入を禁止すべきだが、フリーパスで流通させていた。ここにも税金が使われている。安物にはそれなりに理屈がある。表では民間の犯罪だが、裏は官の犯罪だ。   

 九州のカレーチェーン店が東京に進出するらしい。この計画に知人が加わり、当社の膜紫外線浄水器を採用したいらしいが、昔、「ほっかほっか亭」にも納めた経験がある。外食産業は厳しい世界だし、消耗戦は私の生活リズムにも合わない。

 時間20トンの超純水装置の資料請求が知人の会社から来ている。前処理の膜装置は当社、ROとEDIの部品供給をすれば韓国の代理店でも作れる。韓国の三星、現代、大宇にも装置を納入しているし問題はない。当社グループでは大した仕事ではないが、本当の狙いはリサーチだ。数年前にKセラMから超純水装置を頼まれ、わざわざ大阪に呼び出された。秘密保持契約まで結ばされ、大幅な値引き交渉を受けた。結果は値引きの道具に使われて終わった。今回はH社かららしいが、時間20トンの装置は億単位になる。この手の話は、注文より仕様が知りたいのが本音。日本人は無料で資料が貰えると思っているが、時間20トンクラスだと大型の設備投資だ。ノウハウもあって資料を集めても内容は理解出来ない。

 当社の製品を買った方はご承知だと思うが、我々は販売には慎重だ。注文があっても必ず買う方に会って状況を掴まないと売れない。パンフレットも粗末な物で装置以外にコストはかけないし、営業も禁止している。装置を見て買う意欲の強い人に売る事にしている。売る側と買う側の協力がコストを下げる。

 NPOの方で営業をやりたい人がいる。何度話しても私の真意は伝わらない。営業は難しい。原料、部品を仕入れ、加工して販売するが、売れる程、貧しくなる。昔は部品の価格も安定していたが、今は月単位で価格が変動する。他人は、売れると儲かると思っているが、卸値で売っても利益は出ない。部品を安く買うには数十倍の量を仕入れないと買えないし、次に仕入れる時は儲けが吹っ飛ぶ。ボツボツ売るのは私の命を削っているのと同じ事で、営業をやめて、買いたい人に売るように命じている。私は昔から「人が自ら買いに来る製品をつくれ」と言っている。口先の営業で商品を顧客が買う時代は終わったし、顧客に我々の都合で販売するのは振り込み詐欺に近いビジネスだと思う。社会のニーズを掴んで顧客が喜ぶ装置を開発していれば、商いは伸びるし、滅びない。

 昔の友人から思い出したように電話がかかる。仕事が厳しいと嘆き節が多い。この厳しい時期に嘆きだけでは仕事は生み出せない。私が元気に働いている様子にも驚くし、水が仕事になり、有望業種になった事にも驚いている。私自身、よく続けてきたと思うが、危機ほど燃える。この仕事を成長産業に育てたいと思っている。水の仕事はアナログだし、長く続けられる仕事だ。水の自販機の歴史も私が開いた。日本中のスーパーに展開している自販機を見ると感慨深い。

 災害用の小型装置も、台東区の指定装置に認定された。これも成果の一つだ。台東区での最低条件は「水質51項目クリア」。当社の技術で、51項目をクリアする装置が完成し、今年だけで数台納入出来る。台東区以外の22区にも紹介したいと思っている。