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◆ プロジェクトの胎動2008/07/10 (Thu)

 倒産が激増しているらしい。全ての価格が上がって企業も苦しい。日雇い派遣が制限されるとまた企業に追い討ちになる。大企業が大儲けできたのは派遣社員を使って賃金を抑制し利益を上げたからだが、これも限界にきている。食品偽装も多発し、企業の信頼性が問われている。

 北海道で羊肉による町起しに挑戦している。私はこのプロジェクトに厚かましく押しかけて参加している。本格参戦のために、眼の手術で日本医大に入院した。20日間の入院予定が、順調に経過して7日で退院、戦列に複帰した。白眼の淵からレーザーを差し込んで眼の奥の網細血管を焼く手術で、凄い技術だ。ホームクリーン装置を販売したお客が眼科の教授で、診てもらえた。浦安のJ病院で5年前に手術をしたが、その後病院の待ち時間が長くて疎遠になっていた。失明する恐れもあるので、つくばの病院に紹介状を書いてもらって転院した。病院の紹介状には網膜が損傷し再起不能と書かれていた。私にしたらもっと早く経過を教えろと思ったが、諦めていた。つくばの病院で眼科に2度予約を入れたが、何故かキャンセルした。再起不能の紹介状が足踏みさせていた。
 教授の家に装置を納入した折に冗談で眼を見てくれますかと頼んでみた。営業トークもあったが、どんな手術をするのか興味があった。それに近所に大野さんというお客がいて会たかった。以前に浄水装置と酸素発生器、遠赤サウナ、RO浄水器と全てを購入された。最初事務所に来られた時には、熟年夫婦が散歩がてらに寄られた雰囲気だった。印象は買う気配が感じなかったので、売る気にはならなかった。次の日にスタッフから全部買う注文がありましたと報告を受けて慌てて無理をするなと電話を入れた。納入して様子を伺いに訪れると大喜びで迎えてくれ、大儲け、大当たりだと言ってパソコンの画面上の他社のサウナの価格表を示して、安く売ってくれたと感謝された。その後、野菜をいただいたりしている。入院すると近くだし、この方にも会えると思って入院した。3歳の時に被爆して常に大病と戦って来たので手術の恐怖心はなかった。だが2日に一度の透析治療の方が苦しい。一度に数キロも減量するし、マラソンを完走するよりつらいらしい。私は透析が終わるとすぐに仕事に就くし出張があるとそのまま飛行機にも乗る。考えれば病気が私を強くしてくれて欲も雑念も取り払ってくれている。手術を受ける恐怖心より、顧客の前では恥ずかしい態度は見せられないので、手術室に運ばれても平常心でいられた。小柄な教授が大きく見えてオーラが湧き出ていた。この人はプロだと直感した。手術が終わって眼は開けられなかったが、すぐに電話で仕事の指示を矢次早にだし早々に退院し、北海道の旭川空港に向かった。

 北海道士別のしずお農場が私を呼んでいる気がする。訪問の目的は、井戸水浄水器の設置の確認であったが、何となく雑談をしたかった。昨年試験的に一台納入したが、完璧な評価を得て、大型装置の注文を打診されたので、相手方の進捗状態も見たかった。二つ目の目的は、中富良野の客先に浄水器を納める仕事で購入する客にも会いたかった。この方は、昔の代理店に資料を頼んで来た。代理店は売る事しか考えないので、私は気乗りしなかった。それと質問の内容が難しい。なぜ、見知らぬ人に水のノウハウを伝授しなければならないのか理解できなかった。メールで返事をするには難しいので、数回電話を入れた。飲み水は無理でも洗濯だけでもと懇願された。分析表と設置場所の写真を送るように頼んだ。水質はベトナム、バリより悪い。臭い、塩素イオンが高い。水野は難しいと言ってきた。断ると逃げたと思われるし、不可能な仕事にも挑戦する意味もあって引き受けた。ベトナム向けと牧場に使う大型膜を準備していたので、その膜を使うように急遽変更した。先方は値段を下げるように言ってきた。私は特別な装備を提供しているのに見ないで値切る態度に頭にきて断ろうとさえ思った。写真を見ると豪邸だとすぐに分かった。

