戻る
◆ 新春4月2008/03/23 (Sun)

 円が100円を切りドル安が進んでいる。円高よりドル安が本筋で、当分この状態が続く。円安輸出で日本経済は支えられて来たが、大儲けは一部の企業で、利益は国民に還元されなかった。円安は輸出を伸ばす補助金に似た性格で、異物な形だ。この甘えた状態では国力が疲弊してしまう。長い目で見れば円高は国力の象徴で歓迎したい。資源の乏しい国は円を強くして、体力をつけないと生き残れない。
 4月になると膜の価格も50%ほど値上がりする。私も急遽、1000万円分の部材を仕入れた。ドルは80円近くまで下がると言われているが混乱は続くだろう。

 中国が荒れている。チベット問題は根が深い。この国は公安で警察国家だ。本来は自由の無い国で、混乱は今後も起きる。しかし、日本は、中国抜きでは生きられないのも現実だ。食の問題が起き、中国から食品の輸入量が減少した。食の安全保障は担保されないので不安になる。中国在住の日本の食品会社も水に関心を寄せ始めだしたが、解決策は浮かばない。特に洗浄水を綺麗にしたいが、洗う水は、使用水量も多く、全てを浄化して再利用するには膨大な資金がいるので、対策は難航する。やがて水も争奪戦になるだろう。
 人工透析に使うヘパリン製剤も中国でつくられている。T製薬、O製薬、F製薬と名だたる製薬会社が扱っているが、日本を始め、アメリカでも事故が起きている。命に関わる薬ぐらい自国でつくれと言いたいが、グローバル経済下での日本企業は、丸投げし、上前を跳ねて儲けないと、生きられない。技術は遠い昔に、中国に吹き飛び、技術大国日本は妄想に近い。
 鉄鋼石も60%値上がりした。原油も110ドルを超えた。資源の高騰が続くと多くの業界が淘汰され、格差も広がる。福田政権にこの動乱期を乗り切れるとは思えない。決断が遅いし、口調は評論的で、頑固そうだ。長く政権を担当した自民党の統治システムが疲弊して、誰が首相になっても、日本の崩壊は止められない。私も他人から見れば見苦しい年寄りだが、決断のスピードは負けないように心がけている。

 東京はオリンピック誘致に奔走しているが、石原銀行で足元が崩れだした。2000億円は軽く吹き飛ぶと思う。日本中の富を掻き集め、金が集まると必ず大失敗する。石原さんには、制御能力が無くなった。収拾策が混迷すると思う。日本人は個人の決断能力が低いので、苦境に立つと責任転換し、先送りしがちだが、決断を誤ると損害が拡大する。

 つくばのNPOを充実させている。当面、会員の育成を兼ね3台から4台ほどの販売を予定している。装置製作の研修会も始める。

 神社から時間6トン、3トン処理の見積要請が来ている。市原から9日来店され、購入を決め、同時に代理店を希望された。若い人だしNPOに参加を勧めた。富津市に新築されるお医者さんが前金を持参し、つくばに来られた。南房総市に新築される方も来られて装置を予約された。船橋、柏市、岐阜、三重、広島から問い合わせが来ているが、岐阜の顧客も代理店を希望されていて、17日に名古屋駅で会った。23日つくばに来られて新しいエコキュート向けの小型装置の開発と供給で合意した。船橋の案件は、大手ゼネコン向け。最近、エコキュートを使う人が増えて、80%の顧客はホームクリーン装置を購入されている。EDI超純水装置の注文も入替注文が来ている。
 
 2月29日、提携の骨子を決めた。この関連で、5月にベトナムを訪問するが、4月にはジャカルタに装置を輸出する事が決まった。後進国の水でも使える装置を開発している。富裕層の数も増え、インドネシアでは3000万人、中国は1億人を超えている。アジアのマーケットは大きい。12月にホノルルを訪れたが、観光客は、中国人と韓国人が大幅に増えていた。

 2月24日、膜メーカーの招待を受け訪韓し、極秘に工場を内覧して来た。昔NOKの膜工場を見たが、その工場がそのまま移転したように思え、技術の拡散の早さに驚いた。随所に最新の技術が組み込まれ技術力が上がっていた。

 瀬戸内海の島で、井戸が枯れ飲料水に困っているとメールで依頼を受けた。大阪の会社に価格を聞くと高いので安く造りたいらしい。少し様子を見て貢献できれば対応したい。
 我々も現場で学んで新しい発見をする。現場が命で、現場で問題を解決し、膜の性能を生かした装置を開発している。こういう時代だからこそ、小さな企業でも大きなチャンスがつかめる。海外と長く交易し、流れは分かっているので、サービス精神を発揮して頑張りたい。水の仕事は、アナログ的な仕事だし、過去の経験も生きる。過去から現在の積み上げがないとできないが、私は早い段階から砂ろ過を諦め、膜技術に特化し、膜装置を開発したお陰で業績も伸びている。日本社会は新しい動きには鈍感だが、海外のメーカーは動きが激しい。ビジネスは、弱者には冷淡だし、勝たなければ即忘れ去られてしまう。

 政治の空白にも慣れ、興味がわかない。世論も危機感が薄いし、世間を見ても希望が沸かない。斬新なコンセプトも生まれにくいし、日本は横並びで、官僚王国だ。日本人の良き残像が辛うじて残っている間に、改革を進めないと、限界にきていると思う。