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◆ 3月は大きなチャンス2008/02/15 (Fri)

 弁当チェーンの“ほかほか亭”が分裂した報道を見て、埼玉の一号店に当社のFW-20の浄水器を納めた記憶が蘇った。チェーンを運営する本部に伺ったが、チェーンビジネスは、ピンハネ額が大きいので、以後の販売を断った。私も老舗と言われる歴史を歩んで来たので、このニュースは感慨深い。この時期に、スーパーでお馴染みの水の自販機のビジネスも始めたが、このビジネスも全国的に広がった。数年前にイオンの幕張の本社に呼ばれ、新しい自販機の開発も頼まれたが、先が見えないので、答えが出せなかった。多分、妥協した生き方をしていたら、大きくなるチャンスもあったと思うが、唯我独尊で生きて来ので、零細のままで、生きている。小さい会社だが、不思議と楽しい。

 年初から二ヶ月たったが、今年の経済は厳しさを増し出した。底堅く、悪くて横這い、後半は上昇すると楽観されていたが、景気が減速を始めている。政府の景気の見方は何時も庶民生活から乖離し当てにならないが、今回は危ない。新浦安に持家があるが、買い希望のチラシが多かったが、数も減り、動きが止まって来た。つくば市もエクスプレスが開通し、一時はバブル状態だったが、空き事務所も増えだした。知人の保険会社の解約額が3ヶ月で10億円を越えて解約ラッシュとの事。

 餃子事件が表面化したが、食材の多くが中国で造られていた現実を知り驚いた人も多かったと思う。この事件を契機に食材が値上がりすると思う。不況に追い討ちになる。大手企業が、食糧生産を中国に丸投げし、大量買付け、大量販売、大量破棄のシステムを確立して来たが、その付けが悪い方向に表面化しだした。この仕組みを改めないと近い将来、深刻な食糧危機を迎えると思う。
 企業も安全第一から安さ第一に走っているが、食と医療、環境、介護の仕事は、政府が採算保証して、安心して運営出来る制度を確立する必要がある。使命感だけで運営出来ない、政府が使命感を発揮して欲しい。食の崩壊、医療の崩壊、介護の崩壊、環境の崩壊に手を打たないと国は滅びると思うが、政治家に危機感は感じない。本来、食は命の源、その国の重要な文化だが、今や、自国で食財を調達する事は出来なくなった。つくば近郊の農家も、農地が荒れ、就労年者の齢も65歳を超え後継者もいない。10年先を考えると農家には期待が持てない。

 中国に頼りきって生活しているが、中国の現状を考えると水も心配になる。水道水は直接飲めないので、中国の友人に膜浄水器をサンプルで輸出してあげたが、水道水のレベルは工業用水以下だ。農村の水事情はもっと遅れていて汚い。野菜・果物の残留農薬は規制が強化されているが、野菜に染み込む水の汚染度も問題になる。農業用水は農薬で汚染され、養分も高いし、川の水も化学物質で汚れて70%が使えないと言われている。真空パックに納められる魚類も問題になる。魚をさばいて加工して真空パックに詰めるのだが、加工時に使う水も心配になる。
 日本の水産加工の会社から呼ばれて、現場を点検したが、日本でも問題が多い。中国に至っては手がつけられない状態だと思う。餃子事件を契機に、中国在沖の食品会社で、水を心配して見直されているが、問題は山積だ。多くの加工工場は、大手の下請け会社が多く、資金力が乏しいので、簡単に設備投資は出来ない。本音は、菌さえ出なければ、問題は起きないと考えられているが、此の侭の状態だと今度は、水の汚染事故が起きると思う。中国に食を委託する理由は、安さが第一で、安全は二の次が本音だ。食の偽装、餃子が問題になり、国民の関心が高まり、密かに対策が考えられている。
 今回も、中国在住の食品会社から時間22トンの浄水装置の打診があったが、水質の状態を聞くとROを使わないと、除去出来ないほど悪い。まともに考えると大きな投資になるので、無理な相談になるが、このクラスのRO装置を安くつくる準備も考えている。究極は半導体工場並みの設備が必要になるが、結論から言って当社は可能だと思っている。当社は不思議な会社で、世界一の低コストで作れる自負がある。数年前に、EDIの製造を中国に委託する事を考え、互いに製造原価を出して検討したが、中国にも負けなかったし、時間1トンから10トンクラスの純水装置の開発も負けないと思う。今回の餃子事件は玉虫色で終息すると思うが、安全は今後も大きな課題で、当面は収束出来そうもない。