 昨年、しずお農場の今井さんが事務所に来られた折に、突然、士別での雇用の問題を相談された。地方は公共事業に依存している。小泉改革以降、仕事量が減り、会社の体質を変えないと生き残れないと話された。幸い大手企業で新規事業の仕事に携わっていたので色々と考えが浮かんだが、その後の話も聞きたく訪れたが計画は進んでいた。北海道は食の供給源として最重要拠点になるが、現状は公共事業に頼った仕事しかなく、農業、観光の仕事を伸ばしても厳しい。そこで、士別の特徴を生かして牧羊の仕事を始めた。周辺の有名な観光施設を調べていたが、時間があって富良野に立ち寄った。富良野はシーズンに入ると観光客で溢れ賑わいを見せる。旭山動物園も工夫を重ねて観光客が増加しているが頭打ちの感がある。士別の観光資源は、これらを真似ても意味がないし、農家が20年前に始めた羊の仕事も経営に行き詰って衰退している。このしずお農場は2年ほど前に町から羊の仕事を頼まれて始めた。食の専門家から良質な水を家畜に飲ませると肉質が高まると教わって水の装置を探して私に会ったらしい。牧場のオーナー会社は年間26億円を売り上げる、地元では一番の有力企業だ。オーナーは叩き上げの人で浄水器の事を話しても簡単には信用はしない。そこで、取締役が私に会って個人で購入し試すことになった。羊の数が増えてレストランを開く事が決まり、話がドンドン膨らみ止らなくなった。1億円を越えるレストランが誕生する計画に発展した。しかし、羊の飼料代の高騰などを採算は厳しい。有機野菜の農場も完成していた。後は安全な水を当社が担当すると完璧になる。200万坪の雄大な自然と安全な食、水が売りになる。

 中富良野の工事の合間、近くの廃校を使った美術館に寄った。館内は管理人を兼ねたスペイン出身の芸術家が私を案内してくれた。教室を全部使って絵画が飾られ廊下がとても広くて清潔に保たれていた。校庭にでると、銀色の葉が美しい樹々が気になった。何という名の花かと農場のオーナーが聞くので、スペイン人の女性にこの花について尋ねると花の名前は「ギンドロ」と教えてくれた。後で調べてみると、ヤナギ科の植物の一種で別名「ウラジロハコヤナギ」「ハクヨウ」ヨーロッパ中南部、西アジア原産の落葉高木らしい。花は雌雄異株で花期は4月頃で、葉の裏には毛が密集していて銀白色にみえる。【フリー百科事典ウィキペディアより】 注目したのは、この樹の強靭な生命力だった。小さな苗木は地面に可愛く咲いている。聞くといくら刈り取っても生えてくるらしい。そばにある15メートルほどの大樹が同じ植物だという。生長が早く強いこの樹に興味を抱いて、この植物の根ごといただいた。この樹をしずお農場に植えて、どんどん増やせば環境にもやさしくなる。200万坪あるしずお農場を、お金をかけずに、いろいろな花木が育つ農場にするには成長の早い樹木が必要になる。イギリス方式のガーデニングを取り入れた「イングリッシュガーデン牧場」になれば新しい観光資源になる。イギリスで羊を飼うために森を破壊した歴史もある。多彩な草木を育てないと、雨水がろ過されない。水資源を保たないと新しい生命も生まれないし、羊蹄山の麓の水も動物で汚染されて飲めない。カナダの氷河の雪解け水も飲めない。ここの井戸の水資源を我々がもつ最新の膜技術を使って浄化すれば大きな水資源になって財産になる。水を大切にすれば、安全な食につながるし、水の果たす役割は企業の明暗につながる。

 現在、ベトナムで新日鉄の関連会社と提携して、水事業に参入する準備を進めている。インドネシアのジャカルタとバリ島でも水の仕事を計画している。バリ島ではボトリングの飲料水事業だ。バリ島の高地の村の地下水を使う予定に考えている。バリ島は海岸線に近くて、塩分が多く飲料水には適していない。高原の水をろ過すればレベルの高い飲料水がつくれる。「バリ」の名前はリゾート地として世界的に有名だし、ハワイについで人気がある。観光客は年間150万人で、日本人は30万人ほど訪れる。私は水の仕事をしているので、良質な水源には関心が深い。21世紀は水戦争と言われるほど水が不足する。良質な水資源は最大の資源になる。石油より重要だと思うし、ここに高度な水処理技術を投入し、最高レベルの飲料水ができれば地元に貢献でき、知名度があがる。地元の人には安く提供し、富裕層は宅配、中心は観光客向けに売れば採算に乗るし、波及効果が士別にまで及ぶと思う。実現すれば面白いプランになる。
 私は20年来、世界中の水資源を訪ねてきた。日本では屋久島、大台ケ原、ハワイではカウアイが好きだ。全てが、降雨量が多い地域だ。ハワイのカウアイも雨が多く良質な水ができる。そのために私の社名のプリンスビラはカウアイにあるプリンスビルの地名からとった。バリは設備面を供与する形で検討している。バリ島の飲料水の装置は世界で一番の最先端の技術を投入するので当面は売らない。装置の概要は、日本も将来、導入される高度膜ろ過処理技術を採用する。アメリカでは大型の膜が投入されて膜ろ過が普及しているが、日本ではまだ一部にとどまっている。私は早々と膜技術を投入し、隠れた膜のトップメーカーだと自負している。東京と大阪では高度浄水処理にオゾンが採用され、有機物の分解に使われている。私が今回導入する装置は、それらの技術よりレベルが高い、オールUF膜とある会社と提携してマイクロバブル発生器に、オゾンを注入し溶解させ、膜で浄化しボトリングする。もし、この技術以上のものが世の中にあれば名乗り出てほしい。この最高水準の装置を、ローテクで操業できる形をつくり上げて設置する。当面は時間10トン規模でスタートする。(参考に:マイクロバブル装置の専門メーカーと当社とで、マイクロバブルをつかった新技術・マイクロクラスター水の共同開発案を締結思案中である。)

 しずお農場では低カロリーの羊肉を販売するために準備を進めているが、将来このマイクロクラスター水を羊に飲ませて肉質を高め、日本一安心・安全な羊肉を提供する案を薦めたい。この装置が完成すれば、日本で最高水準の羊農場が完成する。最初は神谷養鶏場に導入しスタートさせる。
 現在は有名なレストラン、高級な食事は東京に集中しているが、安全な水と澄んだ空気、新鮮な野菜、高級で低カロリーの羊肉が手に入れば、次世代の食文化として地方での新しいビジネスモデルになる。この方式は、アメリカ・カリフォルニア州にあるゴールデンドアが昔から採用している。世界の著名人が安全な食を求めてここに集まり、メンバー制で運営されている。砂漠にあって簡単には入れない。25年前に、大手企業でリゾートの調査を続けていた時にてこの施設を知った。三菱商事にアポイントを頼んだが、三菱商事でも断られた。そこで、友人の増川いずみさんに頼んで、休日に見せて貰った。ゴールデンドアのノウハウは豪華客船のクルージングに生かされて休息のノウハウとして超有名だ。
 カリフォルニアのサンディエゴで飛行場を所有する大富豪がいる。昔に勤めていた会社でチタンの販売先を求めていた。一番使うのは航空機産業だ。チタンは飛行機に多く使われるが納入には厳しい審査がいる。そこで、この会社を買収する下調べを始めた。ここで通訳にある知人を使った。この友人が凄い女性がいるので会わないかと誘われた。女王様だと言う。この女性は幅広い評価があった。会うと普通の女性であったが、才能に溢れていた。彼女にゴールデンドアの事を話すと、企画を担当していてコネがあるので、連れて行くと返事が来た。日本に波動水を広めた著名な人がいるが、本物は彼女だ。カウアイも彼女に紹介されて訪れた。彼女に会っていなかったら私も恐らく水の仕事には出会えなかったと思う。士別はゴールデンドアには負けない環境がある。増川さんをインターネットで探してみた。私が相談する相手は数人しかいないが、彼女は上位にいる。食のスペシャリストは多数いるが、アマゾンの薬草の研究から水、エッセンシャルオイル。全てに熟知していて、健康、自然治癒には知識レベルが高い。今は電磁波に関心が深く、全く謎に満ちた人物だ。インターネットで検索して電話をかけた。声を聴いた瞬間に10年間の空白が埋まった。大きな仕事は個人の力だけでは出来ない。今は、ベトナムの仕事もバリの仕事も小さな仕事だし心配はしていないが、大きな仕事が来そうな予感がしている。その時には彼女の力を借りたい。