 中国はオリンピックを控えて大変だし、アメリカも住宅ローンの焦げ付きで100兆を越す債務が発生し大変だ。アメリカの経済はマルチ商法に近いので、ドミノが倒れるように連鎖が起こり損失額は広がる。500兆円を越すと思う。金融で荒稼ぎし、金融で大損をする。アメリカ経済は好きにならない。
 
 私は、4月から部材が上がるので、部品の仕入れを始めている。提携の話が来ている。1月28日友人の教授の紹介で話があった。10年前からベトナムに進出し、野村ハイフォン工業団地で、薬品の工場を営む会社からだ。水のプロジェクト始めたいらしい。当社は零細企業だし、組み易いと思っているようだ。軌道に乗るには、5年は必要になる。忍耐得力が鍵になるだろう。売り買いから始めるが、若手の育成を兼ねてこの機会を前向きに捉えている。
 
 今年は中国も目処が立ち、韓国にも力を入れる。知人から膜の一貫生産体制が完成し、新工場がスタートするので訪韓するように招待を受けた。ベトナムの話も話題にしたい。

 井戸水のホームクリーン装置は価格にあった装置に成長して来た。家全体を浄化するコンセプトは当社以外にないし、少しずつ関心が持たれだした。このシステムは配管の保護、寿命にも有益だし、エコキュートにも対応出来るので、大きな商材に成長したいと思う。井戸水は汲み上げ場所によっては水の水質が異なるので、極めの細かい対応が必要になる。つくば市を例にとると水道水の取水源は霞ヶ浦だ。この湖は日本で2番目に大きいが汚れも深刻だ。この湖では鯉の養殖も絶滅したほど汚い。井戸水も直接は飲めない場所が増えているし、毎月、数箇所に装置を販売しているが、水の汚染度は進んでいる。先日も、仙台の業者から電話があって、硬度が350mg/L、鉄が22mg/L、大腸菌も検出、その他、諸々と悪の水のデーターを伝えられて、直ぐに見積が欲しいといと頼まれたが、硬度300以上の水を0まで落とすには、大型の装置が必要になる。鉄も22を0.3以下に落とすには、厳しい。難しい仕事は会わないと売りたくならない。

 人々は環境に関心が深くなり、水の相談数も増えている。安全な水、安全な食を食べるにはコストがかかるが、水道水向けに膜浄水器を開発し、NPOを活用して、格安で販売する準備をしている。つくばで、NPOを立ち上げて活動を始めた。地元の商工会の幹部を始め、アフガニスタン人の学者、クリニックの関係者が事務所に来られ少し賑わっている。メンバーには楽しんで参加して欲しいと要望している。NPOの趣旨は、大げさだが、死ぬ迄で、元気に働ける集団を目指している。それに、地元の仕事は地元人に任せるのが自然だし、小さいが地元貢献に繋がる仕事に育てたいと思っている。

 群馬の薬品会社からEDIの循環ラインの増設の話が来て見積もりをだした。この工場には、EDI装置が2基稼動し、1台は、大手のO会社、1台は当社製だ。当社のEDI装置膜は前処理に膜を使えるので、井戸水でも使える。当初は、信用されなかった。評価が上がりだした。O社の装置は安全を見て、水道水。しかし、当社のEDI装置は井戸水でも十分稼動するので、井戸水の使用を拡大したいと言われた。私は20年仕事をしているが、中小企業の方が、技術面では、大手の企業より、上だと思う。私も大手で死ぬほど働いた経験もあるが、零細で生き抜くにはそれ以上の努力がいる。看板も無く、大きなプレシャーも受けるが、そこで培われた経験が大きな力になり、遜色のない仕事が出来る。

 柏市の(I)果樹園に装置を納入した。雪の中の工事は大変だったが、中小は、苦しい仕事も、逃げる訳には行かない。

 昨年、中国の武安を訪れた時に会った社長から連絡があった。北京の中心部に自社ビルを完成したので、交流を希望している。鉄鋼石の鉱山、製鉄所を所有し、アフリカの石油、天然ガス、レアーメタルの利権を握っているが、私の浄水器をビル内に展示する約束を交わしたので、その後の予定を尋ねて来た。オリンピックが終了後、訪問すると返事をしている。

 東大に最初の自動証明書発行機を納入する。3月には、4台追加も決まった。富士鉱油様向けの装置の納入も3月末に決まった。2月の終わりに韓国、3月はジャカルタを訪問する。

 車の塗装メーカーから純水の問い合わせが来ている。成約は難しいと思うが、20台単位で、1台100万円で、販売して欲しいと言う。当社を試しているのだ。それでも、大きな資金がいるので、実現は難しいと思うが、一台だけは造る予定でいる。

 3月は大きなチャンスが来る予感がするので、投資を考えたい。