 洞爺湖サミットが開かれた。厳重な警戒が行われ、北海道の観光客は激減している。いつも思うのだが、世界の指導者が集って世界の課題を話し合う場が形骸化されていて興味がわかない。これほどの厳重な警戒がないと会議が開かれないこと事態を反省すべきだと思う。今の指導者は全般的に小粒で、政策も貧弱だ。庶民生活から離れてショーと化し、危機感がない。

 アメリカが北朝鮮をテロ支援国家指定の解除を発表し拉致被害者の方は驚き、衝撃を受けた。日本人の大半の人は同じく衝撃をうけたが、私から見るとあまりにも日本人は真面目すぎる。誤解がある表現だが、アメリカは凋落していて、拉致どころではない。今のアメリカは昔のアメリカではない。平気で日本を裏切るし、心は中国に向いている。被害者にしたら、頼るのは政府以外にないし、政治家の甘言に怒りを覚えても、その怒り向ける矛先がない。日本人は昔から、お上という言葉があるように、政府を信じる事が美徳と思われていた。いい加減に目を覚まし、腹がたつなら、政権を変えるべきだ。隣の韓国で、アメリカ牛肉輸入再開で、政権が倒されそうだ。国民を守らない政権はすぐに崩壊さす事が、混乱しても真の民主主義だと思う。政権が乱れると、世間が混乱すると脅されて、安定志向で生きてきた報いが今の日本の社会をつくっている。私は、25年間アメリカと仕事をし、アメリカで素晴らしい経験と教訓を受け、私を育てた国の一つであるが、アメリカがイラクに侵攻した時から、アメリカを諦めた。今、世界中を混乱させて石油、穀物の高騰の原因はアメリカだ。そろそろ日本も自立する準備を始めないと先行きは暗い。

 100年に一度咲くサケリュウゼツという花が咲いたので、社員全員でつくば国立植物園に出かけた。思ったより背が高く、驚いた。100年に一度に咲く花だから、見せるのにもう少し工夫が欲しかった。高くて見えなかった。この手の催しに熱心なのはお年寄りだ。次回訪れるときは見ることは出来ないし、細かい心配りが欲しい。この気配りが乏しいと社会全体が味気なくなる。企業の不祥事が目立つのも心配りがかけた儲け主義に走る醜さに従業員の反乱が随所におきて、日本を堕落させている。

 産総研のベンチャー会社に依頼して画像処理のソフトを開発している。その産総研のベンチャー企業の会社と、システム・中国ビジネスの調査に関して提携関係を結んでいる。士別のプロジェクトも紹介している。11月か12月には、ベトナムのハイフォンの工業団内に水の拠点をつくるので、そこにも設置を考えている。

 つくばで、士別の「羊肉のPRセンター」を作りたいと考えている。1億円を投資してレストランを開業すると最低一日80人の来客がいる。採算を急いで中間業者に売れば儲けが減る。理想は直販だ。つくばは知名度も高いし、私の友人もいるので、声をかけてPR拠点を作ってこの牧場だけは命がけで守り抜きたい。オーナーの娘さんに廃校の庭で希望を聞いた。雇用を守りたいだけと言われた。この夫妻は素晴らしい人物で多くの人を楽しませる素質が満ちている。最後に最近届いたメールを紹介する。

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おかげさまで、新居に移り、快適な生活を送っております。まず、ご飯がおいしくなりました。家業が農家ですが、昨年末から生活が変わったためか、あるいは温暖化の影響か、ご飯がおいしく感じられなくなりました。それが、浄水した水でご飯を炊くとおいしくなり、保温しておいたご飯もあまり変わらなくなりました。今は、外に出かける家族4人がお弁当を持って、お昼を楽しみに仕事や学校に向かいます。それから、石鹸の泡立ちのよさ、水のやさしさなどが実感でき、家族一同喜んでおります。更に付け加えるならば、最近飼い始めた「めだか」もです。ぜひ、水野様にも点検かたがた新居をごらん頂きたいと存じます。=以下中略=

 筑西市の役所に勤める方から戴いた。この感謝の声が私に勇気を与えてくれている。機会があれば、是非、旗を立てて士別に団体旅行に出かけたい。